自分のペースで歩いてる?「みんなに追い付かないと!」その頑張り過ぎに注意

2021/10/03 更新

仲間とワイワイ、グループ登山は楽しいですね。でもちょっと待って、本当に全員楽しく歩いてますか?周りのみんなに必死で追いつこうと必死で登っている人いませんか?「遅れると迷惑を掛けるから・・」「休みたいなんて悪く言えない・・・」そんな気持ちで頑張ると、シャリバテ、脱水など、結局、大きな迷惑を掛けるかもしれませんよ。そして、周りの人、気づいてあげて、「頑張りすぎている人」を。

制作者

ライター

黒田猫太郎

近所の山から遠くの山まで、春夏秋冬、毎週のように山で遊んでいたら、いつの間にか25年、山歴だけは長くなってしまいました。山遊び経験を活かした様々なウェアやギアのレビュー、身近な山や自然の魅力を発信していきます。特に「くじゅう連山」や「脊振山地」あたりに出没中。

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アイキャッチ画像出典:PIXTA(編集:YAMAHACK)

「ついていかないと!」…そのペースに無理はない?

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みんなと仲良く一緒に山登り。ソロ登山も楽しいですが、グループ登山も楽しいですよね。
でも、「遅れると悪いな」「ペースを合わせてもらうのは申し訳ない」と必死で歩いている人、意外と多いんです。足元ばかり見て、必死に歩いて汗だく…。そんなあなたに質問です。

「その登山楽しい…?」

本当に怖い、登山での頑張り過ぎ

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もちろん目標とする山に登るため、頑張る気持ちは大事。「みんなと一緒のペースで歩きたい」と思う気持ちもわかります。
しかし自分の限界以上に頑張りすぎると、シャリバテ(おなかが減って力が入らなくなる)や、脱水症になったり足に力が入らず転倒したり、最悪の場合歩けなくなってしまう可能性が。

そうなると、グループ全体の行程も狂ってしまい、下山時間が遅くなることで遭難につながってしまうことも…。
特に登山初心者の「頑張り過ぎ」は、本当に怖いんです。

なぜこんなにキツいんだろう?それは…自分に合わない無理なペース

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歩くペースは、体力や筋力はもちろん、体重、体格などで変わります。1歩の長さが10cm違えば、100歩で10m違うことに。また、足を動かすための筋力の差で1歩のスピード違うと、それも大きな差になってきます。

自分に適した歩くペースと他の人の歩くペースは、必ずしも同じではないのです。

自分に合ったペースってどれくらい?事前に目安をチェック

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では、「自分のペース」ってどれくらいなのでしょうか?
マラソンやランニングでよく取り入れられている理論に「カルボーネン法」というものがあります。
※目標心拍数を求める式には、他にも「ゼロ・トゥ・ビェトン法」や「マフェトン法」などがありますが、今のところ「カルボーネン法」が一般的です。

(220ー年齢ー安静時心拍数)×75%+安静時心拍数

▼50歳・安静時心拍数60の場合
(220ー50-60)×0.75+60=142

これを使えば、越えてはいけない自分の心拍数がわかります。心拍数142以下で歩く速さが自分に適したペースということになります。

ただし、登山中に1分間図るのは大変なので、簡易的に6秒で測定する方法がおすすめ。人差指と中指で手首の動脈部分をさわり、6秒間の脈拍×10すれば今のだいたいの心拍数がわかるわけです。
(脈拍と心拍数は厳密には違いますが、登山中の現実的な測定方法として脈拍の計測を行っています。)

心拍計付きの時計もありますので、より正確に測りたい方は試してみては?


ペースだけじゃない!配分方法も重要なポイント

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最適なペースで全行程を歩く必要はありません。むしろシーンに応じてペースを調整したり、歩き方を工夫することも負担を減らすポイント。

・歩きはじめ→意図的に「ゆっくり」歩く
・上り→「呼吸」と「歩幅」を意識して疲労を防止
・下り→「荷重」を意識して膝や足の痛みを防止

それぞれの場面ごとに細かく見ていきましょう。

歩きはじめは意図的に「ゆっくり」歩こう!


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歩きはじめの15〜20分はとにかくゆっくり歩くことを心がけます。登山開始時は、体力、気力ともに充実していますのでペースが上がりがち。そこをじっと我慢して、自分でも「遅いかな?」と思うくらいでゆっくり歩きましょう。

そして一旦小休止を挟むのがオススメ。ウェアを脱いだり、水分補給をしたり、靴紐のゆるみをチェックしたりとスタートだからこそ慎重に進みます。仲間と登っている場合は、ここまでのペースでムリがあったかどうかを他のメンバーと確認し合ってから、再出発しましょう。

上りは「呼吸」と「歩幅」を意識して疲労を防止

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上りでは、呼吸が乱れがち。「吸う」行為を意識しすぎてしまうと、かえって息が上がってしまいます。おなかがぺたんこになるまで「吐く」ことを意識すれば、自然と深呼吸に。

また緩やかな斜面は速くなったり、急斜面は遅くなったりとペースが乱れると疲労の原因に。先述した自分のペースを意識して歩きましょう。
調整は「歩幅」で行うのがコツです。緩やかな斜面では大きく、急斜面では小さくし、ペースを一定に保ちましょう。

ここを守るかどうかで、後の行程でのキツさはまったく違ったものに。その後は、1時間歩いて小休憩を繰り返しながら登るとバテることもなく長時間歩けます。

下りは「荷重」を意識して膝や足の痛みを防止

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少しずつ疲労が溜まりはじめる下りでも、「深呼吸」と「一定のペース」はしっかり意識。

加えて地面に足を置く時の「荷重」にも気を配るのがポイント。たとえば大きな段差でドン!と思い切り体重をかけてしまうこと、ありますよね。足への負担が大きくなるため、段差の時もゆっくりと静かに足を地面に置くように心がけましょう。

また急斜面の下りでは、ついつい前のめりになって爪先に荷重がかかったり、尻込みしてかかとに荷重がかかったりしがちです。これらも足の痛みやスリップの原因に。膝を深く折り曲げて重心を低くし(上半身は前傾させず垂直にキープするのがポイント)、靴底全体で地面に足を置く「フラットフッティング」を意識することで、下りの負担も軽減されますよ。

前を歩いている人にもお願い!ちょっと振り返ってみて

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「自分のペースに合わなければそう言えばいい」。でも、実際に言える人ばかりじゃありません。だからこそ、前を歩いている人は、ちょっと後ろを振り返ってみてください。一所懸命に付いてきている人はいませんか?
そんな時、みんなのちょっとした心遣いで大きく救われるものです。

気を使いすぎてしまう人ほど、伝える勇気を!

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気を使いすぎてしまう人ほど、周りの人に言えないもの。グループのペースを乱しては悪いと思い、頑張りすぎてどんどんツラくなっていってしまいます。
しっかりと自分のペースを知ったら、次は、自分のペースに合わないことを伝える勇気を!
「自分の状態」と伝えることは、みんなを救う事にもなるのです。

時には花や鳥の鑑賞会もオススメ

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時には、登山道に咲いているお花を見たり、聞こえてくる鳥の鳴き声に耳を澄ましてみたりして立ち止まりましょう。「休憩が悪いと思って言えない人」にとっては、ありがたい小休止。そんなふうにさりげなく思いやることで、お互い心も体も楽になりますよね。

自分のペースを知り、ゆっくり登山を楽しもう

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憧れの山頂に立つためには、多少の頑張りは必要です。だけど、自分のペースを崩してまで頑張ってグループについていくと、自分だけではなく他人にも迷惑を掛けるかもしれません。あくまでも自分のペースを守ること、周りの人は頑張りすぎになっていないか絶えず意識し合って行動しましょう。


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