その登山の「疲れ」、気合でなんとかなる!?
「今年は富士山に登ろう!」「ちょっと標高の高い山へ挑戦してみようかな…」そんな目標をたてる方も毎年少なくありませんよね。いきなり挑戦する前に、高い山へ体を慣らす練習をする必要があります。しかし、今まで日帰りで1000m程の山しか登ったことがなければ、きっとこれまでに感じたことのない疲れを感じることになるはず。
疲れと聞くと精神的なものだから根性で何とかなる、というように考える方もいるかもしれません。しかしそうした考えは思わぬ病気や怪我の原因にもなりかねません。しっかりと疲労の原因について理解し、対策をしておく必要があります。
そこで今回は、「これから色々な山に登ってみたい」「もっと高い山に挑戦したい」という方に向けて、登山中に生じる疲労の種類とその原因、対処法について紹介していきます。
①頭がボーッとする
山を登っていると、標高が上がるにつれて
・あくびがよく出る
・頭がボーッとする
・頭が冴えない
という経験はないでしょうか。頭が働かずにボーッとしたまま歩いてこけてしまった、なんて経験をした方もいるかと思います。場所によってはその1歩の踏み外しがあわや一大事に。こんな状態のまま登山を続けるのは危険ですよね。
どうしてボーッとなるの?
登山では、標高が高くなるにつれて酸素の濃度が低くなっていきます。それに伴って体内へ酸素を取り入れる能力も低下していき、体の臓器の中でもっとも酸素を使う脳の働きが鈍くなっていくのです。つまり、酸素濃度が薄くなるにつれて頭が働かなくなっていきます。
特に標高3000mを超えたあたりからは、地上では呼吸不全とみなされるほどに血液に含まれる酸素が減少してしまいます。
対策:酸素の薄い環境に慣れよう!
対策は、とにかく高所の環境に慣れること。まずは少し低い山から登りましょう。そうすることで酸素の薄い環境に少しずつ順応できるようになります。体が慣れてきたら徐々に高い山に挑戦するようにしましょう。
また、高所では少しペースを落とすこと。きつく感じない程度でゆっくりと登りましょう。急いで登ると運動強度が上がり、筋肉が酸素を多く消費してしまい頭に酸素が回らなくなります。