アイゼン選びでチェックしたい4つのポイント!
アイゼン選びのポイントは、「登山の内容」「履く登山靴との相性」「使い勝手」「各社のこだわりポイント」の大きく4つです。
➀登山の内容
目安表を参考に、どんな登山をするかで爪の本数を考えてみましょう。モデルによって歯の長さも異なります。使う場所と雪の深さまで思いを巡らせて選ばなければなりませんが、これから雪山デビューするんだからそんなこと分かりませんよね。ぜひショップスタッフに相談してみてください。
➁登山靴との相性
どの装着タイプにするか、どのメーカーのモデルにするかは、靴との相性があるので、履く靴が決まっているならお店に持ってきて合わせてみるのが一番です。アイゼンは重要で、雪山の場合は滑落に繋がりますから。
➂使い勝手
バックルの使い勝手も意外と重要だったりします。アイゼンのベルトに雪がついてガチガチに凍ってしまうこともしばしば。そんなときに操作がしやすいかどうかもポイントになります。寒い中でグローブをしていると、デザインによっては留めるのにもたもたしちゃうんです。
また、ヒールバックルの締め具合の調整の仕方もメーカーにより異なります。例えばグリベルはスクリュー式で、ぺツルはバーの位置を動かして強さを変えます。スクリュー式の方が強さの微調整はしやすいです。こんな風にバックルひとつをとっても使い勝手が違うので、ショップで実際に試してみてください。
➃各社のこだわりポイント
グリベルのアイゼンが人気なのですが、その理由のひとつが“アンチスノープレート”。日本は雪が湿っぽいので雪がだんごになってしまうんですが、グリベルは膨らんだプレートがポコポコと動くので雪がつきにくいんです。素材も雪がつきにくいものを使っています。これも結構重要で、雪がついたまま次の一歩を踏み出してしまうと「つるん」っと滑ってしまう。アイゼンの雪だんごって滑落の原因にもなりますので。
ぺツルからは、セミワンタッチでもワンタッチでも使えるモデルが出ています。ワンタッチ用のパーツがもともとついているので、好きな装着方法を選べます。各社にこだわっているポイントがありますので、どのメーカーを選ぶかの判断基準になると思います。
一緒にアイゼンケースも選ぼう!
ケースにも種類がいろいろあるんですが、歯があるものなので筒状で細いものは入れにくかったりします。メッシュのものは歯が引っかかってしまったり。なので、アイゼンが決まったらケースも使い勝手を試してみてください。
雪山ってリスクがあるところから一刻も早く帰らなければいけないし、アイゼンの装着って結構スピードが求められるんです。もたもたしていると体が冷えてしまいますから。また、寒いからケースに入れる作業ひとつが面倒だったりします。そう考えると少しでも出し入れが楽なものを選ぶのがいいですよ。
雪山ではワカンも必要?
雪が降った直後などのフカフカで深い雪の上を歩くときに、沈み込まないようにしてくれるのがワカン。100%トレースがある道ならなくてもいいのですが、どんな状況か分からないところでは持っていった方がいいですね。トレースがあるところも雪が降ってしまったら、全く進まなくて何時間もかかったりして結構つらいですよ。ワカンもある程度アイゼンとセットで考えておくといいと思います。
ちなみにスノーシューは、キックステップや樹林帯を登っていくことはできないので登山のときは使いません。スノーシューはそれ自体を楽しむもので、雪の区間がだら~っと長い山歩きに向いています。
アイゼンと登山靴の相性は、妥協するべからず!

アイゼンの基本を解説していただきました。「アイゼン選び」のポイントをまとめると以下の通り。
・アイゼンの使い分けを理解し、どんな山に登るのかに合わせて爪の本数や歯の長さを選ぶ
・装着タイプを含め、履く予定の登山靴との相性をみる
・メーカーごとの使い勝手や推しポイントをチェックする
・アイゼンケースやワカンも念頭におく
アイゼン選びで重要なポイントである登山靴との相性は、インターネットの情報だけでは分からない部分。安全に楽しく雪山登山を楽しむためにも、お店で山道具のスペシャリストに相談するのが◎。自分にぴったりの相棒を見つけてくださいね!
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