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《あの噴火から5年》とうとう規制解除される”御嶽山”山頂への道(2ページ目)

必ず最新情報の収集をしよう

御嶽山の様子

撮影:YAMA HACK編集部

事前に新しい情報を確認してください。山小屋のウェブサイトを見ていただいたり、小屋に直接電話してくださったりしても構いません。御岳ロープウェイとも情報は共有していますから、チケット売り場の周りにある掲示物でも現在の状況が確認できますよ。

それに、実際に山を歩き始めてからも山小屋の前を通るときに声をかけてください。その日の最新の状況をお伝えできます。

ヘルメットは必ず持参

御嶽山の様子

撮影:高橋庄太郎(黒沢口七合目、「行者山荘」でもヘルメットを用意。数に限りがあるので必ず持参しよう。)

小屋には緊急時用のヘルメットや放送設備があります。ただ小屋にあるヘルメットは基本的に借りるものではなく、緊急時に困っている方がいれば貸すという認識でいてください。

ただ大切なのは、一人ひとりに防災意識を持ってもらうことだと思っています。登山者には火山に登っているということを意識していただき、できる限り自分用のヘルメットを持ってきていただきたいですね。

僕が昨年、御嶽山に登ったときに気付いたのは、以前に比べてヘルメットの着用率が大幅にアップしていたことでした。2014年の噴火時は頭部に怪我を負った方もおり、安全を考えればヘルメットは着用したほうがよいでしょう。

北アルプスの穂高連峰や剱岳のような難所が多い山域では、いまやヘルメットの着用率は8~9割にもなります。活動が活発な火山でも、これからはヘルメット着用が当たり前になっていくのかもしれません。

休憩は山頂でなく、小屋でゆっくりと

御嶽山の様子

撮影:高橋庄太郎(山頂直下に新設された頑丈なシェルター。本来の目的を考え、シェルター内での長時間の休憩などは控えたい)

もうひとつお願いしたいのは、山頂にあまり長く滞在するのは控えていただきたいということ。噴火以前よりも登山者がいられる場所が狭いため、混雑が予想されます。休憩する場合は、小屋などに移動してから安全に休んでください。

悪天候時は登頂以外を楽しもう

御嶽山の様子

撮影:YAMA HACK編集部

御嶽山は3,000m級の山なので、天気も変わりやすいんです。天候が悪いときは、山頂を諦めることも考えてください。御嶽山の良さは、頂上に登ることだけではありません。

規制されている登山道はまだまだありますが、安全な場所を歩き、周囲を眺めるのも楽しいですよ。我々は、そういう御嶽山の楽しさも伝えていきたいと思っています。

少しずつ以前の姿を取り戻してきた御嶽山

御嶽山の様子

撮影:YAMA HACK編集部

噴火から5年経ち、登山道の周辺にはうれしい変化が目立ち始めたそうです。

噴火のあと、どこかに消えていたライチョウが帰ってきました。昨年くらいから、八合目あたりでの目撃情報が増えています。それに高山植物の緑も復活しつつあり、少しずつですが以前の山を取り戻しているのではないかと思います。御嶽山に登って、そんな様子もぜひ見てみてください。

ここ数年、登りたくても登れなかった御嶽山。満を持して、今年は多くの登山者が山頂を目指すでしょう。そのとき、起さんたち関係者の安全登山への気持ちを忘れないようにしたいものです。

登山前には最新の情報確認を忘れずに

木曽御嶽山安全対策情報

取材協力

女人堂
御嶽山火山マイスターネットワーク

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