始まりは”エンブレム”。ここから壮大な物語は始まる
ライター吉澤(以下、吉澤):今日はよろしくお願いします!
長澤さん:お願いします。
吉澤:さっそくなんですが、ラグビーW杯2019を盛り上げる方法は山登り以外にもあると思います。どうして“登山”を選んだのですか?
長澤さん:山頂に日の丸が輝く富士山が描かれているラグビーW杯2019のエンブレムを見た時、山の頂上にラグビーボールでトライを決めるイメージが浮かんできたんです。それが、このプロジェクトを始めるきっかけになりました。
吉澤:・・・それだけですか?
長澤さん:いつか社会に爪痕を残してやりたいと思っていたんです。そんな時、ラグビーW杯2019のエンブレムに出会いました。自分な好きなラグビーと、前々から興味があった山を掛け合わせて何か企画できないか?そう考え出して頭に浮かんだのが今回のプロジェクトなんです。
吉澤:(ただ爪痕を残したいって、やっぱりやばい人かも・・・)
そもそも登山経験はあったのですか?
長澤さん:興味はもっていました。セブンサミットにも憧れていましたね。でも、正直言うと国内で登ったことがある山は、富士山くらいしかないんです・・・。
吉澤:え!?それだけの経験でこのプロジェクトを始めたのですか?不安はありませんでしたか?
長澤さん:不安だらけでしたよ(笑)。でも、生きているうちに使命感に燃える瞬間って一度や二度しかないと思うんですよね。ワールドW杯2019を盛り上げるのは、自分の使命だと思っています。走りだせば何とかなるかなと(笑)。
過酷なプロジェクトを支える“計画力”と“実行力”
長澤奏喜さんが目指す25ヶ国は全てラグビーW杯出場経験国。それらの最高峰には車で山頂まで行けるという冗談みたいな山もありますが、北米大陸の最高峰でもあるアメリカの「デナリ(6,194m)」や、南米大陸の最高峰であるアルゼンチンの「アコンカグア(6,962m)」も含まれています。長澤さんは初心者ながら、ガチで登山をしているのです。
吉澤:山の初心者という事ですが、目標としている25座には十分な登山経験が必要な山もあります。足りない経験については、どうしようと考えたのですか?
長澤さん:今はインターネットが発達しているので、まずは山の登り方や難易度などを細かく調べました。そして、簡単な山からスタートして、プロジェクトを進めながら登山経験を積めるように登る順番を決めたんです。
吉澤:身の丈に合ったレベルの山から登り始めたのですね。基本、単独ですか?
長澤さん:単独で登る事もありますが、レベルが高い山では当然ガイドを雇うこともあります。もちろんベースキャンプでは必ず天気予報を確認するなど、充分な下調べも怠りません。
吉澤:ガイドなどの助けも借りながら安全にプロジェクトを進めているのですね。それにしても、思い描いたことを実現させる”計画力”と”実行力”がかなりスゴイように思えるのですが…。もともと得意だったのですか?
長澤さん:学生時代に中国や東南アジアなどをバックパッカーしたんです。その道中では観光地化されていない場所を訪れていました。何があるか分からないドキドキ感が好きだったんですね。情報が無い状態からスタートして、下調べをして計画を立てる行為は、こういう経験から身に付いたと思います。
吉澤:海外旅行ではないですが、社会人になってからは青年海外協力隊に参加していますね。
長澤さん:世界を旅していた時に発展途上国を訪れることがあったんです。その時から何かしらの形で社会に貢献したいな思っていました。それから青年海外協力隊の方と話す機会があり、これは望みを実現するチャンスだと思いましたね。
結果、赴任先のジンバブエでは2年間過ごしました。こういう経験も自分の実行力の基礎になっているかもしれません。
情報のない山に登る為に…首相の孫を探しだしたトンガのカオ島
吉澤:目標とする25座中、もうすでに20座までトライされているそうですが、特に思い出深い山を教えて下さい。