遭難すると、かなりお金がかかる場合があるらしい・・・
たくさんの魅力がある登山ですが、必ずそこに潜んでいるのが遭難のリスク。
あなたは遭難したら、いくらくらい捜索費用がかかるか知っていますか?さっそくですが、遭難事例を見てみましょう。
今回は、日本で唯一の山岳遭難対策制度を運営しているjRO(日本山岳救助機構合同会社)代表の若村さんにご協力いただき、実際の遭難事故にかかった費用やjROの補填金(捜索にかかったお金を補填するお金)を事例別に解説していただきました。
事例①:発見されなかった場合・・・
※2)遭難者が見つからない場合、7年間は死亡とみなされないため、遺族年金の支給や死亡保険を受け取ることができません。
どうしてこんなにも費用が高くなるの?
もちろん毎回330万円かかるわけではありませんが、今回のように捜索が長期に及んだ場合は捜索費用が高額になってしまうのです。(jROの過去実績だと、平均40万円くらいだそう)
どんなことにお金がかかっているのか、まずはどのように遭難者の捜索が行われるのかをみていきましょう。
山での遭難が発生した場合、まず家族の要請を受けて警察などの公的機関が一次捜索を行います。この時の捜索費用は、原則無料(正確にいうと、税金を使った捜索※2)。
民間の捜索は有料で、捜索の規模や期間によって金額が変わります。基本的には公的機関の後ですが、人命優先で捜索方針によって一次捜索から参加することも。
以下の内容は、具体的な費用の一例です。
当然ながら、捜索が長引くと捜索費用もかさむため、人命と経済的負担の観点の両方から考えても、遭難したらできるだけ早く見つけてもらうことが大事です。
スムーズな捜索のために自分ができること。それは少しでも自分の「足跡」を残しておくこと。それが早期発見、早期救助へとつながります。
でも、遭難ってそんなに起こるものなの?
実際に自分が遭難をしないとなかなかイメージしにくいかもしれませんが、山での遭難は起きています。
警察庁が発行した『令和2年度における山岳遭難の概況』によると、令和2年の山岳遭難発生件数が2,294件で遭難者は2,697人です。これを1日あたりにならしてみると……
○1日に約6件の遭難が発生!
○1日に約7.4人が遭難している!
ということになります。
原因を見てみると、道迷いや転倒などさまざまで「危ない岩場に行かないから安全」「低い山だから平気」ということはなさそうです。反対に、登山をする誰もが遭難する可能性を秘めているといえます。
【実例紹介】もしも遭難したらどれくらいお金がかかるの?
もう少し、他の遭難事例を見てみましょう。