参考にするのは登山地図やガイドブックがおすすめ!
木元ガイド
①登山地図を見て予定ルートをたどり、スタート地点から下山地点までを見渡す。
②分岐ルートをチェックして、その中からエスケープルートを選択する。
この時には併せてガイドブックや、ヤマレコなどの登山記録も見てルートを確認するといいですね。
②分岐ルートをチェックして、その中からエスケープルートを選択する。
この時には併せてガイドブックや、ヤマレコなどの登山記録も見てルートを確認するといいですね。
「登山地図を見て」とありますが、「地形図」ではダメなのでしょうか?
木元ガイド
地形図だと、登山者が歩くのには向かない私道や作業道、廃道なども「徒歩道」として記されている場合があります。なので、エスケープルートを選ぶ資料としては地形図は不適です。
山頂や峠、宿泊先の前後が選定ポイント
スタートからゴールまでの間でやみくもにエスケープルートを選ぶのではなく、選定にあたって適した地点あります。それが上記の3つ。順番に詳しく見ていきましょう。
①顕著な山頂(ピーク)の前後
木元ガイド
はっきりと目立つ山頂には複数の登山道がつけられていることが多く、エスケープルート選びに向いています。
特に身体のトラブルや悪天候の場合、体力の消耗を防ぐために山頂へ向かう手前でエスケープできると現場では楽に感じることができます。
特に身体のトラブルや悪天候の場合、体力の消耗を防ぐために山頂へ向かう手前でエスケープできると現場では楽に感じることができます。
②峠(コル、鞍部)
木元ガイド
峠にはそれを越える道が左右につけられていることが多く、エスケープルートを選びやすいポイントです。
③宿泊先(山小屋、テント場)の前後
木元ガイド
体調や天候は夜間に悪化することが比較的多いので、宿泊先からすみやかに下山できるルートを設定しておくといいです。
ルートの状況と行き先に注意しよう!

木元ガイドはエスケープルートを選ぶ時に上記の2つの注意点があると言います。選んだルートが注意点をクリアしているか、しっかりとチェックしましょう。
①ルートの状況について
木元ガイド
まずは難路でないことが望ましいです。岩場があったり、道迷いの注意マークがついているようなルートは、できれば除外しましょう。もちろん破線コースも不適。
また大雨に遭遇した場合には、沢沿いや沢を横断するルートは危険が増す場合もあるので、沢の有無もチェックします。沢が出てくるルートをエスケープルートとして設定したとしても、大雨や雷雨の場合には避けるようにしましょう。
また大雨に遭遇した場合には、沢沿いや沢を横断するルートは危険が増す場合もあるので、沢の有無もチェックします。沢が出てくるルートをエスケープルートとして設定したとしても、大雨や雷雨の場合には避けるようにしましょう。
②ルートの行き先

木元ガイド
下山したらできるだけ帰宅しやすいルートを選びたいですよね。ただし帰宅に不利であっても、すぐに人里に下りれるようなルートであれば、身体のトラブルの際には有効なのでエスケープルートとしてチェックしておくとよいでしょう。
下山時に林道を長く歩くルートも除外したくなりますが、悪天候で稜線が暴雨風のときにはエスケープルートに適している場合もあるので、状況に合わせて適宜判断しましょう。
場合によっては来た道を戻るのもアリ!
木元ガイド
行程のなかで、この地点までにアクシデントが発したら往路を引き返すことにする境目を決めておきましょう。
また分岐がほとんど存在しないコースもあるので、そういった場合にもアクシデント発生時に引き返すのがいいか、先に進んだほうがいいかの、判断が分かれるポイントになる地点を計画時に検討して、登山計画書に記載しておくといいです。
エスケープルートを設定して、登山をもっと安全に!
エスケープルートは有事の際の避難経路。事前に選んで登山計画書に記載しておくことが大切です。今回教えてもらったポイントを復習しながら、まずはエスケープルートを選定してみましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくればポイントを見つけるのもスムーズになってきます。
そして、いろいろと調べることで山のことが分かってきて、より楽しく登山ができるようになりますよ。
教えてくれた人:木元康晴さん(登山ガイド)
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