体は全然大丈夫で「俺は行ける!絶対登れる!」と、思ってましたよ。でも、自分の心臓のことを一番知っている大城先生や豪太が泣きながら説得してくれるから、これ以上行ったらダメだと。
副隊長としての判断

大城先生からの相談を受け、雄一郎さんの説得をした豪太さん。チャレンジをしたい父の気持ちも知りながら、どのように判断をしたのでしょう。
例えば、僕とお父さんだけの二人のプライベートなら、相談の上で(先へ進むことを)考えたかもしれない。この判断を僕ができないから、隊を結成したんです。
ルートや気象状況を兼ねての判断は倉岡さん、健康チェックは大城先生。僕は美味しい食事を食べるための食料計画くらい。(笑)そして、もう一つは緊急ボタン的な役割。これが、三浦隊としてのリスクマネジメント。
息子が父親のことを判断するのではなく、客観性を持って判断を下すしかなかった。
説得している時の気持ちって?
涙ながらに雄一郎さんを説得した豪太さん。その時の気持ちはどんなものだったのでしょうか?
計ってないけど、時間にして20~30分、体感だと半日くらいテントにいた気持ちになって・・・。もう体当たりで行くしかない!という気持ちになりました。
父親の「行きたい」という気持ちは、痛いほどわかって。これが三浦雄一郎の真骨頂だと思いました。冒険心や挑戦心以前に、何かに対して挑むというコアがすごい強い!だから、ああいうカタチでしか説得できなかったんです。
副隊長の判断として、本当に正しかったかな?というのはずっとありますよ。でも、ここで降りるのが一番安全という判断しました。
大城ドクターとの関係性
それと同時に、中高年登山者への一つの指針や警鐘という意味で、無理しないで帰ってきてよかったと思いました。
自分は大丈夫と思っていても、客観的に見たら判断つきにくいことが、山岳の突然死につながると言われています。
少なくとも自分の健康は念頭に入れながら、山に登りましょう。
登頂に成功、そして次の挑戦とは・・・。

登山隊として、信頼関係や絆を強く感じる三浦隊。その後、豪太さんは雄一郎さんのサングラスなどを身に着け、倉岡さん、平出さん、中島さん達と共に山頂を目指しました。