〈低山でも雨の前後は要注意!〉重さ1トンのブロックが動く鉄砲水がヤバイ!

2021/07/27 更新

もうすぐ夏山シーズンが始まりますが、ここ数年、急な激しい雷雨が多いですよね。雨の中の登山は何かと危険が増えますが、雨が止んだら大丈夫だと思っていませんか?でもちょっと待ってください!今日歩く道はどんなところでしょうか?沢の近くを歩いたり、沢筋を辿ることはないでしょうか?今回は、そんなときに注意しなければならない鉄砲水の怖さについてご紹介します。登山中に被害に遭わないためにも詳しく知っておきましょう。

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雨が止んだらラッキー!って登り始めてない?

鉄砲水 登山
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登山の日は晴れていてほしいもの。出発する直前まで雨が降っていても、登る時に止んでくれたらラッキー!って思っちゃいますよね。

でも、ちょっと待ってください。今日の登山はどんなところを歩きますか?もしかしたら、知らないうちに『鉄砲水』の危険に晒されることになるかもしれません。

恐ろしすぎる鉄砲水とは?

鉄砲水
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鉄砲水とは、集中豪雨などの際に急激に川や沢の水量が増す現象です。
沢の一部に、岩や土砂、流木などがたまり、それが水をせき止めることで天然のダムができます。その天然ダムがたまった水の圧力に耐えきれずに決壊し、せき止めていた土砂や流木などと水が一気に流れ出すことで発生します。

雨がやんでもまだ天然ダムが決壊せずに残っていることがありますので、雨が降っている時はもちろんですが、雨が止んだからといっても安心はできません。特に長雨や大雨の後では用心するのが賢明です。

1トンのブロックが動く!?鉄砲水の威力

鉄砲水 登山
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水の力は想像以上で、その威力は水深1mほどで重さ1トンのブロックが動くこともあるほどです。
また、水深15cm~20cm程度の浅いところでも、速い流れに漫然と足を踏み入れれば、払い腰の要領で簡単に足をすくわれてしまいます。転んだら頭部打撲のリスクはもちろん、運が悪ければそのまま流されて行ってしまいます。

低山でも要注意!鉄砲水が起こりやすい条件とは?

鉄砲水
撮影:nao
鉄砲水の発生はなかなか予測しにくいですが、発生しやすい条件はあります。山の標高に関係なく、その条件に当てはまれば確率が高まりますので、注意しましょう。

では、発生する条件はどんなものなのでしょうか?

①山崩れが多い山

鉄砲水 登山
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鉄砲水は土砂や流木などでせき止められた水が一気に流れ落ちるもの。山崩れが多いと崩れた土砂や流木が溜まって天然のダムができやすいので、鉄砲水が起こる可能性も高まります。

②累積雨量が多い(長雨や大雨)

鉄砲水 登山
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前日までに長雨や大雨でたくさん雨が降った場合、沢の水量も増えている上に、地盤も緩んで土砂崩れのリスクも増しています。さらに雨が降ることで鉄砲水が起こるかもしれません。天気は当日だけでなく、数日前までさかのぼってチェックしましょう。

③上流で雨

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今いる場所で降っていなくても上流では激しく雨が降っている場合もあります。今いる場所の流れだけを見ていると増水のリスクに気づけません。上流の雲の動きなど天候変化にも留意しましょう。

④沢筋や枯れ沢

【沢筋】
登山 鉄砲水
撮影:nao
普段から水が流れている沢(谷)は、鉄砲水が起こる可能性がある場所。前日に雨が降っていた場合、沢を横切る登山道や沢沿いの登山道は要注意です。木や草が生えていないところは出水の際に流れが来る可能性のあるところです。
水が濁っている場合は、いつ増水するかわかりませんので、速やかに流れを離れましょう。

【涸れた沢や登山道】
鉄砲水
撮影:林真史
平坦な登山道だと思っていたら、そこは水が枯れた川の底だったということもあります。このような場所は、大雨になると鉄砲水が起きる可能性もあります。
「この岩はどこからどんなときにどんな風に来たのか?」「なぜここは木がないのか?」など、普段から景色をよく観察し、リスクを読み取ることが大切です。

異変は早めにキャッチ。知っておこう!鉄砲水のサイン

鉄砲水 登山
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鉄砲水に巻きこまれた時だけに限らず、帰り道に増水した川がある場合も同様に、流されずに耐えられるという考えは捨てましょう。濁流は清流に比べて耐えにくいため、膝上まで水がきてしまったら、完全に危ない状態です。とにかく水に巻かれる前に脱出することです。
山では『雨が降ったら沢、川から離れる』です。できるだけ早く異変に気づけるように、鉄砲水のサインを知っておきましょう。

もし川が増水してきたのを確認したら、高いところへ一目散へ逃げましょう!雨の前後に沢沿いを歩くときは、大きな岩やより高い斜面などを確認しながら登ってください。
水没しそうな場所に取り残されないような行動をすることがそもそも大事ではありますが、万が一、川の中に取り残されてしまったときは…状況によっては渡渉することも。渡渉の方法については、メンバーの力量によって方法が変わってくるため、事前に勉強しておきましょう。

しかし、一番大切なのは「鉄砲水に遭わないように避けること」。鉄砲水のリスクを考慮し、事前に計画を立てましょう。

雨雲の確認

登山 鉄砲水
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山は天気が変わりやすいもの。今いる場所はもちろんのこと、上流の天気には敏感になりましょう。
晴れ予報だったのに、雨に降られることもよくあります。今いる場所に雨が降っていなくても、笠雲(山頂に雲がかかっているような状態)が出ていたり、うろこ雲が空を覆っていたり、太陽に雲がかかっていたり、積乱雲が発達している時は要注意。雨が近い兆候です。
黒い雲が出てきたら、いつ降り出しても不思議ではありません。短時間も川は増水して危険な状態になることがあります。

川の濁りや落ち葉

鉄砲水 登山
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川の水が濁ってきたり、ゴミや落ち葉がたくさん流れてくる時は上流の水量が上昇していると考えてよいでしょう。ただちに流れから離れましょう。

雨の前後は、いつもよりも雲や地形に注意しよう!

登山 鉄砲水
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山には様々なリスクがありますが、その一つとして鉄砲水のことを理解していただけましたでしょうか。リスクを低くするには、天気や地形や植生など、自然をより注意深く観察しながら登ることが大事です。そうすることで自然の面白さも倍増することでしょう。
最後になりますが、事前の下調べと備えも大事にしてくださいね。

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nao

両親の影響で子供の頃から山に登り、大きなザックを背負う人を見て自分には無理だなあと思っていたらいつの間にかそうなっていました。歩き続ける縦走が好き。下山後の温泉とビールも大好きです。どうぞよろしくお願いします。

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