ペテガリ岳|”遥かなる山”への挑戦!片道約12時間の上級者向けコース

2018/11/16 更新

”難攻不落の遥かなる山”ともいわれるペテガリ岳。日本二百名山の一つにも選ばれているこの山は、登山口までのアクセスも遠く、さらに登山口から山頂までも長い距離を歩くハードな登山道。さらに山小屋や水場もない事から上級者向けの山とされています。今回はそんな上級者向けのペテガリ岳について、メインコースと言われる西尾根を通るコースの情報、さらに注意点やアクセス情報など、ペテガリ岳登山の魅力について紹介します。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

遥かなる山、ペテガリ岳とは?

ペテガリ岳
標高山頂所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1736.2m北海道日高郡新ひだか町・
広尾郡大樹町市
13.5℃0.3℃
参考:ヤマレコ
日高郡新ひだか町と広尾郡大樹町にまたがる標高1,736 mのペテガリ岳。名前の由来は水源であるペテカリ川、アイヌ語で「回遊する川」を意味します。日本二百名山の一つですが、かつてはその登頂の難しさから「遥かなる山」と呼ばれていました。登山道が整備された今は登山者も増えましたが、依然として難易度の高い上級者向けの山となっています。

山頂からは北海道の山々が

ペテガリ岳
山頂からの眺望は素晴らしく、名峰の数々を見渡すことの出来る大パノラマが広がります。北側はルベツネ山やサッシビチャリの谷を隔てた先にある1839m峰、さらに遠くカムイエクウチカウシの姿が。南側には、中ノ岳、神威岳、ピリカヌプリをはじめ日高山脈の壮大な山々に目を奪われることでしょう。

渡渉に急登、藪漕ぎ…難易度高めの登山道

ペテガリ岳の不明瞭な登山道 ペテガリ岳はコースタイムが長いだけでなく、登山道に難所が多いのが特徴。増水時は通行不能になるほどの渡渉、朝露で濡れる藪漕ぎ、山頂直下の急登など、まさに上級者向けのコースと言えます。その分、登り切ったあとの達成感は山頂の絶景と相まって格別でしょう。

登山道が不明瞭な場所も!地図はもちろん、GPSアプリも必ず準備しよう

ペテガリ岳の登山道は長く険しく、藪漕ぎでは周りが見えない時も。地図を持参するのはもちろんのこと、GPSアプリで現在地を確認しながら進みましょう。

ITEM
山と高原地図 ニセコ・羊蹄山 暑寒別岳
発行元:昭文社

天気予報も事前にしっかりチェック!

ペテガリ岳は渡渉箇所があります。雨が降り増水すると危険な場合もあるため、必ず事前に現地の天気を確認しましょう。
てんきとくらす(ペテガリ岳の週間天気)

ペテガリ岳メインルート【西尾根コース】

かつては難攻不落と言われたペテガリ岳ですが、日高、十勝の両側から登山道ができてからは登りやすくなりました。まずはメインルートとされる西尾根コース。中には日帰りや1泊2日で登山している方もいますが、距離が長いため2泊3日での計画をおすすめします。
ペテガリ岳マップ
提供:YAMAP
距離コースタイム日程難易度
1日目9km4時間2泊3日★★★★☆
2日目15km12時間
3日目9km3時間30分
1日目:林道分岐(120分)→峠(120分)→ペテカリ山荘
2日目:ペテカリ山荘(320分)→展望台(120分)→ペテガリ岳(80分)→展望台(200分)→ペテカリ山荘
3日目:ペテカリ山荘(140分)→峠(90分)→林道分岐

1日目:神威山荘周辺~ペテカリ山荘

登山口 車で林道をしばらく進むと分岐があります。左側のペテカリ山荘方面に入り、路肩に駐車してスタートです。右側に行くと神威山荘があり、少し遠いですがそちらから歩くことも可能。

ニシュオマナイ川の渡渉 スタートしてすぐにニシュオマナイ川の渡渉があります。水量が少なければ登山靴でも問題ないですが、ペテカリ山荘までは沢靴でもいいでしょう。雨天の後など増水時は危険が伴いますので十分気をつけてください。

ニシュオマナイ川の渡渉 沢沿いの道 ニシュオマナイ川の沢沿いの道を登っていきます。途中何度か渡渉がありますが、上流のほうはそれほど深さはありません。峠の手前は急斜面なので足元に注意してください。

笹の高い登山道 峠を越えて沢沿いを少し下ると鬱蒼とした笹道になります。一見登山道を見失いそうになるほど笹が高い場合がありますが、目印のピンクテープを辿りながら焦らず進みましょう。

林道 笹道を抜けペテカリ山荘への案内標識を過ぎると、間もなく開けた林道に出ます。この辺りはヒグマの目撃情報が多いので注意してください。

ペテカリ岳 整備された林道を進めば間もなくペテカリ山荘です。1日目はここに泊まりましょう。避難小屋なので無人ですが、中はきれいに整備されており快適。2日目に備えてしっかり休みましょう。

2日目:ペテカリ山荘~ペテガリ岳

ペテガリ岳への登山道稜線 早朝にペテカリ山荘を出発。山荘横の登山道からスタートです。歩き始めは笹道、朝露で服が濡れるので、レインウェアを着るなど装備は工夫してください。視界が開けてくると間もなく稜線に出ます。

登山道からの神威岳 稜線に出てからはアップダウンが多くなり、きついコースが続きますが、神威岳や1839峰など周りに広がる北海道の山の景色を楽しみながら進みましょう。

ペテガリ岳山頂までの最後の登り 1,301m地点の展望台まで来れば山頂まであと一息…なのですが、ここからの急登が最もキツいポイント。さらに、最初に山頂と思って登り切った地点はニセピーク。本当の山頂はその少し先です。

ペテカリ山荘 ニセピークからもう少し登ると、「ペテカリ岳」の標識のある山頂へ到着!国土地理院の公式名称は「ペテガリ岳」(二等三角点の点名は「辺天狩岳」)ですが、地元ではペテカリ岳と呼ばれており山頂の標識もそれに倣っています。

ペテガリ岳山頂からの眺望 山頂は眺望抜群で苦労して登り切ったことが報われるかのよう。東側の十勝方面のポンヤオロマップ岳、南側の神威岳など同じ日高山脈の山を一望できます。帰りは来た道を戻ってペテカリ山荘でもう1泊します。

3日目:ペテカリ山荘~神威山荘周辺

ペテガリ岳滝の上の道 ペテカリ山荘からは1日目に歩いたコースを戻ります。滝の脇など沢沿いの道は滑らないように気をつけましょう。天気によっては川の水量が変わっている可能性もあります。

あの田中陽希が歩いた東尾根コースも !

さらに上級者の方にはポンヤオロマップ岳経由でペテガリ岳に登頂する尾根コースもあります。「グレートトラバース 日本百名山ひと筆書き」で有名な田中陽希氏も歩いたコースです。西尾根コース同様距離が長く、歩いている人が少ないため、道が不明瞭。道が崩れている箇所も多いため注意が必要です。
ペテガリ岳東尾根コース 藪漕ぎ ポンヤオロマップ岳を過ぎると、人が埋まってしまうほどの高さの藪漕ぎ。かき分けても道は不明瞭なので、行先を見失わないように注意して進んでください。

ペテガリ岳山頂直下のハイマツ ペテガリ岳山頂直下は濃いハイマツ地帯を進みます。体力も消耗している中での急登ということもあり、足元には十分気をつけて進みましょう。

熊、虫、水…ペテガリ岳登山の注意点とは?

以前より登りやすくなったとは言え、ペテガリ岳は奥深い山。まだまだ人も少ない北海道の自然の中に足を踏み入れるにあたって、注意すべきことをご紹介します。

ヒグマの生息地!必ず対策を

ヒグマ
出典:PIXTA
ペテガリ岳周辺はヒグマの生息地です。他の登山者からも目撃情報が多く寄せられています。熊鈴やホイッスルを持参するなど、必ず対策をしてください。

マダニに注意!!

マダニ
出典:PIXTA
藪に覆われたペテガリ岳の登山道では、マダニは非常に身近な存在。下山後や休憩時に服や装備を確認して、マダニがついていたら刺される前に取り払いましょう。感染症の恐れもあるので、もし刺されてしまったら自分で無理に引きはがさないように!

飲料水の量に注意!

水場
出典:PIXTA(画像の水場はイメージ画像)
ペテガリ岳は登山道に水場がありません。さらに登山距離が長いので、水は多めに用意してください。ペテカリ山荘には水場があるので、足りなければ補給しましょう。

渡渉箇所あり。増水時には注意!

ペテガリ岳の渡渉 ペテガリ岳は渡渉ポイントが何か所かあります。水量が落ち着いていれば、登山靴で渡れる場合もありますが、できれば沢靴など渡渉用の靴を準備しましょう。増水時は無理をせず、危険だと思ったら引き返すようにしてください。

登山道が不明瞭な箇所も

わかりにくい登山道
出典:PIXTA(画像はイメージ)
ペテガリ岳はまだまだ登山者も少ない奥深い山です。登山道は藪漕ぎ、ハイマツ帯、渡渉箇所など場所によってはわかりにくいポイントがあります。必ず地図・GPSアプリなどで対策をしてください。

山荘情報・アクセス方法を紹介

ペテカリ岳周辺には、神威山荘とペテカリ山荘の2つの山荘があります。ともに避難小屋で無人ですが、宿泊は可能です。

山小屋・山荘情報

【神威山荘】
神威山荘 林道分岐を右側に進むと神威山荘があり、小屋の近くに車を停めることもできます。宿泊は可能ですが、水場やマットなどはありません。
住所:北海道浦河郡浦河町野深


【ペテカリ山荘(ペテカリ避難小屋)】
ペテカリ山荘 ペテカリ岳登山の基地となる山荘。中はきれいに整備されており、トイレや水場、薪ストーブなど設備も充実しています。マットやシュラフは持参しましょう。
住所:北海道日高郡新ひだか町静内高見
料金:500円

アクセス情報

登山口へは公共交通機関などはなく、車でのアクセスのみになります。悪路というほどではありませんが、林道なので低車高の場合は注意してください。

国道235号→道道348号線→元浦川林道
※神威岳山荘に通じる元浦川林道は、平成30年10月20日(土曜日)からのエゾシカ可猟期間に伴いまして、10月16日(火曜日)以降、林道ゲートを施錠いたします。(平成30年10月12日現在)
詳細は北海道森林管理局
 
▼駐車場情報
駐車場はなく、ペテカリ山荘への林道の路肩か、神威山荘の脇に停めることになります。

いつもの登山で物足りない人へ…格別の達成感を味わえる山

日高山脈
出典:PIXTA
登山道が整備された現在でも、難攻不落の「遥かなる山」と謳われた存在感は健在。10時間を超えるコースタイム、渡渉、埋もれるほどの藪漕ぎ、急登、マダニ…行く手を阻む数々の障害は忘れかけてた冒険心を刺激してくれます。それらを越えて登頂したときの達成感はまた格別、登山経験が豊富な方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。


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登山が好きです。でも、山の上で飲む日本酒はもっと好きです。登山の魅力を少しでも多くの人に伝えられる記事を書いていきたいと思っております。

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