別府市を一望!気軽に行ける鶴見岳の魅力
標高 | 所在地 | 最高気温(8月) | 最低気温(8月) |
---|---|---|---|
1,375m | 大分県別府市 | 22.5℃ | 14.1℃ |
鶴見岳は大分県別府市にある活火山。南北約5kmにわたって連なる溶岩ドーム群の最南端に位置し、阿蘇くじゅう国立公園の一部になっています。
四季を通して美しい景色を楽しめ、東に広がる別府温泉の守り神として信仰されている人気の日本三百名山です。
ロープウェイで絶景を気軽に楽しめる
山頂へはロープウェイで上がることができるため、誰でも気軽に訪れることができるのが魅力の一つ。東に別府市街と別府湾、西には由布岳が見え、遠方にはくじゅう連山を楽しめる大パノラマが広がります。
ミヤマキリシマに霧氷。四季折々に見せる表情
鶴見岳は九州地方の高山でしか見ることのできないツツジ「ミヤマキリシマ」の咲く山としても知られ、初夏には咲き誇る約5,000本の花は圧巻です。
九州では珍しい、冬には「霧氷」を見ることができる山としても知られています。初夏の花模様とはうって変る銀世界もまた絶景。訪れる際は十分な防寒対策をお忘れなく。
鶴見岳の登山適期は?
いちばん人気のシーズンは、桜とミヤマキリシマが咲き誇る春。夏の新緑や秋の紅葉もおすすめです。冬シーズンは積雪があり、2月までは軽アイゼンなどの装備が必要になるので注意してください。
てんきとくらす|鶴見岳
※登山指数を参考に、天気予報や天気概況などの情報も検討したうえで登山計画を立てましょう
【初級者向け】鶴見岳往復コース
最高点の標高: 1354 m
最低点の標高: 757 m
累積標高(上り): 1260 m
累積標高(下り): -1260 m
- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:2時間30分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
鶴見岳では毎春、SPAビーチから鶴見岳山頂までの距離約12kmを歩く「べっぷ鶴見岳一気登山大会」というイベントが開催されています。
今回ご紹介するのは、この一気登山道の最後の部分を往復する登山コース。樹林帯を通る、しっかりと整備された歩きやすい道です。
スタートは鶴見岳の中腹に位置する、火男火賣神社の中宮(御嶽権現社)の駐車場から。大木に挟まれた参道を御嶽権現社まで進むと左手に登山口があります。
序盤は照葉樹の樹林帯を歩き。傾斜の緩やかなコースには、50ⅿ毎に看板が設置されており、海抜や山頂までの距離を確認しながら進みましょう。
南平台分岐を鶴見岳方面へ直進。ここからは傾斜がきつくなっていきます。
1000m地点を過ぎた辺りから一気に展望が開け、由布岳や九重の山々が見えてきます。山頂まであとちょっとです!
山頂にはベンチもあって休憩にも最適。山頂は「札所めぐり」や「七福神めぐり」もでき、約40分で一周できます。
西には由布岳や九重連山、東には別府市内と別府湾を見渡す大パノラマが楽しめます!天気が良い日には、中国地方や四国の山々が見えることも。
来た道を引き返して下山ですが、疲れている場合にはロープウェイを利用することもできますよ。
【中級者向け】由布岳縦走コース
最高点の標高: 1529 m
最低点の標高: 779 m
累積標高(上り): 2275 m
累積標高(下り): -1723 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:6時間25分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
先ほどのコースでは物足りないと方には、由布岳からの縦走がおすすめ。ただし、こちらのコースは距離も長く、岩場の急登や鎖場も出てくるので登山経験がある中級者以上が対象です。
由布岳正面登山口よりスタート。この登山口は、バス停と駐車場が隣接しており、トイレもあるのでとっても便利。しばらくは緩やかな草原を進みます。
正面に見える由布岳は、東峰・西峰の2つのピークを持つ双耳峰。きれいな円錐形をしていることから「豊後富士」とも呼ばれ、「新日本百名山」「日本二百名山」「大分百山」に選定されています。
案内板のある分岐から西峰方面へ。ここからヒノキの樹林帯を抜けると、徐々に道が険しくなってきます。
西峰と東峰の分岐地点、マタエに到着。ここから先は急な岩場や、直登の鎖場が出て来ます。ここで一息ついて、落ち着いて先へ進みましょう。
西峰への道は険しい岩場です。「障子戸」と呼ばれる岸壁など、険しい鎖場が連続するので慎重に進みましょう。
西峰山頂からは、湯布院の町や鶴見岳も良く見える大パノラマが広がります!
一旦マタエまで下りて、東峰へ上り返し。東峰へはガレ場が続きますが、西峰のような岩場や鎖場と言った難所はありません。
東峰からは日向岳分岐を経由して、東登山口へ下ります。分岐までは再び鎖やロープを設置してある難所の連続ですので慎重に足を進めましょう。
分岐から東登山口までは、林の中の緩やかな斜面。踏みあとがハッキリしない広い道もあるため、テープを目印に進みましょう。東登山口に到着したら、次は鶴見岳へ向かいます。
緩やかな林道をしばらく進み、砂防ダムの脇から登山道へ。ここからは沢沿いを歩き、高度を上げていきます。
つづら折りの道を進み「馬の背」へ。ここからは稜線歩き、山頂はもうすぐです。
鶴見岳山頂からはこの日歩いて来た由布岳方面も良く見渡せます。山頂広場にはベンチもあるので、ゆっくり眺めを楽しんでください。
一気登山道を御岳権現社へ下山することもできますが、ロープウェイを利用すると楽に下りられますよ。時間と体力と相談して決めましょう!
別府といったらやっぱり温泉!
大分県には全国的にも知られる温泉が多くあり、源泉数、湧出量はともに日本一。今回はその中でも、登山口に近い堀田温泉をご紹介します。
歴史ある人気の市営温泉|堀田温泉
古くから交通の要衝として栄える堀田温泉。平成15年4月に市営温泉としてオープンした現在の場所も、別府の西の玄関口となっています。内湯の他、季節感のある露天風呂も楽しめて、源泉かけ流し。休憩室からは別府湾を眺めることができますよ。
自然に囲まれた癒しの空間|夢幻の里 春夏秋冬
山あいの温泉宿のような雰囲気が人気の立ち寄り温泉。春はサクラ、夏はホタル、秋は紅葉と四季を通して楽しめます。男女別の大浴場の他、貸切風呂も。源泉かけ流しですが、目の前を豪快に滝が流れる「滝の湯」のみ造成泉。湯の色は乳白色ですが、日によってキレイな青色に変化することも。
貸切家族風呂が20室|桜湯
御影石をくり抜いたものや、樽や、ヒノキ、趣の違う貸切家族風呂が20室もある桜湯。全室コインタイマーを用いたお湯の入れ替え方式になっていて、いつでも一番風呂が楽しめます。もちろん、大浴場や露天風呂も男女別に完備。桜の古木が並ぶ庭園も素敵ですよ。
「別府ロープウェイ」で山頂まで約10分!
往復の登山でもコースタイムと難易度は初級者向けですが、時間を短縮したいならば、便利なロープウェイも利用できます。
山腹にある別府高原駅から鶴見山上駅まで、高低差約800m、線路長1,816mを約10分で運行しています。ゴンドラは101人乗りと西日本最大級!桜や紅葉を鑑賞しながらの空中散歩が楽しめます。
登山口へのアクセス情報
ここでは鶴見岳の登山口となる「火男火売神社中宮(御嶽権現社)」と、「由布岳登山口」について紹介します。
火男火売神社中宮
登山口近くの火男火売神社駐車場以外に、別府ロープウェイの駐車場も利用できます。下山時にロープウェイを使う場合はそちらに駐車しておくのも便利です。
【クルマの場合】
大分自動車道「別府」IC→県道11号→火男火売神社駐車場(約12分、6.4km)
【公共交通の場合】
JR日豊本線「別府」駅西口より亀の井バス由布院線乗車→「旗の台」「鳥居」バス停下車
由布岳登山口駐車場
公共交通の場合、JR由布院駅もしくは別府駅からバスとなります。別府駅のほうがバスの乗車時間はかかりますが、特急や快速が停車するため遠方からのアクセスの場合は便利です。
【クルマの場合】
大分自動車道「由布岳スマート」IC→県道11号(約10分、7.5km)
【公共交通の場合】
・JR久大本線「由布院」駅→駅前バスセンターより亀の井バス由布院線乗車→「由布登山口」バス停下車
・JR日豊本線「別府」駅西口より亀の井バス由布院線乗車→「由布登山口」バス停下車
季節の魅力とアクセスのしやすさが抜群の山
登山の楽しさは、歩くだけではありません。道中の木々や花々、山頂からの絶景、おりてからの温泉や名物料理など楽しみ方は人それぞれ。見たい花や景色に合わせて行く時期やルートを決め、欲張りな山行を計画してみてはいかがでしょうか?
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。