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業界人 登山 山の日

業界の人ってどんな登山してるの?『山の日』だからこそプライベートを根掘り葉掘り聞いてみた

日頃YAMA HACKの記事を読まれている読者の皆さん。本日8月11日は「山の日」です!祝日法第二条で「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされている今日だからこそ、これから益々山を楽しむための、ヒントを提供できるような企画を考えました。それが先月下旬に開かれた山の仕事人たちによる特別座談会。日々の仕事で何らかの形で山に関わるゲストスピーカーたちは、普段何を楽しみに山に登っているのでしょうか?ざっくばらんな会話中に、山登りをより面白く、そして豊かにするアイデアが隠れているかもしれません。

アイキャッチ画像:いらすとや

今日は何の日?

山の日

出典:PIXTA

本日8月11日は、国民の祝日「山の日」。多くの登山者で賑わうこの日、みなさんはどんな登山を楽しんでいますか?
「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する日」とされている今日だからこそ、”山登りの楽しみ方”について考えてみましょう。

残雪期の山

撮影:YAMA HACK編集部

救助隊員や山岳カメラマンなど、山というフィールドの中で仕事をしている人たち。登山用品を販売したり、登山技術を教えたり、登山者を通じて山に関わっている人たち。普段”仕事”として山に関わっている人達がプライベートではどのように山を楽しんでいるのか、気になりませんか?

山の日という特別な日だからこそ、普段から様々な形で山に関わっている4名の方に、プライベートでの登山の楽しみ方について聞いてきました。

個性豊かな4名のゲストスピーカー

若村勝昭さん

撮影:YAMA HACK編集部
日本山岳救助機構合同会社 代表 若村勝昭さん
捜索救助のコンサルや山岳遭難・救助費用の補填、救助隊派遣の斡旋や講演会など、新しい山岳遭難対策制度「jRO(日本山岳救助機構会員制度)」を運営している。
中学生の頃、ボーイスカウトから山に接し、大学サークル、社会人山岳会に所属。一旦山から遠ざかるが復帰。東京都山岳連盟の役員後に、現在の立場で仕事として山と関わることになる。

岩田京子さん

撮影:YAMA HACK編集部
登山ガイド 岩田京子さん
日本山岳ガイド協会認定登山ガイド。アウトドアメーカーで勤務した後、登山ガイドに。主に初心者から中級者を対象に山を案内している。
海外トレッキングの添乗業務なども行いながら、2016年にチョ・オユー(8,201m)、2017年にマナスル(8,163m)、そして今年ローツェ(8,516m)・エベレスト(8,848m)に登頂。

上田優紀さん

撮影:YAMA HACK編集部
写真家 上田優紀さん
”記録”ではなく”未知の風景”を届けるため、国内外の風景を中心に撮影活動をする写真家。
1年半の世界一周旅行で写真の魅力に気付き、未知の世界に出会った時の心の揺れが、人々の心を豊かにすることを心情に、魅力的な作品を発表している。2018年にアマ・ダブラム(6,856m)登頂。2019年秋にマナスルに挑戦予定。

新井春菜さん

撮影:YAMA HACK編集部
株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン マーケティング部 新井春菜さん
コロンビアやマウンテンハードウェアなど、様々なブランドからたくさんのアウトドア商品を展開する大手アウトドアメーカー「株式会社コロンビアスポーツウェアジャパン」所属。
高校では山岳部、大学ではキャンピングツアー部でアウトドアを楽しむ。アメリカのロングトレイルの1つである”ジョン・ミューア・トレイル”の踏破経験もあり。現在はクライミングからトレランまで、幅広く山で遊んでいる。

普段の仕事では関わることの少ないこの4名。それぞれの立場から、どんな山の楽しみ方を教えてくれるのか楽しみですね。
それでは、座談会の始まりです!

1人かグループ、あなたはどっち?

座談会2

撮影:YAMA HACK編集部

上田さん
さっそくですが、みなさんは1人で登るのと、グループで登るのとでは、どっちが多いですか?

自分、友達がすっごく少なくて…。仕事以外で人と山に登ったことが無いんですよ。
「グループ登山の楽しさ」を知りたいです。


岩田さん
ん~、私はどちらの場合もあるけど、できればみんなで行きたいな、とは思ってます。

岩田京子さん

撮影:YAMA HACK編集部

岩田さん
最初は1人になりたくてソロで登っていたのですが、撮った写真を見れくれた人が反応してくれて。それから人と登るようになりましたね。
誰かと一緒に登ると、自分では気づかない発見ができたり、喜びを共有できたり。

一緒に過ごす時間が長いので、深いことまで話せるようになるもいいですね。


新井さん
私も最初は1人でした!でも、アメリカのジョン・ミューア・トレイルを1人で1ヵ月歩いた時に、孤独を感じて…。美しい景色を見た時に共有できる相手が欲しくなったんです。

今ではご飯を作ったり、山頂を目指す以外の目的ができるのが、大勢で行く楽しみだと思います。


上田さん
ちなみに、誰かと行くときは誘う側ですか?

岩田さん
私は誘うというより、まず「この日に登る!」と決めてます。
もし日程が合えば一緒に行こう、みたいな。

座談会7

撮影:YAMA HACK編集部

若村さん
昔は「山岳会に入る」っていうのがグループ作りの主流でしたね。私も社会人山岳会に入って登っていました。

そうするとね、みんな自分のことをしゃべるんですよ。家庭の問題とか、子供の話とか、いわゆる愚痴(笑)。
下山後「話を聞いてもらって良かった!」って言われたりして、それはそれで一緒に行って良かったなと思います。


上田さん
僕は自然を楽しみに行くのも好きなんですけど、それよりも先に”写真を撮りに行く”っていうことが自分の中で山に登る目的になっているんです。
それもあって、人と登りづらいんですよね…。

若村さん
上田さんの場合、山は「仕事の場」になってしまっているんだね。

座談会の様子

撮影:YAMA HACK編集部

上田さん
山は自分の中に深く入っていくのに適した環境だと思うんです。特に、追い込まれたときこそ、自分がどういう人間なのか分かりますよね。

新井さん
グループ登山ももちろん楽しいですが、自分と向き合えるのもソロ登山の醍醐味だと思います。

座談会 お酒の話

撮影:YAMA HACK編集部(お酒の話になると、自然と笑顔が溢れます。笑)
上田さん
ちなみに…下山中はみなさん何を考えていますか?

若村さん
下山した時の反省会ですよ。それ以外ない。どこの居酒屋行ってとか、もうそれしか考えてないです(笑)。

新井さん
同感です(笑)!

岩田さん
私は次どこに行こうかな〜って。なんなら、登っている時から次の山のことを考えてる場合もあります。
ビールは考えなくても必ず飲むので!下山後のビールと温泉はセットです(笑)。

「どう楽しむのか」こそが登山の醍醐味

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