船形山(ふながたやま)ってどんな山?
標高 | 所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|
1,500m | 宮城県加美郡、山形県尾花沢市 | 19.2℃ | 5.8℃ |
宮城県と山形県の県境の奥深いところに位置する「船形山(ふながたやま)」。奥羽山脈船形火山群の主峰に当たる船形山は、日本二百名山の一つに数えられ、古くから水神を祀る霊山として信仰されてきました。船のような形の山容が名前の由来とされていますが、山形側では「御所山(ごしょざん)」とも呼ばれています。
神秘的なブナの森
山腹に広がるは美しいブナの原生林は船形山最大の魅力。しかし、昭和期に大規模に伐採され、一時期にはかつての1/3に。現在は、周辺住民の努力によって保護され、かつての姿を取り戻しつつあります。
船形山の登山適期
船形山では毎年5月下旬に山開きが行われ、登山シーズンがスタート。ただ、6月まで残雪があるので、シーズン入りすぐの頃は注意。また、ブナ林が広がる船形山は、紅葉も圧巻ですよ!
てんきとくらす(船形山の週間天気)
地図も必ずチェック!山と高原地図
登山地図の定番といえばコレ!マップ詳細はもちろん、バスやマイカーでのアクセスにも便利!
ブナの原生林が魅力の升沢コース
最高点の標高: 1476 m
最低点の標高: 576 m
累積標高(上り): 1615 m
累積標高(下り): -1615 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 日帰り
- コースタイム:7時間55分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
旗坂キャンプ場(130分)→三光の宮(100分)→千畳敷分岐(25分)→船形山山頂(60分)→蛇ヶ岳(160分)→旗坂キャンプ場
宮城側から緩やかなブナ林を抜けていく往復8時間のロングコース。登山道には1~30の番号標識があり、難易度は低いですが、体力を必要とするコースなので要注意。
大和ICを降りてから車で40分前後、山の奥深いところにある旗坂キャンプ場が登山口となります。駐車場は広く、駐車場右側にある林道から登山口へアクセス。
スタートの標識は30番。登山口からすぐにやや急登ですが、28番標識を過ぎた辺りから尾根を歩く緩やかな道に。新緑の季節は瑞々しく、秋の紅葉は格別の美しさを誇ります。
15番標識を越えたら、コースのちょうど中間点に位置する三光の宮。ルートから少し外れたところに展望スポットがあり、360度の展望が楽しめます。東側に広がる北泉ヶ岳や七ツ森は絶景!
升沢小屋を越えた辺りから登山道は沢伝いに。ぬかるみなどに注意してください。登りを終えれば展望が開け、遠くに船形山の山頂と山頂に建つ避難小屋が見えてきます。
山頂では、開放感いっぱいの360度の展望!船形連峰を形作る北泉ヶ岳や白髪山、黒伏山などが広がっている様子が見渡せます。下山は、来た道を引き返すのも良いですが、時間があれば蛇ヶ岳を経由してみると違った景色が楽しめますよ。
アクセス情報|旗坂キャンプ場
基本的にアクセスは車。公共交通機関を利用する場合は、東北新幹線で古川駅まで行き、色麻町役場までバスで移動、役場からタクシーを利用します。
住所:宮城県黒川郡大和町吉田字升沢地内
電話番号:022-345-1184(大和町産業振興課)
駐車場:無料(40〜50台)
最寄りICからのおおよその時間:大和ICから約40分(約26km)
温泉情報|かっぱの湯
登山でかいた汗を流してさっぱりしたいなら、日帰り温泉の「かっぱの湯」。源泉かけ流しの露天風呂やサウナ付きの屋内浴室、食事処、休憩用個室など、登山後にゆったりできるアメニティが充実!お肌がすべすべになるアルカリ性温泉を心ゆくまで楽しめます。
住所:宮城県加美郡色麻町平沢字新早坂21番地
電話番号:0229-65-4505
料金:大人500円~/こども200円~
標高差が少ない観音寺コース
最高点の標高: 1476 m
最低点の標高: 984 m
累積標高(上り): 1666 m
累積標高(下り): -1666 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間25分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
登山口(35分)→粟畑(50分)→定義分岐点跡(90分)→船形山山頂(150分)→登山口
登山口での標高は1,000mを超えており、他のコースと比べて標高差が少ないコース。ただし、中盤までほとんど標高が上がりません。後半に一気に登るかたちとなり、急登が続きます。
登山口は木製の看板が目印。序盤は緩やかな樹林帯歩きで、ブナの美しさを存分に楽しめます。
スタートしてから1時間半、定義分岐点跡から急激に。2kmの水平距離で500mも上がります!荒れた登山道の急登が山頂直下まで続くので注意してください。
コース後半は急登続きで大変ですが、そこを越えると大きく視界が開けた山頂エリア。定義分岐点跡からおよそ1時間半で到着です。遠くまで波打つように広がる山深い船形連峰が360度見渡せ、秋にこれらが一様に紅葉する様は見もの。
船形山東側から登る升沢コースや小栗山コースと違い、観音寺コースは西側から。そのため、登る最中に進路方向で姿を現す船形山山頂の形も当コース独特の顔が見られます。
アクセス情報
登山口までは4kmほど林道。途中にある柳沢小屋を目印にするとよいでしょう。林道終点には、10台程度停められる駐車スペースがあります。
駐車場:無料
最寄りICからのおおよその時間:山形北ICから約1時間(約34km)
最短距離だがアクセス難の小栗山コース
最高点の標高: 1487 m
最低点の標高: 1046 m
累積標高(上り): 466 m
累積標高(下り): -466 m
- 【体力レベル】★☆☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:2時間50分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
大滝キャンプ場(50分)→小野田コース分岐(43分)→御来光岩(7分)→船形山山頂
登り約1時間40分と、船形山へ最短で登頂できるコースですが、林道は17kmに渡って険しい悪路です。未舗装のダートエリアもあるので、車高の高い車や四輪駆動車が推奨されています。
登山口となる大滝キャンプ場までは相当な悪路ですが、キャンプ場の駐車場は整備され、20台程度停められます。炊事場・トイレ完備、ブナの原生林に覆われた緑深いキャンプ場です。
キャンプ場の炊事場には「人名水」という湧水が水量豊富に湧き出ており、日本唯一の霊泉とも言われています。わざわざこの水を汲みに来る人もいるくらい、美味しい湧水だと評判。
当コース前半は、最初に紹介した升沢コース同様に美しいブナ林歩き。道は比較的歩きやすく、木漏れ日が差し込むブナ林はまるで絵画のよう!小野田コース分岐を越えた後半からは、岩のゴロゴロした急登が始まります。
急登を登りきったすぐのところに、御来光岩という目印となる巨岩が鎮座。ここから山頂までの残り300mは開けた眺めを楽しみながらの稜線歩きです。
山頂から遠くには東北の名峰である鳥海山、月山、蔵王、大朝日岳なども望めます。往復ピストンも良いですが、体力に余裕があれば升沢コースを下る周回も可能です。
アクセス情報|大滝キャンプ場
基本的に車でのアクセス。公共交通機関を利用する場合は、東北新幹線で古川駅まで行き、色麻町役場までバスで移動、役場からタクシーを利用。また、キャンプ場の近くには落差41mの見事な色麻大滝もありますよ。
電話番号:0229-65-2128(色麻町産業振興課)
駐車場:無料(20台)
最寄りICからのおおよその時間:三本木ICから約1時間20分(約35km)
美しいブナ林と大展望が満喫できる船形山!
奥深いところにありアクセスは中々大変な山ですが、美しいブナ林と山頂付近の開放感ある大展望はとても魅力的。体力は相応に必要とはいえ、初級者でも登りやすいコースもあります。秋は紅葉が美しいので、季節を変えて訪れるのもいいですね。是非、船形山の魅力をその肌で感じてみてください!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。