触れたらびっくり、デンキムシ“イラガ”
イラガとはチョウ目イラガ科に属する昆虫の総称で、ヒロヘリアオイラガ、ナシイラガ、アカイラガ、ヒメクロイラガなど、様々な種類がいます。一部の種類を除き、基本的には成虫やマユに害はなく、幼虫のみ触ると被害を受けます。
北海道から九州まで生息し、幼虫は別名を「イラムシ」とも言い、ウミウシのような形状をしています。7~10月頃に幼虫が発生し、カキノキやサクラ、ウメ、リンゴ、カエデ類、ヤナギ類、クリ、ヤマボウシ、ケヤキなど、幅広い樹木でみることができます。街中の街路樹として使われている木についていることが多い虫なので、山の中よりも街に近い環境の方が、注意が必要です。
幼虫はサボテンのような見た目で、そのトゲ(毒棘:どくきょく)に触れると電気が走ったような痛みを感じ、その後皮膚炎を起こします。痛みは比較的早く治る傾向がありますし、その後のかゆみも長く続かないことが多いようですが、触ってしまったときの痛みは強いので油断は禁物です。イラガには地方ごとに様々な呼び名もあり、デンキムシ、オコゼ、キントキ、シバムシなどとも呼ばれるようです。
イラガ対策・駆除方法は?
イラガのマユは独特な形をしています。このような卵型のものがイラガのマユです。このマユは丈夫で長く残るため、樹皮や枝にこのようなマユがついていれば、その木はイラガが好んで利用している木である可能性が高いことを推測できます。
イラガの幼虫が発生する時期は7~10月頃です。この頃、イラガが利用している可能性の高い木の葉っぱを眺めてみて、マユや茶色く食われた跡がある場合は要注意。イラガの幼虫が葉を食べながら潜んでいる可能性があります。触らないように葉をよくみてみると…、小さなイラガの幼虫がいるかもしれません。
幼虫を駆除する場合は、市販の農薬、殺虫剤が効きます。庭木で使用することもあるヤマボウシなどにもつくことがあるので、この時期は注意してみてみるようにしましょう。
刺された時の対処法は?
刺されてしまったら以下のように対処していきましょう。種を問わず、毛虫刺されの対策には、粘着テープを使っての毒毛(または毒棘)の除去が効果的です。
◆その①◆
粘着テープを刺されたところに貼って、付着した毒棘を除去します。数回貼りはがしすると効果的でしょう。
◆その②◆
流水で傷口をよく洗います。冷たい水で洗うことで、痛みを和らげたり、腫れを抑えたりする効果が期待できます。
◆その③◆
最後に抗ヒスタミン軟膏を塗っておきましょう。症状が酷い場合は皮膚科などを受診することをおすすめします。
イラガの幼虫に要注意!
イラガに限らず、危険生物の対策の第一歩は、「相手を知ること」にはじまります。何がどのように危険なのかを知るだけでも、出会ったときの予防や、万が一の時の処置に役立ちます。イラガがついている可能性があるのは、マユの跡が残されていて、葉っぱが茶色くなっている部分がある木。快適な暮らしやアウトドアのためにもイラガを知っておきましょう!