エスケープルート

登山計画書にある《エスケープルート》って何か、きちんと説明できる?

登山計画書を作成する時、必ず目にする「エスケープルート」の文字。詳しく知らないからなんとなく空欄にで提出していた、なんて人もいるのではないでしょうか?今回はそんなエスケープルートの意味や選ぶ時のポイントを登山ガイドの木元さんに教えてもらいました。ポイントを抑えてエスケープルートを選ぶことができれば、もっと安全に登山を楽しめるようになりますよ。

目次

アイキャッチ画像作成:YAMA HACK編集部

登山計画書で目にする謎。”エスケープルート”とは?

登山計画書

出典:PIXTA

登る山を決めて、行動計画を考えたら、次に作成するのが登山計画書。エクセルやワード形式、WEBで申請可能なものなど、いろいろな登山計画書のフォーマットがあります。

基本的にはどれを選んでも問題ないのですが、どのフォーマットでも目にする謎の項目が・・・。

”エスケープルート”ってなんだ?

エスケープルート

作成:吉澤英晃(長野県のHPからダウンロードできる登山計画書の一部。どのフォーマットにもエスケープルートを記載する箇所は必ず設けられている)

登山をしていなければ、まず聞かない言葉。今まで目にしていたけど、よく分からないから実は空白で提出していました、なんて人もいるのではないでしょうか?

今回は登山計画書にある謎の項目「エスケープルート」の意味や選ぶポイントを登山ガイドに教えてもらいました。

教えてくれた人:登山ガイド、木元康晴さん

木元ガイド

提供:木元康晴

日本山岳ガイド協会認定、登山ガイドステージⅢ。関東近郊の山から日本アルプスまで、全国各地の山を案内する少人数制のガイドプランに人気がある。登山ライターとしても活躍しており、『山岳遭難防止術』(山と渓谷社)など著書も多数。
木元ガイド公式HP

予定外の状況で行動をスムーズにするエスケープルート

出典:PIXTA(夏のシーズン、日本アルプスなど特に標高が高い山は午後になると天候が急変しやすい)
登山計画をたてる時は、大前提として「登山中は天候不良や体調不良などのトラブルが起こりうる」ということを頭に入れておきましょう。
登山中のトラブル
作成:YAMA HACK編集部
腹痛や捻挫などの身体的トラブル、雷などの天候トラブル、クマの出現やスズメバチの巣などの動物との遭遇、その他にも道具の故障や水分不足、登山道の崩壊などキリがないくらい様々なケースが考えられます。
木元ガイド
このような何らかの理由で予定のルートを歩くことを中断し、すみやかに下山したい状況が発生する場合があります。

そういう状況を想定して、計画の段階であらかじめ下調べを行い、予定していたルート上から分岐する下山路となり得るルートを決めておくことが大事です。そしてこの下山路となるルートがエスケープルートになります。

計画時の下調べが素早い判断につながる!

登山 現地判断

出典:PIXTA(現場ではルートの状況までは把握できない)

予期せぬ事態は、いつどこで起きるか分かりません。現場でその都度判断してはいけないのでしょうか?

木元ガイド
現場で適宜判断して予定ルートから外れて下山するということもあり得ます。ですがルートの状況を把握しづらく、道迷いなどの危険性も高まるのであまり望ましいことではありません。

計画時にエスケープルート決めておけば現場で容易に判断することができるため、計画時に設定しておくことがベストです。

遭難時の発見の可能性をグンと高める

遭難救助

出典:PIXTA(エスケープルートが登山計画書に記載されていないと、捜索範囲が広域になってしまう)
素早い判断を下すため、さらに遭難時の早期発見の可能性を高めるためにもエスケープルートは計画段階から下調べを行い、登山計画書に記載することが大切なようです。
木元ガイド
計画の段階で決めて登山計画書に記載しておけば、万が一エスケープルートを下っている際に遭難して、連絡がとれない状況に陥ったとしても、早期に発見される可能性が高まります

 

【まとめ】エスケープルートを決めることはメリットしかない!

▼ルート変更が必要な時も、安全な下山ルートを素早く選択することができる

▼行動の予測ができるので、遭難時の捜索もスムーズになる

ポイントを押さえてエスケープルートを選んでみよう!

「エスケープルート」について理解したところで、次に選び方についてポイントを紹介します! ここをしっかり押さえて、適切なエスケープルートの選び方を学びましょう。

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