鎖でぷら〜んはNG!鎖やロープは補助的に使うべし
岩場・鎖場で鎖やロープが設置されている場合、がっちり掴んで腕の力で登っている登山者を見かけることがあります。しかし、これはバランスが悪く非常に危険。鎖やロープはあくまでも補助的なものとして捉えましょう。
山田ガイド
腕の力で登るのではなく、足の力で上下に移動するイメージで登りましょう。もちろんバランスを崩した際や、取っ掛かりとして鎖やロープも活用します。
岩にベッタリはNG!上半身は岩から離した姿勢がGOOD
胸を張るようにして、重力に対して垂直に立つことがポイントとなります。 べったりと岩に張り付くと、上半身に力が入ってしまい、バランスが崩れてしまいます。また、足元も見えなくなり、より不安定でぎこちない動きになるためやめましょう。
山田ガイド
上半身が岩から離れていて無駄な力が入っておらず、膝にゆったりと伸縮性のある姿勢が理想です!
足が横位置はNG!足のスタンスは縦が鉄則
岩場・鎖場において、足場は滑落防止のためにも非常に重要。安定した足元にするためのスタンスは、岩に対して垂直に足を置くことです。岩に対して、足を横向きに置いてしまうと靴のグリップが減り、バランスが崩れやすくなり危険です。
山田ガイド
登山靴のグリップ力をしっかり使うためには、岩に対して垂直に足を置きましょう。また、靴を乗せにくい狭い足場では、足を逆八の字に開いて親指の内側で立つと安定しバランスが取りやすくなりますよ。
気になるのは技術面だけじゃない!岩場・鎖場Q&A
登山技術以外にも、岩場・鎖場では気になることがありますね。山田ガイドに質問してみましょう。
高所恐怖症です。精神的な部分での鎖場・岩場通過のコツを教えてください!
山田ガイド
険しい場所が続く箇所で「怖い」と感じることは、正常な反応です。その「怖い」と感じる状況でも、登山の基本動作で活動できるようになることが大切。鎖や岩に対する正しい動きを理解することで、自分の行動に自信を持つことができ、精神的にもゆとりができます。そのために、スポーツクライミングに取り組むのも、岩に対する体の動かし方を知ることに繋がるのでお勧めです。また、例えば三点支持の手順を一度唱えるなど、自分なりのおまじないを作って、気持ちをリラックスさせるのも一つの手ではないでしょうか。
岩場・鎖場でスキル以外に注意すべきことってありますか?
山田ガイド
まずは安全確認を。そして、一箇所の鎖にすでに手を掛けている人がいる場合は、前の人が通行し終わるのを待ちます。必ず、鎖はひとりずつ、重複して鎖を掴まないように進みましょう。
山田ガイドおすすめの鎖場初心者に適した岩場・鎖場のある山(ルート)はどこですか?
山田ガイド
富士山塊の毛無山〜十二ヶ岳の縦走がおすすめです。どの鎖場も基本に忠実に登れば初心者でも楽しめます。岩場・鎖場だけでなく、山頂からは素晴らしい富士山などの絶景や、毛無山から十二ヶ岳へ向かう途中には吊り橋などもあり、ルート全体を通して楽しい登山ができますよ!
普段ソロで登山をしていますが、鎖場・岩場のある山にもひとりで行ってもいいですか?
山田ガイド
きちんと準備をし登山計画書を提出して行けば、初心者向けの山は問題ないでしょう。ただし、初心者がいきなりアルプスなどへ行くことは非常に危険です。必ず経験者に同行してもらいましょう。また、登山講習会などに参加してみるのもおすすめです。
正しい技術があれば、岩場・鎖場はもっと面白くなる!
鎖場での緊張感と、そこを経て絶景を眺めたときの感動や達成感は登山の魅力のひとつ。いつかは日本のマッターホルン・槍ヶ岳へ!などの目標がある人も多いでしょう。アルプスなどの岩稜帯を歩く前に、まずは身近なところで正しい技術を身につけて、より登山を楽しみましょう。また、行き先によってはヘルメットを着用し、安全に山を楽しんでください。
山田ガイド
安全性をぐっと高めるには、岩場での経験を徐々に積み、正しい判断力を実際に身に付けていくことが大切ですよ!