小さじ2分の1で死に至る猛毒きのこ「カエンタケ」
色は真紅。根元から太さ1cm程度の茎が何本か伸びていて、大きいもので高さ10cm程度。ちょうど人間の指のような形をしています。致死量わずか「3g」。非常に毒性の高いこのカエンタケは、触ることすら危険です。
発生時期は初夏から秋。コナラなど広葉樹の立ち枯れ木の根元や、埋もれた倒木などに発生します。
日本での発生例は普遍的になると言われていて、日本各地で発生が確認されています。
カエンタケによる恐ろしい症状TOP5
5位 皮膚がただれ、ぼろぼろになる
通常の猛毒キノコは触るだけでは何の症状も起こりませんが、カエンタケは例外です。
強くつかむことにより、出てきた汁に触れてしまうと、皮膚に炎症を引き起こします。
絶対に素手で触らないようにしましょう。
4位 口の中が口内炎だらけになる
非常に苦いと言われるカエンタケですが、口に入れてしまうと24時間~48時間を経過した頃に、口の中が口内炎だらけになると言われています。
3位 呼吸困難・白血球破壊
不幸なことに、もしも食べてしまうと、まずは嘔吐・腹痛・下痢などの消化器に症状が出ます。続いて呼吸困難や白血球・血小板が減少します。
2位 全身の皮膚の糜爛・肝不全・腎不全・呼吸器不全
前述の症状が進行すると、抹消血管障害により、手足の皮膚が厚くむけ、毛が抜ける、粘膜のびらん等、外から見える症状が進行し、一方で体全体の機能が不全に陥り、死に至るという非常に致死率の高い毒キノコです。
1位 後遺症が残る(小脳の縮小・言語障害・運動障害・髪が抜け落ちる)
カエンタケの毒は、かつて世界中で中毒を起こした穀物のカビによる中毒と同じであり、輸入穀物は厳重にチェックがなされています。
カエンタケと形の似ている無毒のキノコもありますが、わからない場合は絶対触らないように!
カエンタケを発見したら
カエンタケを発見したら、決して触らず、最寄の保健所に連絡してください。自分だけで処理しようとすると大変危険です。
たとえ摘み取って地中に埋めても、ほとんどはまた生えてきてしまいます。ゴム手袋などをして、ゴミ袋に入れて焼却処理するなど、慎重に対応しましょう。
真っ赤な殺人キノコ。カエンタケ
非常に毒性の強いカエンタケ。カエンタケは野山だけでなく、条件さえ揃えば公園にも発生します。危険な菌類であることをきちんと覚えておきましょう!
【記事監修】
国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所フェロー 根田氏
東京農業大学 教授 橋本氏