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都会の山小屋!? “何度も通いたくなる” と噂の山道具店『Kadoya』を直撃!(3ページ目)

カドヤのバール横須賀

撮影:YAMA HACK編集部(『カドヤのバール』マスター・中谷さん。)

もともと僕は、ここの常連だった。

僕はここがオープンしたときから常連で。30歳くらいだから、30年くらい前かな。この店がオープンするちょっと前からハイキングや低山ハイクをしていたんです。そのうちKadoyaがオープンして、「地元にアウトドアショップができたんだ!」って覗いたのが角さんとの出会い。角さんが精力的に山に登ってるという話を聞いていたから、本格的に山に登るんだったらどういう道具がいいとか、どこの山に行ったら面白いとかの情報を教えてもらっていました。

当時は角さんが意外と人見知りで、店をやっている人にしては全然愛想がなくってね。今でも親しい人たちはみんな言ってるの、「不愛想だし、感じ悪かったよね」って(笑)。でもね、どこか愛される感じがあって。付き合えば付き合うほど味があって、不思議と通っちゃうんだよね。

サラリーマンを辞めたのが5年前。

ずっとサラリーマンをしていたんだけど、もう区切りをつけようと思ったのが5年前。その頃は、バーも角さんが1人でやっていたんです。バーの方をやるときは、ショップをアルバイトの人に任せたりして。週末にどこかに出掛けても、よくここに飲みにきていました。

それまで何年間か考えてはいたんだけど、会社を辞めるなら今かなと。それこそ職場で「辞めます」って言ったあとに角さんに電話して、「バーコーナーやらせてくれない?サラリーマン辞める!」と伝えたのがスタート。「いいよ、じゃあ直接話をしよう。」と角さんが言ってくれて、食べていかなきゃいけないしということで、バーのマスターになりました。

カドヤのバール

撮影:YAMA HACK編集部(古民家の大黒柱で作ったイスなど、バーコーナーも木の温もりが溢れる。)

Kadoyaは毎日顔を出しやすい場所。

山道具をインターネットで購入したり、人とコミュニケーションを取ることを嫌う人が増えてきてはいますよね、若い人に限らず。その点Kadoyaは、山小屋みたいな近い距離感で話をできるし、こういうバーコーナーもある。たまたま居合わせたお客さん同士で盛り上がっていることもあります。毎日山道具を買う訳じゃないけど、でも毎日飲むでしょ? だから本当にいいところを作ってくれたよね。

もっともっと気軽に立ち寄れる場所に。

ガンガンにアウトドアをやる人じゃなくても、気軽に訪れることができる場所にしていきたいね。グッズもウエアもデザインも色ももちろん、機能性ももっと知ってもらって、普段にも使ってもらえる品揃えと、そんなやりとりができればいいなって。

結構ね、バーだけにきていたお客さんがアウトドアに興味を持ってくれることもあるんですよ。登山まではしなくても、山道具に興味を持ってくれたり、アウトドアウエアを普段から着てくださったり。Kadoyaはいろんなブランドを置いているから、「このメーカーにはこういう良さがあるんだよ」っていうのを、着てもらって、使ってみて、感じてほしいんです。こういう店があったから、僕は週末が楽しみでしたよ。

山好きが密かに通う山道具店は、愛され店主のいる下界の山小屋だった。

カドヤのバール

撮影:YAMA HACK編集部(『カドヤのバール』には畦地梅太郎さんの版画が数多く飾られている。)

自然を感じられる店内、アウトドアフリークを刺激する山道具、見ず知らずの人ともすぐに打ち解けられるバーコーナー。そしてなにより、味のある店主の存在。不愛想だけど実は優しくて、面倒見が良いその人柄に惚れずにはいられないはず。そして、悠々自適にアウトドアを楽しむ“生き様”は「こんな風に歳を重ねたい」と多くの山好きの憧れでもあるでしょう。

アウトドアショップKADOYA横須賀

撮影:YAMA HACK編集部

つまり、何度も足を運びたくなってしまうのは、居心地の良さともちょっと違う、独特の“Kadoyaワールド”に一気に惹き込まれてしまうから。これは大型店舗やネットショップでは、決して味わうことができないもの。まるで山小屋のように、Kadoyaは多くの人の憩いの場であることは間違いありません。

【あとがき】

中谷さんと角さん

提供:中谷さん

角さんについての話をするときの中谷さんの楽しそうな姿から、長い付き合いの中での信頼関係や愛情の深さが伝わってきました。

こういう店をやっていると自身が外にでる時間がどうしても減ってしまいますが、それでも年に数回、二人で一緒に岩魚を釣りに行くとのこと。この日はラッキーなことに、新潟で釣ってその場で作ってきたばかりの“岩魚の焼き枯らし”を『カドヤのバール』でいただくことができました。

カドヤのバール

撮影:YAMA HACK編集部([左上]釣った岩魚を焚火に6時間ほど当てて作る“岩魚の焼き枯らし”。ハンモックで揺られながら、お酒を飲んで出来上がりを待つ時間も至福だそう。)

カドヤのバールは、お酒や食事のメニューが豊富。地場産品の食材を使ったマスターオリジナルの料理はどれもおいしく、季節の味を楽しめます。

カドヤのバール

撮影:YAMA HACK編集部(手作りのお酒も並び、テイクアウトもできる。)

山道具を眺めながらお酒を飲めるなんて、もっぱらのアウトドア好きにはたまりません。「気をつけて!飲んじゃうとね、いるんだよ。飲んだ後に、やっぱりアレも買って行こうかなってなる人(笑)」とマスター。

アウトドアショップKADOYAのオリジナルスエット

撮影:YAMA HACK編集部(半身のプリントがかわいいKadoyaオリジナルのスウェット。Tシャツもある。)

そうして編集部員もついついKadoyaオリジナルのスウェットを買ってしまいました。釣った魚の原画をほぼ角さんが描き、「俺が角さんに連れて行ってもらった川の色はこれと違う、この色だ!」なんて言いながら、背景の川の色は中谷さんが決めたそう。

アウトドアショップKadoya

撮影:YAMA HACK編集部(最近スマホを買ったばかりの角さんに、僭越ながらYAMA HACKの見方をレクチャー。「俺はガラケーでいい。」って言っていたのに、ある日突然スマホを買ってきて、中谷さんに得意げに見せてきたのだとか。想像するだけで微笑ましい。)

「本当はこういう取材も好きじゃないし、雑誌なんかもよく来ましたけど、ぜーんぶ断ってたから。とにかくあんまり目立ちたくない。」と言いつつも、気さくにお話してくださった角さん。そしてその様子を温かく見守ってくださっていた中谷さん。お二人に会いに、そして山道具選びの相談をしに、編集部員もKadoyaに通うことになるでしょう。

アウトドアショップKADOYA

撮影:YAMA HACK編集部

OUTDOOR SHOP KADOYA/Kadoya no Bar(カドヤのバール)
住所:〒238-0041神奈川県横須賀市本町2-8
電話番号:046-827-8957

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