芦別岳|北海道のマッターホルン?!変化に富んだ登山コース情報や注意点

2018/11/26 更新

夕張山地の最高峰にして日本二百名山にも名を連ねる芦別岳。難易度の異なる新・旧2本の登山道、稜線散歩や山頂からの展望など、隠れファンも多い名峰です。そんな芦別岳はヒグマの目撃数も多い自然豊かな場所。ヒグマ対策を始めマダニ対策など注意点もたくさん!今回は変化に富んだ2つのコース情報や事前に知っておきたい注意点、さらに周辺情報など紹介します。


アイキャッチ画像出典:PIXTA

芦別岳(あしべつだけ)とは?

芦別岳
出典:PIXTA
標高山頂所在地標高差最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1,726.14m北海道富良野市・空知郡南富良野町・芦別市1,407m16℃1.7℃
参考:ヤマレコ
「夕張メロン」が有名な夕張市。明治以降には炭鉱の町として栄えた歴史があります。高倉健が主演をつとめた映画「幸福の黄色いハンカチ」の舞台にもなり、懐かしく思い出す人もいるかも知れませんね。
そんな夕張市の東側に聳える、夕張山地の中心に座す最高峰が今回紹介する「芦別岳」。標高は1,726mで、日本二百名山に選ばれています。
遠目には、比較的なだらかな稜線がゆっくり標高を下げる落ち着いた山容をしていますが、北尾根から眺める山頂は槍の穂先のように、天を穿つ迫力があります。

芦別岳の登山適期は?

芦別岳
出典:PIXTA
登山適期は5月上旬〜10月中旬とも言われています。アイゼンワークを身につけている人はGW以降に登ることが可能ですが、6月上旬まで登山道には残雪が散見するため、雪山の経験がない場合は雪解けが進む6月以降が適期といえるでしょう。

北海道の山々を360度見渡せる山頂

芦別岳山頂からの眺め 山頂に立つと360度のパノラマが広がる芦別岳。夕張山地全体を見渡せるのはもちろんですが、東側には大雪山、十勝岳、天気が良ければニペソツ山も遠望できます。反対に西側へ目を向けると羊蹄山も確認することができますよ。

天候はチェックした?

芦別岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!

てんきとくらす(芦別岳の週間天気)

登山前にチェックしたい注意点

憧れの芦別岳を目指す前にチェックしたい注意点をまとめました。北海道ならではのヒグマ対策はもちろんですが、マダニの被害も出ているそう。また、一部不明瞭な箇所も登山道にはあるので、道迷いには重々注意が必要です。

マダニに注意

芦別岳 マダニ
出典:PIXTA
芦別岳ではマダニに噛まれた被害が出ています。ライム病などの感染症が心配されるため、しっかりと対策を講じましょう。まずは肌を露出しないこと。そして下山後は咬まれていないかチェックします。もしマダニが見つかった場合は、医療機関で除去してもらいましょう。

▼マダニに咬まれた!どうする?!

ヒグマ対策はしっかりと!

ヒグマ 特に旧道でヒグマの目撃情報が相次いでいます。熊鈴を鳴らす、ラジオをつける、など人間がいることをヒグマに知らせると遭遇を減らすことが可能。直近の目撃・遭遇情報も必ずチェックしましょう。

▼ヒグマに遭遇!そんな時どうする?

道迷いに注意!

藪 芦別岳へ向かう登山道では、途中、ハイマツ帯や藪漕ぎを必要とする場所があります。不明瞭な場所もあるため、地図やコンパス、GPSなどは必ず準備しましょう。

▼地図も必ずチェック!
ITEM
山と高原地図 大雪山 トムラウシ山・十勝岳・幌尻岳


▼GPSアプリもインストール!

【山頂まで最短!】芦別岳新道コース

ここでは芦別岳へ向かう最短の登山道、新道コースを紹介します。出発して比較的明瞭な登山道をまっすぐ登り、半月山、雲峰山を越えて最後は藪漕ぎで山頂へ至るルートです。
芦別岳マップ
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
11.9km8時間10分日帰り★★★☆☆
参考:ヤマプラ
登山口(170分)→鷲谷(50分)→半面山(40分)→雲峰山(40分)→芦別岳

芦別岳登山口 新道コースの登山口は、山部自然公園の貯水池の側にある、鹿避けネットに設けられたゲート。登山ポストも設置されているので、入山届を出してからスタートしましょう。

新道 登山道 始まりの登山道は樹林帯の緩やかな登りとなります。斜面が東面にあるため、早朝から朝日を浴びて体を慣らしましょう。因みに看板の「呻吟(しんぎん)」とは「苦しみうめくこと」を意味しています。…恐ろしいですね。

見晴台からの雲海 「見晴台」と書かれた看板が掲げられた木に到着したら後ろを振り返ってみましょう。パッと視界が開け、平野部からの高度差で疲れが癒されるはずです。運が良ければ雲海が見られるかもしれません。

半面山 見晴台から半面山までは樹林帯の背が低くなり、徐々に後方の視界が開けてきます。鷲谷から登ってくる道との合流点を越えると半面山までは約50分で到着です。

雲峰山からの芦別岳 開けた広場のような半面山の山頂を越えると下り坂となり、一旦高度を下げます。「熊の沼」と呼ばれる湿地帯を越え、ハイマツが増えてきた斜面を登るとそこが1,560mピークの「雲峰山」。

雲峰山からの下り 雲峰山からは目標である芦別岳の山頂が確認できます。再度道は下り坂となり、約40mほど高度を下げます。最も標高が下がった地点からが新道コース最後の登り。ゴールはもう少し!気合を入れ直しましょう。

芦別岳山頂 辺りを覆う樹林帯はすっかり姿を潜め、目指す山頂へ続く斜面がしっかり確認できます。約200mの標高差をゆっくり登り、最後に出てくる岩場を越えるとそこが芦別岳の山頂です。

芦別岳からの眺望 狭い岩稜の上にポツンとたつ山頂の柱を中心に、広がるのは360度の景色。眼下には雲海が見えることも。ぐるりと一周、大雪山や羊蹄山などが確認できる大パノラマを独り占めしてください。

【上級者向け!】芦別岳旧道コース

新道の次は上級者向けの旧道コースを紹介しましょう。日帰りの行程を説明しますが、不明瞭な箇所もあるため時間がかかること必死です。可能であれば前泊して早朝出発、もしくは1泊2日での行程をオススメします。
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
14.7km12時間30分日帰り★★★★☆
参考:ヤマプラ
山部自然公園太陽の里(30分)→旧道登山口(110分)→ユーフレ分岐(100分)→新夫婦岩分岐(140分)→1436m地点(180分)→芦別岳

旧道登山口 旧道登山口までは、山部自然公園太陽の里から車で入ることも可能です。ただし、旧道から新道コースを周回する計画の場合は、太陽の里から歩き始めるのがいいでしょう。

旧道の高巻き 旧道登山口にある登山ポストに入山届を提出してから出発です。ユーシン川の左岸に付けられた旧道コースには迂回路を示す看板もあり、想像以上にアップダウンがあります。

旧道の丸太橋 ユーシン分岐までの行程は全てユーシン川に沿って歩きます。途中にはロープを使って降りる斜面があるのでスリップに注意しましょう。丸太がかかる支流を渡り、三段の滝を見物すると分岐点に到着です。

芦別岳分岐点 ここまでのコースタイムは出発してから約1時間40分。ここから左手に曲がるとユーフレ小屋が現れ、さらに進むと新道コースへ合流することができます。今回は右手に進み、頂上へ向かいます。

夫婦岩 分岐をすぎるとユーフレ川とは分かれ、支流の沢沿いを登っていきます。暫く歩くと見えてくるのがクライミングルートもある夫婦岩です。最初に北峰、次いで南峰が出てくると支え合う夫婦のように見えるため、この名がついたのでしょう。

芦別岳 岩尾根 夫婦岩から標高を上げると南北に連なる主稜線に上がります。ここから眺める芦別岳はまるで槍ヶ岳のよう。近づくほどに細く、岩も出てくる稜線でアップダウンを繰り返し、藪に覆われた不明瞭な道を進んで山頂を目指します。

芦別岳山頂からの眺め 新夫婦岩の分岐から芦別岳山頂までは約5時間20分の行程です。待ち受ける絶景を見渡せば、険しい行程でピークに達した疲労もふき飛ぶことでしょう。

山小屋・キャンプ場情報

芦別岳に登る計画で便利な山小屋やキャンプ場の情報をまとめました。主に旧道コースを利用する時にためになると思います。参考にしてください。

ユーフレ小屋

ユーフレ小屋 旧道登山口から約2時間の地点にある山小屋がユーフレ小屋です。トイレもあり宿泊することも可能。しかし、有人の営業小屋ではありません。一晩利用する場合は、宿泊装備を準備しましょう。

住所:北海道富良野市上御料

山部自然公園 太陽の里 ゆうふれキャンプ場

太陽の里
出典:PIXTA
芦別岳の麓に広がる無料のキャンプ場です。トイレ、無料の炊事場、ゴミ捨て場などが併設されているので非常に便利。綺麗に利用しましょう。
住所:北海道富良野市字山部西19線32話
電話番号:0167-42-3445

芦別岳へのアクセス方法

最後に芦別岳でのアクセス方法をご紹介します。やはりマイカーでのアクセスが最も便利ですが、電車やバスでアクセスすることも可能です。いずれにしても早朝からの出発できる計画を立てましょう。

車の場合

道央自動車道 三笠IC→太陽の里(札幌中心部から約2時間20分)

電車・バスの場合

根室本線富良野駅から車で約25分、山部駅から車で約15分

360度のパノラマが待ち受ける、北海道のマッターホルンへ

芦別岳
提供:PIXTA
最短で山頂を目指す新道コースもオススメですが、天に聳え立つ、まるで槍ヶ岳やマッターホルンを思わせる山容を目近にできる旧道コースもいつかは挑戦したいですね。一歩一歩ステップアップしながら、芦別岳の頂きを踏みましょう!

【登山時の注意点】

・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)

・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。

・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!

・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。


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吉澤英晃
吉澤英晃

群馬県出身。大学時代に所属した探検部で登山を開始。以降、沢登り、クライミング、雪山、アイスクライミング、山スキーなど、オールジャンルで山を楽しむ。登山用品の営業職を経て、現在はフリーの編集・ライターとして活動中。

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