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”カチカチカチ…”音に注意!スズメバチの生態・対策・予防策・対処法(3ページ目)

スズメバチに刺された手

提供:富山のクワ貧(写真はアシナガバチに刺された様子。スズメバチに刺された場合はさらに腫れることも。)

アナフィラキシーショックの可能性はないか

ハチに刺されると、体質によっては「全身性のアレルギー症状」が出る場合があります。
誰もが必ず発症するものではありませんが、こうした全身性の症状として「刺されたところ以外」に腫れや蕁麻疹などの各種症状が現れ、時に呼吸が困難になったり、意識が薄くなったりする重篤な症状を引き起こす場合があります。
これがアナフィラキシーショックです。
傾向として刺されてから1時間以内に発症するケースが多いため、その間は「一人にならない」「一人にさせない」。様子をみて、心配な場合は救急車を呼ぶ必要があります。

二回目が危ないのは本当か?

よくハチ刺され2回目が危ないといいますが、これは半分正解、半分不正解です。

アナフィラキシーショックはアレルギー症状なので、体質によって出る出ないはまちまちです。人によっては1回目で出るケースもあれば、何度も刺されるうちに少しずつダメになるケースもあります。一度に刺された数によって注入された毒量も変わるため、一般的には1か所刺されるだけよりも、複数ヶ所刺される方が危険性も高まります。

そのため、「2回目」というキーワードだけで安易に安心したり怖がったりするのではなく、まずは落ち着いて状況に合わせた処置をとることが大切です。

アナフィラキシーショック対策

アナフィラキシーショックが発症した場合に対応する薬として、「エピペン」などの事故注射薬があります。
これは自ら太ももの外側に注射するもので、医師の処方によって得られる薬です。ハチ毒に対してアレルギーや、職業など、一人一人の状況に応じて総合的に判断されて処方されるため、欲しいからといって必ず手に入るものではありませんが、過去に刺されたことがあり、心配な方は医師に相談してみてください。

応急処置

1.流水で傷口を絞り洗い
2.抗ヒスタミン軟膏の塗布
3.様子見、冷却

スズメバチの毒は水溶性タンパク質のため、流水での絞り洗いを行うことで、希釈や冷却による症状の緩和を期待することができるとされています。
俗に言われる「アンモニアが効く」というのは迷信なので、尿などをかけても意味がありません。

安全にアウトドアを楽しもう!

出典:PIXTA

アウトドアをする上で、スズメバチとの遭遇を0にすることはできません。しかし、しっかり準備しておくことで、遭遇のリスクを避けたり、刺される事故を減らしたりすることはできます。
山にスズメバチはいるものです。これからのアウトドアシーズンをより安全に楽しくするためにも、スズメバチの生態や習性を知って、安全な登山ライフを過ごしましょう。

監修/セルズ環境教育デザイン研究所 西海太介氏

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