「ついていかないと!」…そのペースに無理はない?
みんなと仲良く一緒に山登り。ソロ登山も楽しいですが、グループ登山も楽しいですよね。
でも、「遅れると悪いな」「ペースを合わせてもらうのは申し訳ない」と必死で歩いている人、意外と多いんです。足元ばかり見て、必死に歩いて汗だく…。そんなあなたに質問です。
「その登山楽しい…?」
本当に怖い、登山での頑張り過ぎ
もちろん目標とする山に登るため、頑張る気持ちは大事。「みんなと一緒のペースで歩きたい」と思う気持ちもわかります。
しかし自分の限界以上に頑張りすぎると、シャリバテ(おなかが減って力が入らなくなる)や、脱水症になったり足に力が入らず転倒したり、最悪の場合歩けなくなってしまう可能性が。
そうなると、グループ全体の行程も狂ってしまい、下山時間が遅くなることで遭難につながってしまうことも…。
特に登山初心者の「頑張り過ぎ」は、本当に怖いんです。
なぜこんなにキツいんだろう?それは…自分に合わない無理なペース
歩くペースは、体力や筋力はもちろん、体重、体格などで変わります。1歩の長さが10cm違えば、100歩で10m違うことに。また、足を動かすための筋力の差で1歩のスピード違うと、それも大きな差になってきます。
自分に適した歩くペースと他の人の歩くペースは、必ずしも同じではないのです。
自分に合ったペースってどれくらい?事前に目安をチェック
では、「自分のペース」ってどれくらいなのでしょうか?
マラソンやランニングでよく取り入れられている理論に「カルボーネン法」というものがあります。
(220ー年齢ー安静時心拍数)×75%+安静時心拍数
▼50歳・安静時心拍数60の場合
(220ー50-60)×0.75+60=142
これを使えば、越えてはいけない自分の心拍数がわかります。心拍数142以下で歩く速さが自分に適したペースということになります。
ただし、登山中に1分間図るのは大変なので、簡易的に6秒で測定する方法がおすすめ。人差指と中指で手首の動脈部分をさわり、6秒間の脈拍×10すれば今のだいたいの心拍数がわかるわけです。
(脈拍と心拍数は厳密には違いますが、登山中の現実的な測定方法として脈拍の計測を行っています。)
心拍計付きの時計もありますので、より正確に測りたい方は試してみては?
ペースだけじゃない!配分方法も重要なポイント
最適なペースで全行程を歩く必要はありません。むしろシーンに応じてペースを調整したり、歩き方を工夫することも負担を減らすポイント。
・歩きはじめ→意図的に「ゆっくり」歩く
・上り→「呼吸」と「歩幅」を意識して疲労を防止
・下り→「荷重」を意識して膝や足の痛みを防止
それぞれの場面ごとに細かく見ていきましょう。