《第一回記念大会》さぁ、登山マンガを熱く語って俺たちの夏山シーズンを楽しもう!

2019/08/08 更新

2019年7月。多くの登山者が梅雨によって、山頂からの展望を奪われたり、幾度にもおよぶ登山計画の変更を強いられたのではないでしょうか?YAMA HACK編集部のメンバーもそんな登山者の中のひとり。そこで編集部内で、梅雨に振り回された悶々とした気持ちを晴らすため、『岳』『山と食欲と私』などの名作登山マンガについて熱く語りあってみました。

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

連日続く雨。そして、ふくらむ悶々とした気持ち

窓際のてるてる坊主
出典:PIXTA
2019年7月、毎週末の雨で思うように登山を楽しめずモヤモヤしている編集部 大迫。「雨の登山は楽しいんやけど、毎週雨やん。」なんて、愚痴もこぼれてしまいます。

山マンガ
撮影:YAMA HACK編集部
山に行けないならこれしかない!と、編集部にある登山マンガを読んでいて、あることに気づいたんです・・・。

それは

登山マンガ
撮影:YAMA HACK編集部
『岳』『山と食欲と私』などの超メジャーなものからちょっとマニアックなものまで、少し調べるだけでも十数種類の登山や山をテーマとしたマンガを見つけることができます。そのどれもがおもしろいんです。

そこで突然ではありますが、登山マンガたちの魅力を少しでも知ってもらうため、そしてこの悶々とした気持ちを吹っ飛ばすために、編集部のマンガ好きメンバーで《独断で選んだ推しの登山マンガ》についてプレゼン大会を行いました。

参加メンバー紹介

編集部メンバー
撮影:YAMA HACK編集部

①川尻:登山やキャンプなど外遊びが好き。でも、外で飲むビールはもっと好きです!
②大迫:YAMA HACKピカイチの体力バカ!趣味はセルフ歩荷。今大会の主催者。
③生井:一番好きなのはクライミング!編集部唯一の大学山岳部出身者。
④草替:編集部随一のオタク。どうしても好きなマンガを語りたくて挙手!

※登山もちゃんとやってます。

おもしろい登山マンガが多すぎて、1つに絞るのに大苦戦するも、最終的にこの4作品が選ばれました。

 

人気の登山マンガ

撮影:YAMA HACK編集部
ザ・王道オブメジャー!
悩んだ結果、サプライズゼロの手堅いチョイス。だってガチなんだもん。
本編に入る前に、メンバーが今まで読んだことある作品の一覧がこちら。
○:読んだことがある(発売分全て)、▲:ちょっと見たことがある、☓:まったく読んだことがない
作品/名前川尻大迫生井草替
山と食欲と私
ヤマノススメ
孤高の人
有名な4作品ですが、意外と読んだことがない作品も見受けられました。

登山マンガを語らん会2019〈ルール説明〉

山マンガ
撮影:YAMA HACK編集部
《ルール》
・プレゼン時間は、15分/人
・最初に発表者からマンガの概要を説明した後、語り合う
・1番おもしろい登山マンガを決めるのではなく、良いところをプレゼンして作品の良さを再認識する

それでは、スタート!

グルメ漫画としても超一流!
だけど隠れた魅力もあなどれない『山と食欲と私』

トップバッターは、山ごはんを主なテーマとしたこの名作。

山と食欲と私
撮影:YAMA HACK編集部
主人公、日々野鮎美が食べる山ごはんがとにかく美味しそう!実際に真似したことがある人も多いのではないでしょうか?
また、山ごはんの要素だけでなく、登山や出会いを通じて成長していく鮎美の姿も見逃せないハートフルグルメ登山マンガ。

実においしそうに食べる、鮎美ちゃんの表情も見逃せない!

川尻
もちろん美味しそうに描かれている山ごはんも魅力なんですけど、それをすっごく美味しそうに食べている鮎美ちゃんの表情も最高なんですよ。

山と食欲と私
撮影:YAMA HACK編集部(おぉ~なんともおいしそうな顔)
草替
この顔めっちゃいいよね。

川尻
読んでたらお腹すきますもん(笑)。こんな美味しそうな表情できます?

山と食欲と私選手権
撮影:YAMA HACK編集部(惜しいの写真もあるけど、なんだろう・・・。これじゃない感。)
川尻
「山ごはん」という、登山の1つの楽しみ方を確立したマンガだと思います。山と食べることが好きな人は絶対に読むべし!

山ごはん以外にも学べる要素がたくさん!

山と食欲と私
撮影:YAMA HACK編集部
川尻
実は山ごはん以外にも、おもしろいポイントがあるんです。

生井
えっ!そうなんですか?

川尻
行動食の食べ方とか、パッキングの仕方とか、登山のちょっとしたノウハウも知れるんだよ。

自分でも感じたことがあるリアルな悩みが出てきて、それを鮎美ちゃんとか登場キャラクターが解決してくれるの。

大迫
読んでいるうちに、登山の基礎を学べるのはいいですよね。

川尻
あとは「メスティン」。これは欠かせない。メスティンを使ったいろんな料理が出てくるし、私は”山と食欲と私効果”でメスティンの人気がさらに出たと思ってる!

生井
あと、基本的に1話完結で長すぎないから読みやすいのもいい。山小屋で見つけた時に、気軽に手に取りやすそう。

▼真似したくなるほど美味しそうな山ごはんが登場
▼美味しそうに山ごはんを食べる鮎美ちゃんの姿は、グルメマンガとしても至高
▼登山のノウハウも学べるので、登山者としてもレベルアップできちゃう

ハマりすぎ要注意!?
『ヤマノススメ』のキャラが魅力的すぎる・・・。

2つ目はマンガだけでなく、アニメも大人気の『ヤマノススメ』。

ヤマノススメ
撮影:YAMA HACK編集部
登山初心者の女子高生が、登山をする中で人として成長していく姿を楽しめる青春ゆるふわ登山マンガ。
作者の実体験にもとずく山の描写もリアルで美しく、読んでいると山に登りたくなってしまいます。

「わかるわ~」初心者の心情の描写がイイ

ヤマノススメ
撮影:YAMA HACK編集部(気合十分の大迫選手。なんと、スライドを用意!)
大迫
登山を通して感じる”楽しい気持ち”と”つらい気持ち”、どちらもリアルに描かれてい・・・

川尻
(食い気味に)ほんとそれ!登山を始めたての頃、ヤマノススメ読んでて「すごいわかる~!」って部分がたくさんあったんですよ。

特に「置いていかれる、ついて行かなきゃ」とか「登ったら山頂まで行かないと負けだ」とか。

大迫
そうそう。だから特に初心者を山に連れて行く人に読んで欲しい。ザックって何?から始まる登山マンガもなかなかないと思うけど、でも実際そういう人って多いと思うんですよね。

キャラに感情移入すれば、もっと楽しめる!

ヤマノススメのキャラクター説明
撮影・作成:YAMA HACK編集部(まだまだ個性豊かなキャラクターが登場します。)
大迫
キャラクターが個性的なのもイイ!つい、気になるキャラに感情移入しちゃいます。

登山を通して成長していく姿を見ると、めちゃくちゃ嬉しくなる。

生井
親の気持ちみたいですね(笑)。

でも、最近の登山のカタチというか、いわゆる「未踏峰を目指す!」みたいな登山の世界感とまったく違いますよね。

大迫
そうそう。レベルに合わせて成長していくことの大切さとか、いろんな山の楽しみ方を提案してくれるのもポイント。

例えば、高尾山って登山に慣れると難しく感じないけど、初心者のあおいちゃんには結構キツイ山なんだよね。だけど、パワースポットめぐりという目的を持つことで、楽しみ方を見つけてるところとかいいな~って。

草替
へぇ~そんな要素も。

大迫
登山中のネガティブな気持ちも、それを乗り越えようとする姿も、キャラクターを通してみることで何倍も楽しめます。

いろんなキャラクターがいるので、推しのキャラを見つけるのもおすすめです。ちなみに僕は・・・

草替
いろんなタイプのイケメンが出てくる登山マンガとかあったらみたいかも(笑)

▼登山初心者が感じる気持ちの描写が秀逸
▼初心者と一緒に登山に行く人には、ぜひ読んで欲しい
▼推しのキャラクターを見つけると、そのキャラの成長が倍楽しめる

負の感情すら芸術にする、
『孤高の人』の世界感を堪能せよ!

孤高の人
撮影:YAMA HACK編集部
孤独で謎めいた主人公の森文太郎。そんな文太郎はクライミングに取り憑かれ、次々と過酷な山に足を踏み入れていきます。
登山中の極限状態や、人との関わりによって変化していく文太郎の様子を描いた至高のヒューマンドラマ。

絶妙なフィクションとノンフィクションの均衡

孤高の人
撮影:YAMA HACK編集部
生井
何を隠そう、僕が山を始めるきっかけがこの本。

川尻
なんでこんなつらそうな様子を見て、登山しようと思ったの?

生井
『山と食欲と私』と比べるとたくさん人は死ぬし、真似できる要素はほとんどないんですけど、逆にそういうところに惹かれてしまいました。「自分の知らない世界」って言う部分に。

川尻
へ~、そうなんだ。

生井
初めて作品を手にとった時は、何のマンガかよくわかってなかったんです。

でも、マンガだから許される思い切った表現とリアルな部分のバランス。つまり、フィクションとノンフィクションの混ざり具合に惹かれたんですよね。

圧倒的な画力と表現力に引き込まれる

孤高の人
撮影:YAMA HACK編集部(表紙からも伝わるその画力)
生井
このマンガの魅力は、キャラクターの苦悩や複雑な感情の描写。画力がすごいし、表現方法が本当におもしろい。

草替
私も読んだんやけど絵が綺麗。絵の圧が強くて苦手な人もいるかも知れないけど、画力の攻撃力がすごい!

生井
芸術性も評価されているので、文化庁メディア芸術祭の優秀賞を受賞しているんです。

大迫
人間の苦悩や死生感についての表現ったらない。これほんまにマンガなんかな?って疑うくらい。

生井
そんな圧倒的な表現力を持って描かれる人間の弱い部分や、追い込まれたからこそのでる心理状態。

そして、そんな苦悩を経て、人間として成長する文太郎の姿がイイんですよ。

▼極限状態の心理状態の描写が深い
▼圧倒的画力
▼目を背けたくなるような負の感情と向き合い成長する文太郎の姿がイイ

とにかく名言・名シーンが多すぎる『岳』
読んだら最後?北アルプスに行きたくなっちゃう。

最後に紹介するのは、登山マンガの金字塔『岳』。

岳
撮影:YAMA HACK編集部
北アルプスにおける、山岳救助を中心としたマンガ。山岳救助ボランティアの島崎三歩と周りの人たちの関係性や成長を描いた作品。
美しい北アルプスの景色も描かれていて、多くの登山者を魅了するマンガです。

 登山のダークな面とも向き合う。だから学びがある。

岳
撮影:YAMA HACK編集部(ついつい真剣に読み込んでしまう。)
草替
山岳救助がメインなので、普通に登ってるだけでは気づかない、救助隊のことを知れるのも魅力。

医療ドラマみたいな感じで、登山をやらない人でもおもしろく読めると思うよ。

川尻
でも、たくさん人が死ぬから最初読んでて「怖いな~」「重いな~」って感じました。

草替
確かに題材が題材なだけに、死んでしまう人や遺族の描写も多い。

大迫
でも、登山者が死ぬっていうダークな部分を描いているのに、単純に暗いだけにならないっていう部分がスゴいですよね。

草替
そう!残された人が「どうやって、その死を受け入れて生きるのか」とか、ストーリーが続く描写に希望と学びがあるんだよね。だけど、シビアなだけじゃなくてサブキャラの成長の話もね~、いちいち良いエピソードでほろりときちゃうんですよ…。

100人中100人、三歩さん好き説

岳
撮影:YAMA HACK編集部
草替
出てくるキャラクターみんな好きなんやけど、やっぱり一番は三歩さん。登山者100人いたら、100人全員が三歩さんのこと好きになりそうなキャラ。

豪快で登山者としてのレベルも高いのに、めちゃくちゃハッピーでいい人。

大迫
僕、憧れの人が三歩さんなんです。だけど、あえて1つツッコミを入れるなら「人はあんなに簡単に担げない!」ということ。三歩さんが凄すぎるので、その大変さがわかりにくい。(笑)

生井
確かに(笑)。あと、常に前向きなところがいいですよね。

草替
ちょっとネタバレになるけど、三歩さん名言言い過ぎ。

「また山においでよ」「助かった君に感動した」「山に捨てても怒られないもの知ってる?答えは、ゴミと命以外ぜーんぶ」とかいろいろあるけど、エベレストのベースキャンプでお前登頂したみたいにはしゃいでるな~と言われた時の「だってここもエベレストじゃん」みたいな言葉にはしびれたよね。

大迫
やまびこの如く響くわ~!

草替
難しい山に登頂すること以外、登山じゃないと思っている人に聞いて欲しい言葉。

純粋に山を好きで楽しんでいる様子が、笑顔から伝わるよ。

大迫
もはや、三歩さんは山!

草替
(彼は何を言っているのだろうか?)どんな人も、どんな山の登り方をする人も肯定するマンガです。

▼「遭難」という、ダークな部分と向き合うキャラクターの姿勢
▼魅力的すぎる三歩さんの人柄と多すぎる名言
▼どんな人も否定せずに受け入れる、山を愛するすべての人を肯定するマンガ

さぁ、梅雨も明けた。思いっきり夏山を楽しもう!

空
撮影:YAMA HACK編集部(2019年7月30日。すっかり青空が広がっています。)
最初はただ「山に登れないうっぷんを晴らすために語りたい」という気持ちで始まった今回の企画でしたが、熱く語っている間にモヤモヤした気持ちも晴れ、純粋に「山に登りたい」という気持ちでいっぱいに。

梅雨も明け本格的な夏山シーズンが到来。移動中の電車やバスの中、山小屋、テント泊の夜のお供などに登山マンガはいかがですか?それに山仲間と好きな登山マンガについて語り合うのも、おすすめです。
今回紹介したもの以外にもまだまだ面白い登山マンガがありますので、気になるものは全部読んで、目指せ百名登山マンガ!!!(そんなにあるのかな?)

マンガを読み終えて、山に出かける様子
撮影:YAMA HACK編集部
それでは私も失礼して、山に行ってきます。安全に気をつけて、良い山旅を。

今回紹介した登山マンガ



ITEM
孤高の人


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登山マンガ
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YAMA HACK編集部 大迫
YAMA HACK編集部 大迫

YAMA HACK運営&記事編集担当。六甲山で山歩きをはじめ、関西・中四国の山を歩き回る。 燕岳の山頂でビビるほど高所恐怖症が酷い。 高度感を感じずに、ただひたすら歩き回るのが好きです。安全に気をつけてながら山を楽しむための記事をお届けします。

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