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山に行くと“おなら”が頻発! 登山あるあるのワケを医師に聞いてみた!(2ページ目)

その名も、医学用語で「HAFE(ヘイフ)」

医学雑誌

出典:PIXTA

高所で“おなら”が増えることは昔から経験的に認知されており、アメリカでは“Rocky Mountain barking spiders”と言われています。

高山病はMild Headache(軽い頭痛)から重篤なHigh Altitude Cerebral Oedema (HACE)[高所脳浮腫]、High Altitude Pulmonary Oedema (HAPE)[高所肺水腫]といったものが知られていて、医学的にも研究されています。

そして1981年、テンプル大学のアウエルバッハ博士とコロラド大学のミラー博士は[高所で放屁が増えること]をHigh Altitude Flatus Expulsion(HAFE)と名付けました。

標高1,500m程の上昇で、“おなら”の回数が2倍以上!

2013年、オーストラリアのマンスフィールドメディカルクリニックの医師であるグラハム・スレーニーたちが発表した論文に、おもしろい実験の数値が載っています。

スレーニーらは中程度の高度の山でもHAFEは増えるのではないかと考え、2012年7月、高度が上がったときにどのくらい“おなら”が増えるかを調べました。その結果、マンスフィールドからブラー山まで1,500m上がるだけで、“おなら”の回数が2.3倍になるというデータを発表しています。

ちょっとでも“おなら”を減らすなら?

ガスがたまりやすい食べ物

出典:いらすとや(編集:YAMA HACK編集部)

標高が上がると“おなら”の回数が2倍以上に増えるとは驚きですよね。登山者が多い場所で急に音が出てしまったらと思うと、ちょっと気がかりなのではないでしょうか。食事で気をつけることとして、以下の3つを覚えておくと良いかもしれません。

①イモ類、キノコ類など食物繊維の多い食品はガスがたまりやすい
②肉類などのたんぱく質、ネギ類など硫黄分の多い食品は匂いのするガスを増やす
➂早食いや炭酸飲料の飲みすぎはガスの発生に関係していると言われ

“おなら”が何によって影響されるかというと、運動量よりも食べ物とされています。「ダイエットを始めたらおならが増えた」という話を聞いたことはありませんか? ダイエット中は、タンパク質や食物繊維など、ガスが溜まりやすい食べ物が中心の食事になることが多いからなんです。

おならをする人

出典:いらすとや

また、ガスが溜まった状態は、便秘の一つの症状でもあります。排泄が上手くいけば、基本的には便とおならが一緒に出るもの。お腹が張りやすい人は、十分に水分を摂取し、お通じを良くすることも心掛けましょう。

一番大事なのは、“おなら”を我慢しないこと!

おならを我慢しない

出典:PIXTA

暑いと汗が出やすいのと同じように、山で“おなら”が頻発するのは生理現象。問題があるとすれば、体の中に不要なガスを溜めたままにすることです。“おなら”をしたくなったら、我慢しないことが肝心ですよ。

音を出さずに“おなら”をする秘策はある?

リラックスした登山者

出典:PIXTA

とはいえ、人前での“おなら”はマナー違反とされることも多い日本では、いつでもどこでも放屁とはいかないですよね。せめて音を出さずに……なんて考えるのでは?

音の有無はガスの量やおしりの穴の閉まり具合が関係しています。極力音を出さないようにするなら、できるだけリラックスした状態で、おしりの緊張状態を開放してあげることがポイント。余裕があれば風下にいくなどの配慮も大切ですね。

“おなら”を笑いのタネにして、楽しい登山を!

登山中におならをする男性と臭がる女性

撮影:YAMA HACK編集部

「登山中って本当よく“おなら”が出るよね~」なんて言いながら、我慢せずに登れる環境、登れる仲間だと心強いですよね。思いがけず発射してしまったら、「医学用語で何て言うか知ってる?」とドヤ顔で聞いてみてはいかがでしょう。「ヘイフ1!」「ヘイフ2!」なんてゲーム感覚で数えてみても面白いかもしれません。“おなら”を笑いに変えて、登山をさらに楽しんじゃいましょう!

監修/総合診療医・林 幹浩氏

林先生

撮影:YAMA HACK編集部

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