和名倉山|奥秩父の山奥へ分け入る、富士山も望める登山コース【上級】

2018/12/14 更新

和名倉山(白石山)は奥秩父にある二百名山。雲取山や甲武信ヶ岳の人気に隠れ、あまり認知度の高い山ではありません。奥秩父の山奥へと分け入るロングコースは上級者向け。その分、山頂までの稜線歩きは圧巻。どこまでも続く山々の稜線と、遠くに富士山まで望める展望の良さは和名倉山ならではの光景でしょう。2つの登山コースとアクセス情報をまとめました。


アイキャッチ画像提供:ヤマレコ/seikimi86(和名倉山から望む富士山)

和名倉山(わなくらやま)ってどんな山?

和名倉山の山容
出典:PIXTA
標高山頂所在地山系最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
2036m埼玉県秩父市奥秩父山塊18.2℃9.6℃
参考:ヤマレコ
和名倉山は奥秩父に座する山。日本二百名山にも選定されており、「白石山」との呼び名もあります。以前はコメツガ・シラビソなどの原生林が美しい年代もありましたが、1950年から戦後復興の資材獲得による皆伐で、大半の原生林は崩壊。現在は植林されたカラマツと笹原が生い茂り、花期によりシャクナゲが咲き誇ります。

奥秩父にひっそりと佇む秘峰

コース中から望む奥秩父の山々
提供:ヤマレコ/seikimi86(和名倉山登山コースからの眺め)
和名倉山は、奥秩父の秘峰と呼ばれるほど山深い場所に位置する山。コース中から望むどこまでも続く山並みは、和名倉山だからこそ見られる景色でしょう。天気が良ければ富士山までくっきりと望むことができます。

※遭難多発!上級者向けのコース

ガスっている和名倉山
提供:ヤマレコ/kubo_daita(天候の悪いときはさらに迷いやすくなる)
和名倉山山頂への主な登山コースは2つ。山梨県からアクセルするルートと秩父湖からアクセスするルートで、どちらも往復約10時間を要するロングルート。さらに道迷いしやすい箇所もあり、特に天候の悪いときに道をロストしてしまう人も多いとのこと。2018年にも遭難が発生しています。体力のほか、地図読みや藪こぎのスキルも必要な上級者向けの山です。

和名倉山の天気

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将監峠からの1泊2日登山コース

1泊2日で和名倉山へ向かうコースをご紹介。小屋泊でゆっくり充電して、秘峰和名倉山に臨みましょう。

将監峠~和名倉山登山コース

将監峠から和名倉山登山コース
出典:ヤマプラ(画像クリックで拡大)
距離コースタイム標高差日程難易度
約23.0㎞約11時間00分約760m1泊2日★★★★☆
参考:ヤマプラ
【1日目】約2時間00分/4.6km
民宿みはらし(40分)→牛王院下分岐(78分)→将監小屋

登山口
提供:ヤマレコ/Shanks(登山口)
登山口の民宿みはらしから将監峠までは、車も通れるゆるやかな林道です。

林道 民宿みはらしから40分で牛王院下分岐。左側は七ツ石尾根方面へ向かう道。林道の続く右側が将監小屋方面です。

牛王院下分岐の様子
提供:ヤマレコ/matatavi(牛王院下分岐)
歩き始めて約2時間で、1日目の宿泊地の将監小屋に到着。

将監小屋の外観

【2日目】約9時間00分/18.3km
将監小屋(12分)→将監峠(25分)→山ノ神土(90分)→東仙波・奥仙波(80分)→川又分岐(15分)→二瀬分岐(20分)→和名倉山・白石山
※下りは来た道を戻ります。

将監峠から25分で山ノ神土の分岐。「東仙波・白石山方面」に進みます。

山ノ神土の分岐
提供:ヤマレコ/Sunsan2015(山ノ神土の分岐)
山ノ神土分岐から笹が多く、藪こぎしなければならないことも。木の幹にある目印の赤テープを見逃さないように注意しましょう。笹の道が終わると眺望が良くなります。

笹に覆われた道 美しい山々の稜線や富士山が見えるスポットも。

コース中からの富士山
提供:ヤマレコ/drunk(大菩薩嶺と富士山)
好展望が続いたあとにリンノ峰のピークが見えてきます。途中にある崩落個所に注意しながら、ピークの左側を巻いて進みましょう。

リンノ峰のピーク
提供:ヤマレコ/Shanks(眼前のリンノ峰)
尾根道を通ると西仙波に到着。この周辺はシャクナゲの群生地で、皆伐から免れた場所でもあります。

西仙波周辺に咲くシャクナゲ
提供:ヤマレコ/seikimi86(西仙波のシャクナゲ)
西仙波を過ぎると、少し岩場がある稜線歩き。開放的な登山道からは、富士山や北・南アルプス、そして和名倉山へ続く稜線を望むことができます。

コース中に望む稜線 稜線を進むと東仙波に到着です。こちらも見晴らしの良いポイント。

東仙波の様子 東仙波山頂からおよそ60分で、なだらかな斜面の樹林帯に入ります。木の幹にある目印のテープやリボンを辿りながら進むと「川又分岐」。

川又分岐の標識 さらに15分先にも「二ノ瀬分岐」の標識も。2つの標識を見逃さないようにしましょう。

二瀬分岐の標識 二瀬分岐から20分ほどで和名倉山の山頂に到着。山頂は木に覆われて眺望はありませんが、倒木や伐採された切株には苔が生い茂り、しっとりとした空間が広がります。

和名倉山の山頂 山頂でひと休みした後は下山です。来た道を戻り、民宿みはらしに戻ります。

コース中の宿泊施設

深い山には、深い温かさを感じる小屋と民宿。将監峠からのコースで利用できる宿泊施設を紹介します。

将監小屋
将監小屋のテント幕営地 将監小屋の横には豊富な水場とテント場。テント場でゆっくりくつろぐのもおすすめです。

収容人数:70人(テント50張設営の場合)
素泊まり:4,500円
1泊2食付き:7,000円
テント:1,000円/人

将監小屋について調べる(甲州市観光協会HP)

民宿みはらし
民宿みはらしの外観 田舎に帰省したような懐かしい雰囲気の民宿。お母さんの手作り料理と薪で焚くお風呂で、心身ともに温まります。

所在地:山梨県甲州市塩山一之瀬高橋526
電話番号:0553-34-2109

秩父湖からの日帰りコース

林業が盛んだった頃の面影が残るコース。山と高原地図では破線ルートとなっていますので、こちらも上級者向けです。

秩父湖~和名倉山登山コース(二瀬尾根)

秩父湖~和名倉山
出典:ヤマプラ(画像クリックで拡大)
距離コースタイム標高差日程難易度
約15.5㎞約9時間55分約1466m日帰り★★★★☆
参考:ヤマプラ
埼玉大山寮(140分)→反射板跡地(50分)→造林小屋跡(120分)→北ノタル(15分)→二瀬分岐(20分)→和名倉山・白石山
※下りは来た道を戻ります。

埼玉大山寮のつり橋入口
提供:ヤマレコ/Bem13(埼玉大山寮のつり橋入口)
駐車場から二ノ瀬ダムを通過し約1kmで、赤い三角屋根の埼玉大山寮に到着です。左側の脇道からつり橋を渡り、標識にある「和名倉山二 瀬尾根登山道」の方へ。樹林帯の中を目印のピンクテープを辿りながら進みます。

つり橋 急登の尾根を2時間ほど登ると反射板跡というポイントに到着。

提供: ヤマレコ/Bem13(反射板跡地)
反射板跡からは平坦な道を進み、崩落地を横切ります。

崩落したゆるい斜面
レールや滑車など林業の面影が散見するようになると、造林小屋跡に到着です。かつては使われていた滑車に苔がむす様子は、時間の流れを感じさせる風景。

提供:ヤマレコ/Bem13(造林小屋跡)
造林小屋からの登り始めは踏み跡が薄く道迷いしやすい箇所です。赤テープを見つけながら進みましょう。

造林小屋からの沢の取り付き
提供:ヤマレコ/Hassie2999(造林小屋付近の水場の取り付き)
苔むした石が転がる急斜面の沢を登り詰めると二瀬尾根に出ます。尾根道をさらに歩き続けると急に視界が開ける草地に。北ノタルに到着です。

登山道の様子
提供:ヤマレコ/tera555(二瀬尾根)
北ノタルから、将監峠コースと合流する二瀬分岐までは15分ほど。和名倉山山頂までもう一息です。下山は来た道を戻り、埼玉大山寮に戻りましょう。

山と高原地図 雲取山・両神山

ITEM
山と高原地図 雲取山・両神山
【発行元】昭文社


登山口へのアクセス・駐車場情報

ロングルートの和名倉山は、登山疲れのほかに登山前の移動疲れも考慮したいところ。日帰りの方も小屋泊の方も、予備日を設けて行動することをおすすめします。

民宿みはらしへのアクセス

【車の場合】
中央道 勝沼IC-民宿みはらし(約1時間)

<駐車場>
駐車可能台数:約5台
料金:500円/日
トイレ:あり


【電車・バスの場合】
公共交通機関ではアクセスできません

二瀬ダム駐車場へのアクセス

【車の場合】
関越自動車道 花園IC-二瀬ダム駐車場(約1時間10分)

<駐車場>
駐車可能台数:約40台
料金:無料
トイレ:あり


【電車・バスの場合】
秩父鉄道 三峰口駅-西武バス三峰口線「秩父湖行き」乗車-秩父湖バス停で下車-徒歩で登山口へ

西武バスの時刻表を調べる

時間が刻まれた自然には苔むした景色

和名倉山のコース中の展望
出典:PIXTA
耳を傾けると山の息吹きが聞こえてきそうな、清閑な和名倉山。人気も少ない山ですが、山と対話しながら和名倉山の自然に包まれて歩くのも、登山の良さの1つです。ぜひ一度、和名倉山の奥深さと温かさに触れてみてくださいね。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。

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ane46

肩の怪我をリハビリしながらレベルアップを目指すイレブンクライマー。時々山女子になります。

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