基本的にダウンは綿毛をたくさん使用していて、分厚いもののほうが保温力が高くなります。そのため、山でも分厚いダウンを着ている人を見かけます。
たしかに保温力は大切で分厚いことが悪いわけではありません。ただ、登山では『暖かさ』だけでなく、他にも注意すべきことがあるんです。それを知らないと、良かれと思って着ている分厚いダウンが、逆に仇となってしまうことも・・・。
ダウンの天敵は”濡れ”
山では晴れていたと思ったのに、急に雨が降るなんてこともしばしば。この雨がダウンにとって、天敵なんです。
ダウンウェアは中綿が空気を含んでふくらみ、暖かい空気の層を作ることで保温力を発揮します。しかし、ダウンが濡れてしまうと膨らむことができないので、結果として保温力を失い、使い物にならなくなってしまうことも。
ダウンの上にウェアを着ることがよくある
ダウンを着ている時に雨が降ってきたら、ダウンの上から濡れを防ぐための「レインウェア」を着ます。そのため、上からウェアを重ね着やすい薄手のダウンが、登山用のダウンとして多く販売されています。
保温性のみを重視して分厚いダウンを着てしまうと、上からレインウェアを着れなかったり、着られたとしても最初の写真のように動きにくい状態になってしまうこともあるで、注意しましょう。
実際にどうなるか比べてみた

上からウェアを着る前の様子です
実際に、上からウェアを着るとこんな感じになります。
■厚手のダウン
・二の腕周りがパンパンで、腕をほとんど動かすことができない
・首元をまでチャックを締めることができないため、風が吹くとフードがめくれてしまう懸念あり
・ダウンが潰れないので、しっかりと暖かい
■登山用ダウン
・違和感もまったくなく、動きにくさはほとんど感じない
・暖かさも十分に感じる
・脱ぎ着もスムーズ
分厚いダウンを着た時に一番感じたのが、腕や脇周りの苦しさ。とてもウェアが脱ぎづらく、1分くらいジタバタして、ようやく脱げました。
山では服の脱ぎ着で体温調整を行うので、かなりのストレスになると思います。また、服がパンパンだと、すばやく着ることができないため、雨への対処が遅れてしまう心配も。
まとめ上にレインウェアを着れるくらいの厚さのダウンを選ぼう
「重ね着のしやすさ」と「コンパクトさ」も考慮しよう!
ダウンは決して安い買い物ではありません。なので、登山の時もできるだけ持っているもので山に行きたいですよね。
秋冬の1000m以下の雪のない低い山に登る場合も、
①行動中はリュックの中に入れておける大きさ
②雨が降っても上にレインウェアを着れるような厚さ
上記のような、暖かさ以外のポイントも考えてダウン選んでください。
あとは、寒くないようにその他のウェアで調整をすれば、必ずしも登山用のダウンでなくても使用可能です。
登山用のダウンを普段着でも着ている人も多くいます。興味がある場合は、登山用のダウンもチェックしてみてください。