オルレとはトレッキングの一種。欧米的な「登山中心のトレッキング」とも、いわゆる「街歩き」とも違う、新しいトレッキングスタイルです。
韓国から九州、そして宮城へ
オルレの発祥は、韓国の済州島。自然豊かな済州島で、海や山を五感で感じるトレッキングスタイルとして定着していきました。「通りから家に通じる狭い路地」という済州島の方言が由来となっており、普段では通らないような裏道や路地を自分のペースでゆっくり楽しめることも魅力の一つとなっています。
その後、地理的に近い九州に上陸し、日本の歴史や文化とも融合しながら、今では宮城県にも広まっています。
”五感で感じるトレッキング”、その魅力とは?
「海や山を五感で感じるトレッキングスタイル」というオルレ。その魅力とはいったいどんなところにあるのでしょうか?
実際に筆者が歩いた感想も交えて、その魅力を紹介します。
魅力①:ディープな裏道にドキドキ
オルレのコースは、車道をなるべく通らないように、歩道をうまくつなぎ合わせて進んでいきます。地元の人たちしか知らないようなディープな裏道を通ったり、普段では歩かないようなコースを通る場所も。登山とはまた違った景色にちょっとドキドキしますが、それもオルレでしか出会えない景色の一つです。
魅力②:地元の方も知らないような素敵な風景が
歩いている途中に出会った地元の人に話しかけてみると、「ここにそんないい場所があったのか!」と驚かれることがあります。地元の人でも知らないような、ちょっとマニアックな場所から見る景色はツウ好みですね。
魅力③:名所がとってもおもしろい!
オルレのコースでは、いわゆる”観光地”と呼ばれるような、歴史を感じる場所も通ります。しかし、ここがオルレの面白いところ。
観光ガイドブックに載っているような、有名な名所・旧跡はほとんどありません。
例えば、写真の場所は「太閤水」という旧跡。1587年頃、豊臣秀吉が実際に水を汲んで飲んだ場所だそうです。
普段なら気にも留めないようなマニアックな名所旧跡を巡るのも、オルレの魅力です。
思わず、「へ~~~…」と、うなるような場所もありますよ!
オルレを歩く前に、注意しておきたい4つのこと
①レベルを選んでコース選び
オルレの公式サイトでは、各コースの、距離、所要時間、難易度、高低差がわかるようになっています。自分のレベルに合わせて選びましょう。
九州旅ネット宮城オルレ公式サイト
②オルレの標識を知ろう
冒頭でも紹介したオルレの標識。普段あまり見かけない標識だからこそ、事前に勉強しておきましょう。
これは「カンセ」。馬の頭の方向が歩く方法です。
この標識も方向を示す標識。青は正方向、赤は逆方向を示しています。赤の通り戻ればもとに戻れるわけです。よく考えられていますね。
要所にはオルレコースを示すリボンもあります。そのほか、岩や道路にペインティングされた矢印などもたくさんあるため、初心者でも安心して楽しむ事が出来るでしょう。
③足元はしっかり準備しましょう
舗装されていない砂利道や草地など、意外と足元が不安定なオルレ。場所によっては街歩き用のスニーカーではちょっと厳しいかもしれません。しっかりとしたミッドカットの靴がおすすめです。
④マナーを守って楽しく歩こう
オルレは生活道路を歩くこともあります。素敵な出会いもありますが、場合によっては迷惑になることも。マナー守って楽しく歩きましょう。
【オルレのマナー】
1.民家の庭にみだりに入らない。
2.人や個人のものを撮影するときは同意をもらう。
3.ゴミは必ず持ち帰る。
4.道沿いの農作物を勝手に採らない。
5.道端に咲いている花や木の枝を採らない。
6.民家付近等で大声で叫んだり、騒いだりしない。
7.次に訪れる人のために、リボンを持ち帰らない。
8.道案内の看板にはさわらない。
9.未舗装の道は、決まった経路を通る。
10.風景を楽しみながらゆっくりと歩く。
11.車道を歩くときは、車に気をつけて歩く。
12.コースから外れた急傾斜地等での危険な行動は控える。
13.途中出会う旅行者や地元住民の方々と笑顔 で挨拶を交わす。
《九州オルレ》厳選3コース
九州オルレコースは、2012年からはじまり、2020年6月現在全20コース。どれも魅力があるコースですが、特色のあるコースを3つ選びました。