上田さん
大事なのは、コミュニケーションをとること。これに尽きます。みなさん登山道で誰かとすれ違う時に「こんにちは」って言いますよね? 挨拶はできるのに、追い抜きの時に声を掛けられない人、意外といるんですよ。
Bさん
なんて声を掛けたらいいでしょうか?

上田さん
追い抜く際は、「こんにちは」「すみません」などいつも通りの挨拶をして存在を伝えれば大丈夫です。そしたら「先に行かせてもらってもいいですか?」と伝えればいいだけです。もちろん、安全に追い抜きができる(待機できる)場所かどうかの判断は必要です。
Bさん
道を譲る側はどうしたらいいですか?
上田さん
道を譲れる安全な場所であれば、「お先にどうぞ」。追い抜いてもらうのが難しい状況であれば、「広いところまで行ったら止まりますね。」など、何でもいいんですよ。そしたら相手も「ありがとうございます。」とか「ゆっくりで大丈夫ですよ。」ってなるでしょうし。

Bさん
声掛けがあるだけで、だいぶ印象が変わりますね。
上田さん
追い抜く側が声を掛けるべきとか、譲る側が察するべきとかではなく、双方に言えることですが、自分から声を掛けるという意識を持っていれば、不要にイライラしたり、不快な思いをすることはまずありませんよ。
Bさん
登山中ってついつい自分本位な言動になりがちなので、気をつけようと思います。
上田さん
余裕のある人が積極的に早めに声掛けするのがいいと思います。余裕のない人は、誰かが後ろを歩いていても全く気づいていないですし、すれ違うときでも下しか見ていないので、待っている人の足元が急に視界に入ってびっくりしていることがよくあります。
安全に追い越せる・待機できる場所で声掛けを
ひと声掛けて、「先に行きたい」「道を譲りたい」意志をきちんと言葉で伝えましょう!
【相談➂】渋滞の鎖場を通過するときのマナーって?

とある山で鎖場が渋滞しており、下り側で待機していたCさん。登りの人・下りの人が、なんとなく譲り合って順番に通過していたものの、次第に下降待ちの人で狭い岩場がいっぱいに。これでは登ってきた人とすれ違うのも怖いなと思いはじめます。
相談者:Cさん
鎖場では、登りと下りはどちらが優先などあるのでしょうか? 通過時のマナーを教えてください。



