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アコンカグアトークショー

【アコンカグア登山報告会レポート】三浦雄一郎さん・豪太さんが語るドクターストップの裏側

2019年1月に、南米大陸最高峰のアコンカグア登山とスキー滑降に挑戦した三浦雄一郎さん。残念ながらその挑戦は中止となりましたが、息子である豪太さんがアコンカグア登頂に成功。今回、2月19日に行われた『MIURA ACONCAGUA 2019トークショー』に参加し、”遠征の様子”や”登頂を断念した時の想い”などについて聞くことができたので、その様子を紹介します。

目次

アイキャッチ画像撮影:YAMA HACK編集部

『MIURA ACONCAGUA 2019トークショー』開催!

アコンカグアトークショー
撮影:YAMA HACK編集部(左:三浦雄一郎氏、右:三浦豪太氏)

2019年1月、南米大陸最高峰のアコンカグア登山とスキー滑降に挑戦した三浦雄一郎さんと息子の豪太さん。残念ながら今回はドクターストップにより、雄一郎さんの挑戦は中止になりました。しかし、そのバトンを託された豪太さんが、アコンカグアに登頂成功。親子で挑戦する姿に、心打たれた人も多いのではないでしょうか?

そんな勇姿がまだ記憶に新しい2月19日。ノースフェイス主催で『MIURA ACONCAGUA 2019トークショー』が開催。
三浦さん親子の「遠征の様子」や「登頂を断念した時の想い」などが語られました。

アコンカグア遠征の映像で開幕

アコンカグアトークショー

最初に今回の遠征の映像が上映。登山や食事風景など、遠征全体の様子がわかる内容でした。

特に印象的だったのは、豪太さんとチームドクターの大城さんが、雄一郎さんにドクターストップを伝え説得するシーン。トークショーの中でも、当時の想いが語られました。

映像が終わると雄一郎さんと豪太さんが登場し、トークショーがスタート。

雄一郎さんを登頂させるための作戦!

ルート図
出典:ミウラ・ドルフィンズ(1月15日時点での計画)
もともとはヒマラヤ山脈にあるチョ・オユー(世界で6番目に高い山)で、エベレストを見ながらのスキー滑降を考えていた三浦さん。しかし、登山許可が降りず断念。
そこで、アジア大陸以外の最高峰である”アコンカグア(6,960.8m)”でのスキー滑降に、挑戦を変更しました。

ヘリや酸素を積極的に活用した理由とは?

アコンカグアトークショー

撮影:YAMA HACK編集部
現地での気象の状況を見ながらルート変更を行うなど、一筋縄ではいかない模様。今回は『頂上』を優先し、一般登山(ノーマル)ルートでの登山を行いました。
豪太さん
86歳という年齢で登山をする時に、一番考えるべきは「体力の温存」。体力がある登山家であれば、体力を残したまま高度順化が可能です。

ただ、高度順化は体力との兼ね合い。父が6,900mに行く体力を残しておくため、ヘリと酸素を使用する選択をしました。

このような選択は高所登山では特別なことではなく、一般化しつつあります。

※高度順化:酸素が薄い環境に体が慣れること。高所登山では、それを促すために高いところに上がり、少ない酸素の環境に体をさらし、下に降りることを行う。

高所登山の新しい選択肢

アコンカグアトークショー
撮影:YAMA HACK編集部
伝統的な考えを持つ人の中には、下から無酸素で登山という考えの人もいると言います。しかし、高所でのダメージは恐ろしいようです。

豪太さん
アコンカグアに20回以上登っている倉岡さんがいうには、初期の間に無酸素で登った人の多くが、その後1~3ヶ月くらいの間、高所の影響で仕事に戻れないそうです。

そういったことも踏まえて、ヘリと酸素を使用して5,580mの地点のキャンプコレラに行くことを選択。

こういった登山が、今後登りたい人に新たな選択肢を与えるんじゃないかとも思いましたね。


雄一郎さん
毎分2Lの酸素を吸いながら登るのは気分的にも楽でしたね。6,000mまで上がった時も、こんなに体力を残して登れたんだと思いました。

”ドクターストップ”の裏にあった想い

アコンカグアトークショー
撮影:YAMA HACK編集部

ヘリで5,580mまで行き、登山隊のメンバーと合流。そして、1月18日にプラサ・コレラ(6,000m)地点まで登山をした雄一郎さん。そこでは手巻き寿司を楽しむなど、大盛りあがりの様子。

しかし高所にて強風が予想されたため、登山プランを変更。2日間プラサ・コレラでの滞在を行い、21日に登攀再開するようにしました。

そして20日、大城先生による判断で、ドクターストップとなったのです。

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