青森県最高峰から眺める秋の絨毯!岩木山の紅葉の見頃は?
美しい独立峰の山容から「津軽富士」とも称され、日本百名山の一つに数えられる岩木山。標高は1,625mと青森県で最も高く、青森県の西部、弘前から鰺ヶ沢に位置しています。山岳信仰の山でもあり、旧暦8月1日には「お山参詣」と呼ばれる大きな農作祈願祭が執り行われます。
青森県の最高峰から眼下の紅葉を
青森県最高峰の岩木山、山頂からは360度のパノラマが楽しめます。眼下に広がる樹林帯の木々が紅葉した景色は圧巻で、まるで紅葉の絨毯を広げたかのよう。八合目以降はコース中からの展望もよく、景色を楽しみながら山頂へと向かえます。
体力や日程に合わせてコースが選べる!
1,600mの山を登ることに自身があまりないという人も大丈夫ですよ!麓の登山口から登るコース以外に、八合目まで車でアクセスして登る、八合目からリフトを使って九合目付近から登るなど、自分の体力や日程に合わせてコースを選ぶことができるんです。この記事では一番紅葉が楽しめる、麓からの登山コースを紹介します。
2022年の見頃はいつ?
紅葉の始まりは例年9月の半ば頃から。山頂付近から色付き始め、順に麓へと下っていきます。
紅葉の始まり:9月中旬頃
紅葉の見頃:10月中旬頃
紅葉する樹木:ブナ、モミジ、ナラ、カラマツ、オオヤマザクラ、ダケカンバ、ナナカマド など
10月も後半に入ると、標高の高い地点では初雪が見られ、薄く積もっているのを見かけることもあるでしょう。
たっぷり紅葉を楽しめる登山コース【一番人気】
岩木山はスカイラインが八合目まで通じており、車で向かって八合目からスタートするなら山頂までは1時間10分ほど。八合目から九合目付近までリフトもあるので、それも使えばさらに時間を短縮できますが、紅葉を楽しむなら麓の「嶽温泉前」から登るのがおすすめ!往復で5時間ほどのコースです。体力やレベルに合わせて、自分に合った計画を立ててみてくださいね。
一番人気、「嶽コース」で紅葉を満喫!
最高点の標高: 1573 m
最低点の標高: 453 m
累積標高(上り): 1598 m
累積標高(下り): -1598 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:5時間25分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
嶽温泉前(120分)→岩木山八合目(40分)→鳳鳴ヒュッテ(30分)→岩木山山頂(20分)→鳳鳴ヒュッテ(25分)→岩木山八合目(90分)→嶽温泉前
嶽温泉街の奥にある稲荷神社の鳥居が登山口。駐車場のすぐ脇にあり、バス停からも数10m程度です。
スタートしてから八合目辺りまではひたすら樹林帯を登っていきます。眺望はありませんが、美しいブナ林が広がっています。
紅葉で色付くブナ林の中を登っていくことになるため、単調になりがちな樹林帯も気持ちよく登っていけますよ。標高によって色づき度合いが変わる様子を見ることもできるでしょう。
登山口からおよそ2時間、スカイラインの終点で駐車場のある八合目辺りまで登ると展望が開けます。天気が良ければ陸奥湾まで見渡せる展望の良さ。
スカイラインの終点となる八合目には駐車場があり、車で八合目までアクセスする人はここがスタート地点に。さらにリフト乗り場もあり、リフトを利用すれば九合目・標高1,500m付近まで一気に登ることもできます。
八合目リフト乗り場の脇から再び登山道へ突入!八合目から九合目にかけては道の両脇に笹が生い茂る道を登っていきましょう。九合目からは岩が多い道へと変化していきますよ。
眼下を見下ろすと、山肌に広がる樹林帯が鮮やかに彩られている姿が目に飛び込んできます。紅葉とともに広大な平野部一帯、海岸線や日本海まで見渡せる
九合目には避難小屋の鳳鳴ヒュッテがあり、そこを通り過ぎれば最後の踏ん張りどころ、岩場の急登です。距離にしておよそ300mほど、標高差は100m以上。
山頂には岩木山神社奥宮である小さな祠が鎮座。なお、神社の社殿は嶽温泉コースの東にある百沢コースの麓にあり、国の重要文化財にも指定されています。日程が許せば訪れてみても良いですね。
山頂からは360度の大パノラマが楽しめますよ!登ってきた山腹に広がる美しい紅葉の絨毯や、遠くは日本海、東に目を向ければ青森の名峰、八甲田山の姿も望めます。
下山は往路を引き返します。スタートから山頂直下の岩場の斜面を下っていくので、足元には十分注意しましょう。
岩木山には他にも登山道がたくさん
岩木山には四方から登山道が延びており、登山レベルや日程に合わせてコースを組み合わせることができます。岩木山神社からスタートし、ミチノクコザクラなどの高山植物を数多く目にできる百沢コースや、難易度が高く歩き応え抜群の弥生コースなど、バリエーションが豊富。
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秋だけのドライブや観光も見逃せない!
岩木山周辺には、登山以外にも楽しめる魅力的なスポットがたくさん。ここでは、秋ならではのおすすめ観光スポットを紹介します。
津軽岩木スカイラインを絶景ドライブ!
津軽岩木スカイラインは、麓から岩木山八合目までを結ぶ全長9.8kmの有料道路です。ドライブしながら紅葉を楽しめるため、シーズン時は多くの観光客で賑わいます。公式HPで、現在の紅葉の色づきや夕日の時間を確認することができるので、ぜひチェックしてみてください。
青森と言ったらやっぱり「りんご」
青森の名産と言えばやっぱりりんご。岩木山の麓はりんごの名産地で、すぐ近くにりんご狩りが楽しめる「岩木山観光りんご園」があります。約40もの品種が育てられており、糖度も高いのが特徴。指定木は食べ放題で時間はなんと無制限!紅葉狩りのあとはりんご狩りで、青森の秋を満喫してみては?
紅葉登山の服装・持ち物は?
楽しい紅葉登山にするために、事前の準備はしっかりと!ここでは、秋の登山の服装、持ち物の注意点について解説します。
脱ぎ着で調節しやすい服装を!
紅葉の見頃を迎える9月から10月にかけては、岩木山の上では最高気温が7~12℃ほど。
登山では、歩いているときは暑くても止まると寒く感じます。必ず脱ぎ着して温度調節できる服装で臨みましょう。汗が乾かず冷えてしまうと低体温症の原因にもなるため、速乾性のある素材を選ぶよう意識してください。
車で八合目までアクセスできリフトもあるので「軽装でも大丈夫」と思いがちですが、快適に登山するためにもしっかりした準備を。
シューズについては、登山道を登る人はもちろん登山靴が必須。山頂周辺は岩の多い道のため、リフトを使う人でも山頂まで登る場合は登山靴を履きましょう。
▼登山の服装について調べる
雨対策やおやつ、飲み物も忘れずに
山の上では、晴れの予報が出ていたとしても急に雨が降ることはよくあります。レインウェアは必須で持っていきましょう。また、往復で10km歩くため、歩きながら食べられる行動食や飲み物も準備が必要です。カバンについては、両手が空くようにリュックを使いましょう。
▼登山の持ち物を調べる
登山口へのアクセス・駐車場情報
ここでは、岩木山の登山口である嶽温泉へのアクセス方法を紹介します。JR弘前駅前の弘前バスターミナルから嶽温泉へバスが出ているので、公共交通機関でもアクセスが可能です。
嶽登山口へのアクセス
【車の場合】
東北自動車道 大鰐・弘前ICから約30kmで嶽温泉へ
【公共交通機関の場合】
JR盛岡駅-高速バス(ヨーデル号)で弘前バスターミナルへ
JR新青森駅-特急つがる-弘前駅へ
弘前バスターミナルから路線バスで(弘前駅経由)嶽温泉へ
この秋は岩木山の紅葉を見に行こう!
岩木山の紅葉は、紅葉した木々の中を歩くときはもちろん、上から見下ろすときも最高です!まるで色鮮やかな絨毯を広げたかのように、紅葉した木々が裾野へと広がっており、まさに絶景と呼ぶにふさわしい景色が見渡せます。自分の登山レベルや日程に合わせて登り方を柔軟に選べることも魅力で、計画も立てやすいですよ。岩木山を訪れ、是非その圧巻の美しさを誇る岩木山の紅葉を楽しんでください!
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。