和賀岳|一面黄色に染まるお花畑は圧巻!岩手・秋田が誇る隠れた名峰

2019/01/22 更新

秋田県と岩手県の境目、奥深くに聳える秘境・和賀岳。二百名山にも名を連ねる隠れた名峰です。公共交通機関で行くことが難しく、登山口に行くまでが大変ですが、花の百名山にも名を連ねるほど高山植物の宝庫。特にニッコウキスゲの群生は人気が高く、稜線から山頂にかけて一面に広がるお花畑は圧巻です!今回はそんな和賀岳の魅力やコース詳細、さらにアクセス情報まで全て紹介します。


アイキャッチ画像提供:休日の山歩き

秘境ともいわれる和賀岳(わがだけ)とは?

標高山頂所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1,440m岩手県和賀郡西和賀町19.3℃6℃
参考:ヤマレコ
東北地方を南北に走る奥羽山脈内の、秋田と岩手の県境中央付近には、県境にまたがって真昼山地があります。その真昼山地の真昼岳を中心としたエリアを除いた山塊を和賀山塊といい、主峰は標高1,439m、日本二百名山の和賀岳。かつては「阿弥陀岳」とも称され、山岳信仰の山でもありました。
ニッコウキスゲの大群落や数々の高山植物のお花畑が目にできることで有名で、長い登りを経た先に絶景が待っていることから、まさに秘境の山として注目を集めています。

「雲上のお花畑」花の百名山の稜線散歩

数々の高山植物が咲き誇る和賀岳は、花の百名山にも名を連ねています。代表的なものは、鮮やかな黄色の花が美しいニッコウキスゲで、7月中旬が見頃。特に薬師平や和賀岳直下、和賀岳北斜面で大群落を形成しており、長いアプローチを経て辿り着いた先で目にする満開のお花畑は、まさに「雲上のお花畑」と称されるのも頷けるほど圧巻です!

薬師平のお花畑 秋田県側から登るときは薬師岳のピークを踏みますが、この薬師岳周辺にもお花畑があり、さらに登山道の両脇でも数々の花を目にすることができます。連なる美しい稜線や麓の平野といった背景とともに眺めると、雲上のお花畑に足を踏み入れていることを実感できるでしょう。

【秋田県側から】薬師岳~小杉山~和賀岳を巡るメインルート

和賀岳を登るメインルートで、最も人気の高いルートを紹介します。往復約15kmとロングコースで体力を必要とし、急登あり、藪漕ぎあり、と中々にハード。しかし、それを乗り越えた先には圧巻の景色が待っています。

提供:YAMAP
距離コースタイム日程難易度
約15.28km6時間40分日帰り★★★☆☆
登山口(10分)→甘露水口(40分)→滝倉(60分)→薬師岳(65分)→小鷲倉(40分)→和賀岳(185分)→登山口

 甘露水登山口にある避難小屋 6kmほど未舗装の林道を進んだ先に登山口があります。登山口周辺には駐車場や2階建てで簡易水洗トイレもある避難小屋が。この登山口から登山開始です!
まずは砂利道を10分程進み、湧水のある甘露水口へ。

甘露水 甘露水口から本格的な登山道となります。登り口の右手に甘露水という湧水があり、飲むこともできますよ!水分補給をしたら出発。なお、甘露水口付近にも小さな駐車スペースがあり、車で入ってくることもできます。

スタートしてからいきなりの急登が待ち構えていますが、ブナ台辺りから倉方まで美しいブナの原生林の中を登ります。途中、滝倉では数歩程度の渡渉あり。滝倉を過ぎてしばらくすると登りも段々急になり、九十九折の道を登り詰め高度を上げていきます。

稜線 倉方を過ぎるとほどなくして視界が一気に開け、痩せ尾根を歩くことになります。右側が切れ落ちたトラバース道もあり、油断は大敵。草が生い茂っているので足元にも注意です。背中に仙北平野を一望できるパノラマを抱えつつ、前方に見える薬師岳を目指します。

イブキトラノオ
提供:ヤマレコ/tatatana (イブキトラノオ)
やがて薬師岳と甲山とに分岐した稜線上へと出ますが、この近辺ではニッコウキスゲをはじめイブキトラノオやヤマブキショウマ、アキノキリンソウなど、実の多くの高山植物を目にする事ができます。麓まで見える高度感ある景色と足元の美しい花々とのコラボは格別!

稜線上は緩やかで眺めも良く、遠くに目指す和賀岳や和賀岳に連なる稜線の姿も!最初のピーク薬師岳山頂からも、その美しい連なりが見て取れます。また、近くには薬師如来を祀る祠もあります。

小杉山、小鷲倉を経由して和賀岳へ。小杉山手前の薬師平にはニッコウキスゲの群落が広がり、満開となる7月中旬が見物。終始眺めの良い稜線歩きで展望を堪能できます。小杉山手前から小杉山までは藪漕ぎするほど下草が生い茂っている場合もあるため、注意が必要です。

麓に広がる原生林や平野部が見下ろせ、周囲には薬師岳から和賀岳へと連なる美しい稜線の絶景が。登りは緩やかで、360度眺めの良い雲上のお散歩が引き続き楽しめますよ。また、和賀岳山頂直下にはニッコウキスゲの群落が広がっています。

山頂は広く、360度の眺望が広がっています。小さな祠が鎮座しており、この山が古くは山岳信仰の山であったことが窺えます。山頂にもニッコウキスゲが咲き誇っており、北側斜面には群落が広がっています。

北側に目を向ければ、遠方に秋田駒ケ岳や岩手山が望め、ニッコウキスゲや様々な高山植物の花とともに、まさに雲上のお花畑にいるかのような絶景が味わえますよ。東には百名山・早池峰山の姿も。風衝草原の稜線や麓の大仙の田園風景、田沢湖なども見渡すことができます。

【岩手県側から】渡渉に急登!静かな山行が楽しめる

岩手県側から登るルートは、人が少なく静かな山行を楽しむことができます。このルートも秋田県側ルートに負けず劣らずロングコースで、急登や水量の多い沢の渡渉もあって健脚者向けです。

提供:YAMAP
距離コースタイム日程難易度
12km6時間40分日帰り★★★☆☆
参考:YAMAP
登山口(25分)→赤沢分岐(30分)→高下分岐(30分)→和賀川渡渉点(100分)→こけ平(35分)→和賀岳(180分)→登山口

林道終点に10台ほど停められる駐車場があり、その数十m手前に登山口があります。登山開始から早速の急登。尾根に出る標高約740mの赤沢分岐点までは息の切れそうな登りが続きます。

赤沢分岐から和賀岳の特徴の一つでもある美しいブナの原生林が広がり、急登も終わって標高900m付近の高下分岐まで緩めの登りを一歩一歩詰めていきます。ブナの木々に囲まれ、少し広いスペースとなった高下分岐は休憩にもってこいのポイント。また、少し先の道から逸れた所に水場もあります。

高下分岐からややトラバース気味の道を進み、しばらくすると和賀川を渡る渡渉ポイントに向けて急坂を下ります。川は水量が多く、飛び石伝いの渡渉は難しい場合も。靴を脱いで川底に足を着けて渡るか、渓流専用の靴に履き替えましょう。

渡渉を終えたら、高度を600mほどを一気に登る急登です。道の両脇には笹薮が生い茂り、所々道が崩れたような足場の悪いところも。こけ平の手前で展望が広がり、目指す和賀岳や和賀岳へと連なる美しい稜線などが目に飛び込んできます。

標高1,337mの位置にあるこけ平は開けたザレ場で、360度の大パノラマが広がります。ここからも和賀岳の姿がくっきり!南西に目を向ければ大鷲倉沢の谷や薬師岳、さらに真昼岳へ続いていく美しい稜線が見て取れ、晴れていれば遠くには鳥海山や早池峰山の姿も望めます。

こけ平まで来ればあともうひと踏ん張り。山頂まであと30分程、なだらかで歩きやすく、眺めの良い稜線歩きとなります。道の周囲には様々な種類のお花畑も広がっています。

鮮やかな黄のトウゲブキをはじめ、ピンクの花弁が可憐なハクサンフウロやトモエシオガマ、ランタンのような形のハクサンシャジン、白いミネウスユキソウなど、数多くの種類の花々が至る所で咲いおり、まるで雲上の楽園のよう。

山頂からは360度の展望が楽しめ、和賀岳に連なる美しい稜線や和賀川源流の谷間、遠くには名立たる百名山も望めます。北斜面にはニッコウキスゲの群落があり、満開の時期は雲の上の楽園と称されるのも納得の美しさ!

渡渉に藪漕ぎ…知っておきたい注意点。

和賀岳は登山道の難易度自体が高いわけではありませんが、渡渉に藪漕ぎと気をつけるべきポイントがいくつかあります。ここでは、登山前に知っておきたい注意点を解説します。

渡渉あり!専用の靴を準備しよう

渡渉 和賀岳には渡渉ポイントがあります。特に岩手県側からのルートにある沢は水量が多く、増水時は無理に渡らず引き返すことも考慮してください。沢靴を用意するのがおすすめです!あわせて必ず天気もチェックしましょう。

てんきとくらす(和賀岳の週間天気)

深い藪漕ぎも。準備をしっかりと!

藪漕ぎ 秋田県側からのルートの小杉山手前から小杉山を経て小鷲倉にかけては藪漕ぎするほど草が生い茂っています。特に小杉山手前から小杉山にかけては腰丈ほどの深さ。定期的に刈られているようですが、基本的に藪漕ぎするものと考えて準備をしっかりとしておきましょう。


和賀岳・登山口へのアクセス情報

ここでは和賀岳へのアクセス方法を紹介します。公共交通機関でのアクセスはかなり厳しく、和賀岳登山口の近くへバス等は運行していません。そのため、マイカーでのアクセスがおすすめですが、公共交通機関を使う場合は最寄り駅からタクシーで1時間近くかけて向かうことになります。

薬師岳登山口

【車の場合】
秋田自動車道 大曲IC→真木渓谷林道→薬師岳登山口

【電車の場合】
JR秋田新幹線大曲駅→タクシー(約50分)→薬師岳登山口

【駐車場情報】
住所:秋田県大仙市太田町太田(39.538185, 140.713912)
(※秋田自動車道大曲ICから約35km、真木林道を6kmほど進んだ先)
駐車台数:10台前後
料金:無料

※甘露水口の傍にも駐車スペースはありますが、非常に狭いため駐車できないことも多々あり。

高下登山口

【車の場合】
秋田自動車道 湯田IC→高下登山口

【電車の場合】
JR北上線ほっとゆだ駅→高下登山口

【駐車場情報】
住所:岩手県和賀郡西和賀町(39.540704, 140.785005)
(※秋田自動車道湯田ICから約32km、登山口のある地点よりも数十mほどさらに林道を進んだところ)
駐車台数:10台程度
料金:無料

天空のお花畑「和賀岳」へ!

ニッコウキスゲ コースが長く、急登箇所も多いことで健脚者向けの和賀岳ですが、ハードな山行の先に待つお花畑や開けた稜線上から見渡す景色は圧巻の一言。ニッコウキスゲが見頃を迎える7月半ばは狙い時です!登山口やコース半ばに避難小屋やテントサイトもあるため、のんびり満喫したい人は宿泊込みで計画を立てても良いですね。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。


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milkywaygalaxy
milkywaygalaxy

バックパックを背負って向かった旅先で経験した、登山やツーリング、ダイビングなどのアウトドアに魅せられ早数年。次はどこで何をしようか、考えるだけでわくわくしてきます!そんなアウトドアの魅力を言葉で伝えたいと思います。

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