そもそも温帯低気圧とは?
春と秋に多い低気圧の一種で、3-4日の周期で日本列島を通過します。前線をともなうため広い範囲に雨を降らせ、発達していくと非常に強い風が吹くことが特徴です。
温帯低気圧による、「雨」と「風」が危険!
「雨による濡れ」と「風による冷え」に気をつけましょう。風速1mの風で体感温度が約1度下がると言われています。雨に濡れて強い風にあたると体温が奪われ、低体温症につながる可能性も。
さらに、秋の温帯低気圧は「西高東低」といわれる、強い風雨や雪をもたらす気圧配置につながることもあるため、装備に不備がないか事前に確認をしておきましょう。
実際に温帯低気圧の天候で遭難した人も
2016年10月7日、北アルプスの白馬岳で、登山中のツアー登山パーティー7人のうち女性4人が、暴風雪により凍死するという遭難事故がありました。
この時、台風が温帯低気圧へと変わりましたが、勢力は収まるどころかむしろ増大し、荒れた天気になりやすい「西高東低」の気圧配置になったのです。
事故が起きた7日午前中には雨が雪に変わり、午後には暴風雪が。行動中に雨に打たれ、暴風雪が荒れ狂う稜線上にさらされ体力を消耗した登山者は、低体温症になって亡くなってしまいました。
「台風」と聞けば危険だと感じる人は多いですが、「温帯低気圧」と聞いてもどんなことが起きるのか、ピンとこない人も多いのではないでしょうか。今回の例のように、台風が温帯低気圧に変わったからといっても、必ずしも勢力が弱くなることを意味するものではないので、油断は禁物です。
秋の山では低体温症に要注意!
上記の例でもあったように、予期せぬ天気の乱れが体温を奪い、低体温症につながる場合があります。
それでは、低体温症の原因や症状について、みていきましょう。