ULに興味はある、けれど踏み出せない。その理由は…
筆者が登山を始めて早十数年。 初期は25kgほどのザックを担ぐテント泊メインだったのが、いつの間にか山泊装備で3kg。 現在はウルトラライトでの日帰りロングのスピードハイクへと変化していきました。
長く登山を続けていると、自分のハイクスタイルが変化していくことは誰にでも起こります。
中級レベルのハイカーになると…こんなお悩みも
友人に誘われて始めた登山も、気付けばどっぷりハマって、アルプスのような難易度の高い山にも当たり前に登るようになり、 ショップスタッフのアドバイスや登山雑誌を参考に買い揃えたギアも、徐々に買い替えの時期。これはあって良かったなと思うものから、自分には要らないかもなど、ある程度自己判断もできるようになってくるのではないでしょうか。
そんな中、巷ではULハイクが流行中。 でも快適性や利便性、安全性を削るスタイルには、どうしても不安が…。

それもそのはず、ULハイクというスタイルに「不安」を感じるアナタは、「ホンモノのハイカー」であると言えます。ある装備を削ることによるリスクが想像できる、もしくは直感的に感じられるほど、「登山力」と「経験値」を積んでいる証拠だからです。
「リスクを増やすくらいなら、その分体力を付けて楽に担げるようにする」これもひとつの答えでありハイクスタイルです。

本来、ULスタイルは「軽量化」だけで成立するものではなく、その背景には多くの「経験」が必要です。削った重量で増えるリスクを事前に予想し「どう対処するか」を自己完結で「乗り切る実力」が必要なのです。
軽いことは正義?でもやっぱり必要なものは削りたくない!
ULを進めると、グラム単位で軽量化を追及し、快適性は二の次三の次になっていきますよね。それは、安全性を削らないために正しい方向性です。ですが、無理なグラムカットは窮屈と感じる人も少なくありません。

そんなアナタにオススメしたいのが【ネオUL】というハイクスタイル。重量カテゴリだけで言えば「ライトウェイト」に準じますが、筆者はネオULを「自分にとって必要な快適性」はしっかりと確保したうえで軽量化を進める、言わば「ストイック過ぎない快適な軽量化」と定義します。 その「快適」は「歩くとき」も「寝るとき」もであることが最善です。自分が許容できる範疇で快適性を削り、加えて「余分な着替え・タオル」「過剰な快適性向上ギア」、ベースウェイトからは外れますが「考え抜かれていない食料過多」を見直してみましょう。この辺りだけでも相当な軽量化が可能になるのです。またあったら便利系のギアなど、ザックの肥やしになっているものもしっかり見直します。