その名も、医学用語で「HAFE(ヘイフ)」
高所で“おなら”が増えることは昔から経験的に認知されており、アメ
高山病はMild Headache(軽い頭痛)から重篤なHigh Altitude Cerebral Oedema (HACE)[高所脳浮腫]、High Altitude Pulmonary Oedema (HAPE)[高所肺水腫]といったものが知られていて、医学的にも研究されています。
そして1981年、テンプル大学のア
標高1,500m程の上昇で、“おなら”の回数が2倍以上!
2013年、オーストラリアのマンスフィールドメディカルクリニックの医師であるグラハム・スレーニーたちが発表した論文に、おもしろい実験の数値が載っています。
スレーニーらは中程度の高度
ちょっとでも“おなら”を減らすなら?
標高が上がると“おなら”の回数が2倍以上に増えるとは驚きですよね。登山者が多い場所で急に音が出てしまったらと思うと、ちょっと気がかりなのではないでしょうか。食事で気をつけることとして、以下の3つを覚えておくと良いかもしれません。
①イモ類、キノコ類など食物繊維の多い食品はガスがたまりやすい
②肉類などのたんぱく質、ネギ類など硫黄分の多い食品は匂いのするガスを増やす
➂早食いや炭酸飲料の飲みすぎはガスの発生に関係していると言われる
“おなら”が何によって影響されるかというと、運動量よりも食べ物とされています。「ダイエットを始めたらおならが増えた」という話を聞いたことはありませんか? ダイエット中は、タンパク質や食物繊維など、ガスが溜まりやすい食べ物が中心の食事になることが多いからなんです。
また、ガスが溜まった状態は、便秘の一つの症状でもあります。排泄が上手くいけば、基本的には便とおならが一緒に出るもの。お腹が張りやすい人は、十分に水分を摂取し、お通じを良くすることも心掛けましょう。
一番大事なのは、“おなら”を我慢しないこと!
暑いと汗が出やすいのと同じように、山で“おなら”が頻発するのは生理現象。問題があるとすれば、体の中に不要なガスを溜めたままにすることです。“おなら”をしたくなったら、我慢しないことが肝心ですよ。
音を出さずに“おなら”をする秘策はある?
とはいえ、人前での“おなら”はマナー違反とされることも多い日本では、いつでもどこでも放屁とはいかないですよね。せめて音を出さずに……なんて考えるのでは?
音の有無はガスの量やおしりの穴の閉まり具合が関係しています。極力音を出さないようにするなら、できるだけリラックスした状態で、おしりの緊張状態を開放してあげることがポイント。余裕があれば風下にいくなどの配慮も大切ですね。
“おなら”を笑いのタネにして、楽しい登山を!
「登山中って本当よく“おなら”が出るよね~」なんて言いながら、我慢せずに登れる環境、登れる仲間だと心強いですよね。思いがけず発射してしまったら、「医学用語で何て言うか知ってる?」とドヤ顔で聞いてみてはいかがでしょう。「ヘイフ1!」「ヘイフ2!」なんてゲーム感覚で数えてみても面白いかもしれません。“おなら”を笑いに変えて、登山をさらに楽しんじゃいましょう!
監修/総合診療医・林 幹浩氏
▼気になる疑問を解決!