森吉山

森吉山|花が美しい二百名山の日帰り登山コース紹介

秋田県北秋田市に位置する森吉山。標高は1,454.2mで、「向岳(むかいだけ)」や「秋田山(あきたやま)」とも呼ばれます。山人平の湿原は高山植物の宝庫となっており、「花の百名山」にも選出されるほどです。
山頂からは秋田駒ヶ岳、八甲田山、白神山地などの雄大なパノラマが眺められ、多くの登山客が訪れる人気の山です。今回は代表的な2つの登山コースをご紹介します。

目次

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山小屋や行政・関連機関が発信する最新情報を入手したうえで登山計画を立て、安全登山をしましょう。
アイキャッチ画像出典:PIXTA

森吉山(もりよしざん)ってどんな山?

森吉山

出典:PIXTA
標高所在地最高気温(6月-8月)最低気温(6月-8月)
1454.2m秋田県北秋田市17.5℃9.3℃
参考:ヤマレコ
森吉山は、秋田県森吉町と阿仁町にまたがる古い火山。周囲はヒバクラ岳や前岳などの山々に囲まれており、古くから霊山信仰の地と親しまれてきました。緩やかな形状をした山は「花の百名山」にも名を連ね、多種多様な高山植物や動物を見ることができます。地元民からは「秋田山」と呼ばれ、山頂までゴンドラで移動できることや歴史情緒ある風景から、観光客にも人気のある山です。

山頂から見える大パノラマ

森吉山と雲海

出典:PIXTA

山頂からは雄大な景色が楽しめる森吉山。白神山地や岩木山など名だたる山々が広がる見事な眺望です。日本海も望める大パノラマは、天気がいいと雲海が見られることもあり、自然の景色を思いきり満喫することができます。

高山植物の宝庫

チングルマ

出典:PIXTA(チングルマ)

「花の百名山」の一つである森吉山は、さまざまな高山植物が咲き誇る場所。チングルマやイワキンバイなど愛らしい花々を眺めるために登山する方も少なくありません。標高1100mからは植生がアオモリトドマツに変化し、花の標識があることも森吉山の魅力です。

森吉山の登山適期

森吉山の紅葉

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毎年5月3日に山開きがなされる森吉山。登山シーズンは5月から10月となっていますが、6月までは残雪があるので注意が必要です。山に行くときは防寒対策をしっかりしてから出かけましょう!

てんきとくらす(森吉山の週間天気)

地図も必ずチェック!山と高原地図

登山地図の定番といえばコレ!マップ詳細はもちろん、バスやマイカーでのアクセスにも便利!

昭文社 山と高原地図 岩手山・八幡平 秋田駒ヶ岳・姫神山・森吉山・和賀岳

最短距離で初心者にもおすすめ!ゴンドラ登山コース

合計距離: 6.72 km
最高点の標高: 1440 m
最低点の標高: 1166 m
累積標高(上り): 641 m
累積標高(下り): -641 m
【体力レベル】★★☆☆☆
日帰り
コースタイム:3時間40分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★☆☆☆☆
・歩きやすい靴と動きやすい服装が必要
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

ゴンドラ山頂駅(20分)→石森(60分)→稚児平(15分)→山頂(20分)→山人平(30分)→山頂(75分)→ゴンドラ山頂駅

山頂まで簡単に行くことができるゴンドラ登山コース。歩く時間も短いのでファミリーから初心者にまでおすすめです。コースは、山頂から山人平まで行き、再び戻ってくるピストンとなっています。

コース詳細

森吉山の阿仁ゴンドラ

出典:PIXTA

手軽に絶景が楽しめるゴンドラコースは、幅広い層から大人気!秋には紅葉が楽しめて、冬はダイナミックな樹氷が望めるなど、ゴンドラ内からでも美しい景色を堪能することができます。

登山道

登山道は、基本的に整備された道。子供連れやシニア層もたくさん来る場所は、登山初心者でも歩きやすいです。ただし、木道以外のエリアには入らないように注意しましょう。

森吉山山頂

天気が変わりやすい山頂は、必ずしも快晴というわけではないもの。目の前が白い霧に包まれるなどガスることも多く、肌寒いと感じることもあります。そのため、マウンテンパーカーなど羽織れる衣類を持って行くことを忘れずに。

山頂からの展望

山頂からは、八幡平や岩手山、秋田駒ケ岳など周囲の山々を一望することができます。青い空と広々とした大地が感じられる空間は、圧倒的なスケールです。晴れていれば、鳥海山も見渡すことができますよ!

山人平

山頂から20分ほど歩くと山人平に到着。花の楽園ともいえる場所は、登山シーズンになるとヒナザクラやハクサンチドリなど多くの高山植物が咲き乱れます。登山の際は、ぜひとも訪れたい観光スポットです。

アクセス情報


ゴンドラ登山は、「阿仁ゴンドラ」で山頂駅まで行ってから登山スタート。紅葉などの絶景はゴンドラからも望めるので、体力に自身がない方でも、きれいな自然の景色が楽しめますよ!

住所:秋田県北秋田市阿仁鍵ノ滝79-5(森吉山阿仁スキー場内)
電話番号:0186-82-3311
営業時間(定休日):6月〜10月 ※ 天候により時間変更や運休あり
駐車場:無料(600台)
料金:【片道】大人 1200 / 子供 500、【往復】大人 1800 / 子供 800 ※ 団体割引や宿泊割引あり

◆車の場合
秋田自動車道五城目I.C.から285号線県道福館阿仁前田線経由約80分(60km)
◆公共機関の場合
秋田内陸線阿仁合駅からタクシーで約20分(14km)

阿仁ゴンドラ

森吉神社の参拝道!様田コース

合計距離: 10.8 km
最高点の標高: 1432 m
最低点の標高: 787 m
累積標高(上り): 1054 m
累積標高(下り): -1054 m
【体力レベル】★★★☆☆
日帰り
コースタイム:6時間45分
参考:ヤマプラ
【技術的難易度】★★☆☆☆
・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
凡例はこちらをクリック:グレーディング表

森吉山登山口(15分)→旧スキー場分岐(70分)→勘助道分岐(35分)→雲嶺峠(30分)→石森(75分)→山頂

登山をしっかり満喫するなら、森吉神社を通る「様田コース」がおすすめ。多少歩く距離は長くなりますが、難所もないので、ゆっくりと美しい高山植物を楽しむことができますよ。

コース詳細

こめづか山荘

森吉山登山口は、こめつが山荘の近くにあります。山荘へは、車やタクシー以外の交通手段がなく、バスもありません。こめつが山荘は、現在避難小屋となっていますが、登山届けやトイレ場所として利用されています。

冠岩

登山道を進んで、一ノ腰を超えると見えてくるのが「冠岩」。奇怪な形状をした岩は、神社の御神体とされていて、江戸時代から現在まで変わらぬ姿を維持しています。森吉山の名物的存在といえるでしょう。

森吉神社・避難小屋

冠岩のすぐ近くにあるのが、森吉神社と避難小屋。木造の鳥居は歴史を感じる佇まいで、修験道場の名残があります。隣の避難小屋ではトイレ利用が可能で、周辺の景色も良いことから登山の休憩スポットとしておすすめです。

稚児平

山頂付近の稚児平は、さまざまな高山植物を楽しめるエリア。白やピンクに咲く花々と緑のコントラストは美しいかぎりです。あたり一面に広がるお花畑は、多くの登山者を魅了しています。

山頂からの展望

稚児平から少し進むと山頂に到着。山頂付近は座りやすい石が転がっているので、秋田の絶景を眺めながらランチを食べるのもいいですね!余裕があれば山人平まで行くのもアリですよ。

アクセス情報


森吉山登山口にアクセスするにはこめつが山荘を目指します。バスなどの公共交通機関がないので、車で行くのが基本。
住所:秋田県北秋田市森吉森吉高原
駐車場:無料(約30台)

◆車の場合
秋田自動車道五城目八郎潟ICから約56.5km

◆公共機関の場合(バスなし)
秋田内陸縦貫鉄道阿仁前田駅からタクシーで約30分(18km)

下山後に行きたい温泉情報

打当温泉 マタギの湯

打当温泉マタギの湯

登山の後は汗を流してさっぱりしたいもの。マタギ文化の残る温泉は、源泉掛け流しで、加水・加温は一切していません。秋田の空気感を味わえる日帰り・宿泊温泉施設です。
住所:秋田県北秋田市阿仁打当字仙北渡道上ミ67
電話番号:0186-84-2612
営業時間:【4月〜10月】9時から22時、【11月〜3月】9時から21時 ※ 定休日は不定休(館内清掃等のため)
料金:大人 600円 / 子供200円(未就学児は無料)

打当温泉 マタギの湯

湯の沢湯本杣温泉旅館

源泉掛け流しで無色透明の温泉は、手作りの露天風呂が魅力。秋田の大自然を満喫しながら入るお風呂は格別です!料理自慢の宿は、「熊鍋」などの宿泊プランもあります。

住所:秋田県北秋田市森吉字湯ノ沢7
電話番号:0186-76-2311
営業時間(定休日):7時から20時
料金:大人 400円

湯の沢湯本杣温泉旅館

お花畑がきれいな森吉山!ゴンドラで楽ちん登山もOK

森吉山 春

出典:PIXTA(森吉山 春)

森吉山は、ゴンドラを使えば山頂までのアクセスがとても簡単。登山初心者からファミリーまで楽しめる山は、きれいなお花畑や紅葉が魅力です。山頂からは雄大な景色を望むことができて、下山後は温泉もあるので、ぜひ一度訪れてみるといいですよ!

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山してください。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんでください。