三浦親子トークショー|「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」試写会レポート

7/30(土)の公開に先駆けて「ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~」の試写会が開催されました。上映後には、日本人初の親子でエベレスト登頂を果たした、三浦雄一郎・豪太親子のトークショーも行われたので、その模様も併せてお届けします!


「記録」には残らない過酷な遠征

映画ヒマラヤ「人の繋がり(絆)」にここまで重きを置いた山岳映画はなかなか無いのではないでしょうか。この作品は、アジアを代表する伝説の登山家オム・ホンギルが実際に行った、エベレストで死んだ仲間の亡骸を探すため、栄光も名誉もないエベレスト遠征に挑んだ実話を映画化しています。

今回は試写会後に行われた、自身のエベレストでの経験を踏まえた、三浦親子のトークショーの模様をお届けします!

映画を観て感じたことは?

ヒマラヤ トークショー<左:三浦雄一郎氏 右:三浦豪太氏 ※記事内では敬省略>
雄一郎
「山映画はシリアスなものが多いが、前半は青春ドラマのようなユーモアのあるパートがあったりと、ヒューマンドラマとして素晴らしい作品だった。ドキュメンタリータッチの映画では再現できない滑落のシーンなども印象的でした。」

豪太「山にいる時の苦難だけでなく、一生懸命スポンサー集めをする苦労※注1なども描かれていて、【人の良さ・仲間の絆】をより強く感じることができました。」

注1※実際にホンさんにもお会いしていて、普段は朗らかな良いおじさん、という印象だそうです。


実際の8,000mの苦しさ、デスゾーンの風景とは?

ヒマラヤ トークショー豪太「8,000mでは地上の1/3の気圧になります。少し動いただけで苦しくなるのに、止まっていると苦しさを感じないような気になってくる。それなのに、寝ようと思うと誰かに首を絞められているような気がして夜中に起き出してしまったり、気付いたら手足がどんどん冷たくなってきます。2008年の遠征時には肺水腫や脳浮腫を起こし、朦朧として足に力が入らない状態になってしまい、自分の意識が離れていってしまうのが心細かったです。」

雄一郎「登頂される前、エベレストは山頂に行ってしまえば死んでしまうのではないかと言われたような世界でした。山頂はお湯を沸かすと40度で気泡が出始め、50度くらいで沸騰をはじめるような場所で、崖を登ったりすることで体温も上昇しているため、もう少しで血液が沸騰してしまうかもしれないような極限の状況。そんな中でも一番つらいのは下山の時。降りる途中で【死んでしまった方が楽】と思えるくらいの苦しさがある場所です。」
ヒマラヤ トークショー豪太「実際に登った際、前日に亡くなったバングラディッシュ人の方を見かけました。デスゾーンは命あるものと無いものが近くに存在していて、その隔たりがとても薄い場所。高いところに行けば行くほど天国に近づくのだと感じました。」

雄一郎「死がごく自然に【在る】場所でありながら、上を見上げた時の星空の美しさが非常に印象的で、歩きながらそのまま宇宙に辿り着けるのではないかと思った程でした。」

映画の主題である「遺体の回収」についてどう思われますか?

ヒマラヤ トークショー豪太「行くだけで大変なデスゾーンから、装備を含めたら80kg以上になる成人男性を山から降ろすのは至難の業。(登る際には)グラム単位で軽量化を図るようなことをしているのに、それを考えたらなかなかやれることではないですね。」

MC「もし雄一郎さんが山で亡くなったら、回収に向かわれますか?」

豪太「どうにか降ろすことを考えると思います。実際にはまだまだその心配はなさそうですけどね(笑)。※注2

注2※前回のエベレスト遠征でのエピソードを踏まえたお話。8,400mあたりのテント場で足に力が入らない雄一郎さんを、なんとかテントに運び入れた豪太さん―早く医者に診てもらわないとマズいなと考えを巡らせている矢先、雄一郎さんを見ると何やらモゴモゴ言っているので「これはいよいよダメか」と思ってよく見たところ、赤飯を食べていたそう!呆気にとられて見ていると、続けざまにラーメンを作り出して食べ、最後にヒマヤラケーキを食べてお腹をポンポン叩いた後、「ふぅ、やっとお腹にモノを入れることができた。」と言い立ち上がり、またスタスタ歩いていったそうです。


最後に、危険がありながらもなぜ、山に登るんでしょうか?

ヒマラヤ トークショー豪太「山で見る景色、吸う空気、生きているもの、生きるのをやめたもの―それら全てがあるギリギリの環境が、生きていることを強く感じさせてくれるからだと思います。」

雄一郎「山で行う、生きて帰るための命がけの努力―人間の生命力、限界を試されることが人生をより豊かにしてくれるからです。」

映画は7/30(土)より順次公開予定!

映画ヒマラヤ
山岳史上最も過酷な登攀に挑んだ“ヒューマン遠征隊”感動の実話。「デスゾーン」エベレスト地上8,750メートルの地に残された「友」を迎えに行くための熱き77日間の真実を、その目で見届けよう!ヒマラヤ ロゴ

『ヒマラヤ~地上8,000メートルの絆~』

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7月30日(土) より

ヒューマントラストシネマ有楽町、シネマート新宿 ほか

全国順次ロードショー

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配給:CJ Entertainment Japan 

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 ©2015 CJ E&M Corporation, All Rights Reserved.

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ヒマラヤ トークショー
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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