20周年目のR1シリーズが、かなりいいんです!
パタゴニアが誇る定番ミッドイレイヤーに『R1』というシリーズがあります。独自に開発した片面起毛フリース素材『ポーラテック・パワー・グリッド』を使っており、起毛面は四角い凸凹状になっていて、適度な保温力がありながらヒートアップした際にはムレないように上手く通気して熱を逃がしてくれるんです。
表面はジャージ素材なので上にアウターを着用しても滑りがよく、着心地も◎。
そんなミッドイレイヤーの基本を抑えている『R1』。今シーズンからは汎用性が高く街着としても着られる『R1フルジップ・フーディ』(写真左)、薄手の素材を組み合わせたハイブリッド構造で、よりアクティブなシーンに対応する『R1プルオーバー・フーディ』(右上)、アンダーウエアとしても着られ、レイヤリングも可能、しかも軽量コンパクトに収納できる『R1プルオーバー』の3種類がラインナップ。いずれもR1史上最高の出来だと評判です!
そもそもミッドレイヤーってなに?
ところで、冒頭にサラッと書いた「ミッドレイヤー」。日本語だと中間着ですが、どんなウエアがご存じでしょうか? アウトドアや登山では、レイヤリングという重ね着をすることで、暑さ寒さを快適に乗り越える方法があります。
これらが主に求められる機能です。
ミッドイレイヤーは、寒いなと感じた時に羽織るフリースに代表される保温着。しかしその保温性が高すぎると、山を登っている最中に暑くなり汗を多くかいてしまいます。濡れたウエアを着続けた後にやってくるのは「冷え」です。そのため行動時に暑くなく、寒くなく、汗を多くかかない位のちょうどよい温かさを提供してくれるミッドレイヤー選びが重要になってきます。
この『ちょうどよい温かさのミッドレイヤー』を着るだけで、快適さは確実にアップし、安全な登山へと導いてくれるのです。
フリースの生みの親が
その機能を見直して生まれた『R1』
ミッドレイヤーを代表するのがフリースと前述しましたが、そのフリースを現ポーラテック社とともに1981年に生み出したのがパタゴニアです。しかし1998年の冬、パタゴニアはフリースの収納時のかさばり、アンダーレイヤーに適さない分厚さ、両面起毛によるレイヤリング時の着心地の悪さを改良することを決断します。当時のフリースは、ソフトな着心地と保温性を上げる毛足の長さが災いして、シリアスなクライミングシーンでは、「最適」といえるものとはいえなかったのです。
そこでパタゴニアの開発チームは、登場以来フリースに追加された機能を削ぎ落とし、よりシンプルなものへと進化させました。1999年秋に誕生したのが、ニット構造にヒントを得た『R1』。表面はジャージ素材で滑りがよく、裏面は凹凸のついたグリッド構造の片面起毛フリース素材というものでした。その素材を使用したウエアのひとつが、上の写真の『R1フラッシュプルオーバー』です。
機能だけでなく環境への配慮も
ウエア選びの大切な基準
『R1』発売から20年。その過程で、伸縮素材の採用、より体にラインに沿ったパターン、フードの装備、ポケットの配置場所等、運動性とフィールドでの使い勝手をアップさせる改良が施されてきました。しかしその基本構造に変わりはないといいます。それは、最初の『R1』の完成度の高さの証明でもあります。
また、環境保護やフェアトレードに長く取り組んできているパタゴニアは、この『R1』においてもリサイクル・ポリエステルへの移行、フェアトレード・サーティファイドの縫製などを採用しています。地球というフィールドで遊ぶ私たちが知るべきこと、行動すべきことを、一歩先に踏み出して提案してくれているのです。
機能性だけでなく、どうやって作られたものなのかは、21世紀を生きる私たちのウエア選びの大切な指針です。『R1』を選ぶ時、使う時、私たちは地球環境という視点を持つことが出来るのです。