3コマ漫画 「登山あるある~お・な・ら~」
登山に行くとなんだかよく“おなら”が出ると感じたことはありませんか? 仲間と話していると、「俺も!」「私も!」という声が上がってきます。山で“おなら”が頻発するのには理由があるのか、はたまた偶然なのか気になるところ。そこで今回は『登山とおならの関係』を医師に訪ねてみました。
山では回数が●倍に増える!? “おなら”の不思議を医師が解説
どうして“おなら”は出るの?
体内には、口から入ったガス(空気)と腸内で発生したガスが常に溜まっています。このガスを体外に排出するのが“おなら”です。
“おなら”には2種類あるのを知っていますか? 1つは、大腸の前半で善玉菌が炭水化物を分解するときにできる『発酵型』。もう1つは、大腸の後半で悪玉菌がタンパク質を分解するときに生じる『腐敗型』です。強烈な臭いを放つのは後者の方。臭い・臭くないの差は、ガスの発生要因によるということです。
登山中は“おなら”がいつもより出るのは気のせい?
「山に行くとなんだか頻繁におならが出るな~」「登山中はお腹が張るな~」という感覚は気のせいではないんです。大きく以下の2つの要因が重なり、ガスが溜まりやすくなっていることが考えられます。
【1】低圧による腸内の膨張
低圧ではあらゆる気体が膨張。標高が高く気圧の低い山では、腸内のガスも同様に膨らんでしまいます。お腹に張りを感じるのはこのため。
【2】登山中のストレスによる消化系活動の機能低下
腸は常に開いたり閉じたりと動くことで食べ物を流し、消化活動をしています。しかし、“Fight or Flight”といわれるのですが、戦うか逃げるかのような状況では交感神経が働き、状況判断にエネルギーを集中。消化活動が抑制されるんです。登山では少なからず緊張状態になっていることがありますよね? そんなときは、消化系の活動機能が低下していることも。逆に、危機を逃れてリラックスすると、副交感神経が優位となり腸の働きが活発になります。
医学雑誌に載った“山とおなら”の研究がある!
高山病の症状では肺水腫など命の危険に関わることばかり研究されてきたので、命には関わらない“おなら”の研究はあまりされていないのが事実。しかし、医学雑誌に載った研究で、山とおならにまつわる症状にもきちんと名前がついているんです。