上田さん
基本的には通常の登山道と同じ考え方で、安全を考慮した状況判断が第一です。滑落や落石の恐れもありますから、鎖への取りつきは1人ずつというのはもちろんですが、順番を待っている間も安定した場所で安全に待機する必要があります。

Cさん
今回のように、鎖上部の狭い岩場にどんどん人が溜まってしまうような状況では、どうするのが良かったのでしょうか?
上田さん
滑落などの危険度が高いのであれば、「待機場所に人が多くて危ないので、先に下りてもいいですか?」と声をかけて先に通してもらうのもひとつ。まずは状況を伝えましょう。
Cさん
なんとなくの譲り合いの雰囲気だけでは、いつまで経っても進めない…なんてこともありますもんね。
上田さん
「下ります!」「登ります!」と声を掛けることも大切です。渋滞中に限らずですが、次に誰が通過するのかを明確にした方が、スムーズですし安全ですよ。
互いに声を掛け合って、臨機応変に
鎖場の通過時は、どうしたら最も安全に通過できるのかを考えて、状況に応じて判断することが重要。鎖への取りつきは1人ずつ。登り・下りのどちらが先に行くのか、しっかり声を掛け合いましましょう!
“コミュニケーション”をとることが、楽しく安全な登山への一歩!
登山道でのすれ違いや追い抜き、鎖場の通過において共通して大切なことは、“コミュニケーションと安全性”。そして、登山者同士の『声掛け』が重要な役割を果たしていました。
山のマナーは、みなさんが安全に登山を楽しむための最低限の立ち振る舞いであり、登山者同士のコミュニケーションなくしては成り立たないものが数多くあります。
初心者も上級者も関係なく、譲り合いの心を持って山に入り、状況に応じた適切な言動を心掛けたいものですね!
登山を安全に楽しむために
長野県が策定している『登山を安全に楽しむためのガイドライン』や、山梨県が策定している『山梨県における登山を安全に楽しむための指針』にも、登山道でのすれ違いに関してを含む“登山中のマナー”についての記載があります。
登山中のマナー
➀スペースや資源(水、電気等)の限られた山ではお互いに譲り合うこと。➁登山道でのすれ違いは、双方が声を掛け合い臨機応変に行うこと。➂対向者に登山道を譲る場合は、対面して山側で待機すること。➃他のパーティに道を譲る場合は、転落する危険を避けるため山側で待機すること。➄落石を起こしたり、見つけた場合は、すぐに大きな声で「ラクッ!」等と叫び周辺登山者に周知すること。