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遭難捜索を支える男が語る。ーー「行方不明者が家族に与える負担」とは?(3ページ目)

家族や近い知り合いに「どこの山に行くか」を伝える

メールで家族に連絡を取っている人

出典:PIXTA

若村さん
登山計画を出すことはもちろんですが、チラシの裏でもLINEやメールでもいいので、あなたがいなくなってことに気づいてくれる人に「どこの山に登るのか?」だけは絶対に伝えてください。

編集部 大迫
「どこの山に登ったか」がわからないと捜索範囲の決めようもないので、口頭だけでなく情報として残る手段がいいですね。

若村さん
その他、登山中も自分の軌跡を残しておくことが大切です。写真を家族や友人に送ったり、SNSに載せる。ジオグラフィカという登山用GPSアプリであれば、自分の位置情報を簡単に送ることもできます。

編集部 大迫
アナログな方法でいうと、登山者や山小屋の人への挨拶も自分を記憶に残してもらうために有効ですね。

やはり「ココヘリ」は有効!

ココヘリ

撮影:YAMA HACK編集部

編集部 大迫
最近だとココヘリやドローンなど、捜索の世界にも新しいテクノロジーが入ってきていますが、効果は感じますか?

若村さん
ドローンを使った捜索はこれからですが、ココヘリは素晴らしいですね。このゴールデンウィークにも、遭難者の捜索に役立っていましたよ。

編集部 大迫
ココヘリは発見実績も増えてきていますし、登山者は持っていたいアイテムですね。

若村さん
たとえどんな状況であっても、遭難者の位置がわかればそれは行方不明ではありません。日本の警察や捜索団体の力は極めて優れているので、位置さえわかればヘリや地上部隊の救助が期待できます。

危険があることをしっかりと認識しておく

霧登山者1

撮影:YAMA HACK編集部

編集部 大迫
行方不明の原因って、単独行の道迷いが多いと聞いたことがあるのですが?

若村さん
そうですね。団体ではなく、個人で登山に行く人が増えたように感じます。

男性は50代~60代くらい、女性は30代くらいの単独の登山者をよく見かけます。単独の場合、何かあっても気づかれにくいので特に注意が必要ですね。


編集部 大迫
コースを失うと、焦りと自信喪失により頭が真っ白な状態になってしまうそうですね。

若村さん
行くところまで行くと「地図が間違っている」「この道を下ればいつかは、下山できる」などと、自分に都合が良い思い込みをしてしまうようです。

編集部 大迫
そして、気力体力を失い動けなくなってしまうわけですね。


若村さん
登山は誰でも簡単に始めれます。しかし、そのフィールドは素晴らしい一面もありますが、過酷で厳しい自然の中。そんな中に入っていくのですから、自分で自分を救うための知識や技術を普段から学んだりすることが大切だと思います。

編集部 大迫
技術や知識を身につけることも大事ですが、「リスク」があることを知って登るのと登らないのとでは、かなり違いますからね。

遭難者をゼロにすることは難しいが、行方不明をゼロにはできる!

jRO自救力アップ講習会

遭難といっても、道迷い、転倒、滑落、病気、天候など、さまざまな原因があります。自然の中に入り楽しむ登山において、自分ではどうしようもないことがあるのも事実。ですが、道迷いによる行方不明は登山者のミスによるものが圧倒的。自分の登る山を家族に伝えておくなど、ほんのちょっとしたことから対策を始めましょう。

過剰に怯える必要はありませんが、登山に潜むリスクを意識して登山をすることも、山を楽しむために大切なことではないでしょうか?

jROが気になる方は

jRO若村さん取材

撮影:YAMA HACK編集部(jROのマスコットの中ジロー(左)とコジロー(右)。インスタなどで、活動の報告を行っている。)
jRO日本山岳救助機構合同会社コジローくんのinstagramアカウント

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