にゅうってどんな山?名前の由来は?
標高 | 山頂所在地 | 山系 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
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2352m | 長野県南佐久郡 | 八ヶ岳 | 16.5℃ | 8℃ |
にゅうは、山梨県と長野県にまたがる八ヶ岳連峰の北側にある標高2352mの山。山頂付近は岩峰で、大パノラマが広がります。「白駒池」や「天狗岳」も近く、日帰りや1泊で北八ヶ岳を満喫する登山コースが人気。
名前の由来は?
にゅうという変わった山名の由来は、刈り取った稲を円錐形に積み上げる「にう」を語源とする説や、遠くから見た山の姿が「乳」に似ているなど諸説。表記も「にゅう」「ニュウ」「にう」などさまざまです。
富士山も見える大展望!
にゅう山頂からの眺めは抜群で、360度の大パノラマ。天狗岳や硫黄岳をはじめ、北八ヶ岳では珍しく遠方には富士山も望むことも。眼下の森の中には、標高2100m以上の湖としては日本最大の天然湖、白駒池がふわりと浮びます。
紅葉の時期が一番人気!
紅葉の名所として有名な白駒池。絶景をひと目見ようと紅葉の時期には多くの人が訪れます。白駒池と合わせて登る人が多いにゅうも、紅葉のシーズンが1番人気。また北八ヶ岳は幻想的な「苔の森」としても有名で、夏に訪れても美しい苔の絨毯を楽しむことができます。
にゅうの天気
にゅうに行く前に現地の天気をこちらでCHECK!
難易度★★ 白駒池~にゅう登山コース(日帰り)
白駒池から最短でにゅうを目指す、1番スタンダードなコースです。体力的に自信がない方や登山初級者でも楽しめます。
①白駒池~にゅう
最高点の標高: 2319 m
最低点の標高: 2097 m
累積標高(上り): 454 m
累積標高(下り): -445 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:3時間12分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
白駒池入口(15分)→白駒池(5分)→白駒荘(90分)→にゅう(60分)→白駒荘(5分)→白駒池(10分)→白駒池入口
白駒池入口からは、歩きやすい整備された遊歩道が続きます。500種類近くもの美しい苔が自生する原生林の中を進んでいくと、ほどなく白駒池や白駒荘に到着。ここまでは一般の観光客の方も多く訪れるのでにぎやかです。
白駒荘の前を通って白駒湿原に向かいます。湿原を抜けると針葉樹林帯に入りますが、登山道には木の根が這い岩も多いので、滑らないよう気をつけて歩きましょう。樹林帯を抜けると傾斜のある岩峰を登ってにゅう山頂へ。
山頂は、天狗岳や硫黄岳はもちろん天気が良ければ遠くに富士山や浅間山、北アルプス、奥秩父などの有名な山々を一望できる最高のロケーション。そして森の中には青く澄んだ白駒池の神秘的な姿を望めます。
山頂からの帰路は登ってきたルートを戻ります。時間に余裕がある場合は、ぜひ白駒池を一周してみましょう。40分ほどで周遊できるので、苔の世界を堪能しつつ木々や空が池に映り込む絶景を楽しんでみてはいかがでしょうか。
難易度★★ 白駒池~にゅう~中山~高見石登山コース (日帰り)
少し足を伸ばして、にゅうから中山山頂を目指し、高見石を周遊するコースをご紹介します。時間と体力に余裕がある方はこちらのコースもいかがでしょう。
②白駒池~にゅう~中山~高見石
最高点の標高: 2485 m
最低点の標高: 2097 m
累積標高(上り): 688 m
累積標高(下り): -679 m
- 【体力レベル】★★☆☆☆
- 日帰り
- コースタイム:4時間27分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
白駒池入口(15分)→白駒池(5分)→白駒荘(90分)→にゅう(65分)→中山(60分)→高見石小屋(25分)→白駒荘(5分)→白駒池(10分)→白駒池入口
白駒池からにゅうまでは①のコースと同様。にゅうからは分岐を中山方面に進み、樹林帯の稜線をアップダウンしながら中山山頂(標高2496m)を目指します。山頂から5分の「中山展望台」は見晴らしが抜群。天狗岳や南アルプス、蓼科山などの山々を満喫しましょう。
中山山頂からは、ゆるやかな岩の登山道をひたすら下ります。森が深く、岩や丸太などが湿って滑りやすいところもあるので、足元に十分注意してください。樹林帯の中を1時間ほど下ると高見石小屋が見えてきます。
高見石小屋の裏には、巨大な岩が積み重なった「高見石」があり、白駒池も望める人気のビュースポット。高見石小屋から白駒荘までは、引き続きうっそうとした樹林帯の登山道です。白駒荘からは登りで利用したルートを通り、ゴールの白駒池入口へと戻ります。
白駒~にゅう~天狗岳縦走コース(1泊2日)
白駒池からにゅう、天狗岳(2646m)までを縦走する見どころ豊富なコースをご紹介します。健脚の人なら日帰りも可能ですが、初心者やゆっくりと山を満喫したい方は、1泊2日で登ることをおすすめします。
③白駒池~にゅう~天狗岳
最高点の標高: 2587 m
最低点の標高: 2097 m
累積標高(上り): 1219 m
累積標高(下り): -1210 m
- 【体力レベル】★★★☆☆
- 1泊2日
- コースタイム:8時間45分
- 【技術的難易度】★★☆☆☆
- ・登山装備が必要
・登山経験、地図読み能力があることが望ましい
【1日目】
白駒池入口(15分)→白駒池(5分)→白駒荘(90分)→にゅう(65分)→中山峠(80分)→東天狗(20分)→西天狗(20分)→東天狗(60分)→黒百合平
白駒池入口から中山手前の分岐までは②のコースと同じくにゅうの山頂を目指し、分岐からは見晴らし台を通り中山峠方面に進みます。
登山道は中山峠から大きな岩が多くなり、傾斜もきつくなっていきます。天狗の鼻あたりからは本格的な岩の道に。天狗の鼻を右に巻いて進むと東天狗の山頂があらわれます。山頂は赤岳や蓼科山、南アルプスなどの山々が望める大パノラマ。
天狗岳は双耳峰で、東天狗から西天狗までは気持ちの良い稜線歩きです。西天狗の頂上から見る硫黄岳の爆裂火口の姿は迫力満点。帰路はコルを登り返して東天狗へと戻ります。
東天狗からはガレ場が続き「天狗の奥庭」を下ります。大きな岩がゴロゴロして歩きづらく、時に風がかなり強いこともあるので、気をつけて下山しましょう。スリバチ池を通り過ぎたら、1日目に泊まる黒百合ヒュッテはもう少し。
【2日目】
黒百合平(5分)→中山峠(35分)→中山(60分)→高見石小屋(25分)→白駒荘(5分)→白駒池(10分)→白駒池入口
黒百合ヒュッテのテン場を抜け、整備された木道を通って中山峠まで下ります。中山峠からは1日目のルートを下り、②のコース同様に中山から高見石小屋を経由して白駒池入口でゴールです。
北八ヶ岳をゆったり堪能できる山小屋・テント場
北八ヶ岳を訪れる際に利用できる山小屋をご紹介します。どの山小屋もそれぞれ個性があり魅力的で、山はもちろん山小屋で過ごす時間もきっと良い思い出になることでしょう。
白駒池周辺の山小屋
白駒荘
大正11年創業の白駒荘は、白駒池の湖畔に建つロケーション抜群の山小屋。部屋や食事処からは白駒池を眺められ、自家製の野菜を使った食事やほおずきソフトも人気。ボートも借りられますので、白駒池を満喫してみてはいかがでしょうか。
所在地:〒384-1102 長野県南佐久郡小海町
電話番号:090-1549-0605(小屋直通衛星電話)
営業期間:通年営業(要予約)
収容人数:200人(個室あり)
料金 | |
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1泊2食(相部屋) | 8,500円~ |
1泊2食(個室) | 8,500円~ |
青苔荘
登山道から15分でアクセスできる青苔荘は、冬以外は入浴も可能で山小屋としては珍しく水洗トイレ。夕食は地元産の山菜天ぷらや岩魚の塩焼きが楽しめます。 「日本の貴重な苔の森」にある青苔荘では、 苔のイベントもたくさん企画していますのでぜひ参加してみては。
所在地:〒384-0704 長野県南佐久郡佐久穂町大字八郡白駒池畔
電話番号:090-1423-2725(小屋直通衛星電話)
営業期間:通年営業(要予約)
収容人数:200人(個室あり)
テント設営数:60張
料金 | |
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1泊2食 | 8,000~9,000円 |
素泊まり | 5,000~5,500円 |
テント | 650円 |
※部屋タイプによって料金が異なります。
高見石小屋(②のコースで利用可)
高見石小屋は、原生林に囲まれた標高2300mにあり、小屋の裏にある高見石からは絶景が望めます。スノーシューやスキーのレンタルも可能で、夜には350ミリの天体望遠鏡で満点の星を観察できるのも魅力的。名物のあげパンもぜひお試しあれ。
所在地:〒384-1102 長野県南佐久郡小海町
電話番号:0467-87-0549
営業期間:通年営業
収容人数:100人(個室あり)
テント設営数:10張
料金 | |
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1泊2食 | 8,500円 |
素泊まり | 5,000円 |
お弁当 | 900円 |
テント | 550円/人 |
黒百合ヒュッテ(③のコースで宿泊)
黒百合ヒュッテは、標高2400mにある懐かしい感じが落ち着く人気の山小屋。オシャレなカフェメニューが充実しており、オリジナル手ぬぐいなどのグッズも大人気。定期的にミニコンサートも開催され、6月ごろには黒百合平に黒百合が咲き誇ります。
所在地:〒391-0013 長野県茅野市宮川8065-1
電話番号:090-2533-0620(小屋直通)
営業期間:通年営業
収容人数:150人(個室あり)
テント設営数:50張
料金 | |
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1泊2食 | 8,500円 |
素泊まり | 5,500円 |
登山口へのアクセス・駐車場情報
登山口となる白駒池入口への各種交通アクセスと、駐車場の情報です。登山の際に参考にしてください。
白駒池入り口へのアクセス
【車の場合】
・中央自動車道 須玉IC-国道141号-国道299号(メルヘン街道)-白駒池駐車場-麦草峠(須玉ICから約1時間15分)
・中央自動車道 諏訪IC-ビーナスライン-国道299号(メルヘン街道)-麦草峠-白駒池駐車場(諏訪ICより約1時間)
・上信越自動車道 佐久IC-国道141号-国道299号(メルヘン街道)-白駒池駐車場-麦草峠(諏訪ICより約1時間)
<駐車場>
・白駒池駐車場
駐車可能台数:150台(大型バス駐車可)
料金:600円(普通車)
トイレ:あり(有料)
・麦草峠駐車場
駐車可能台数:30台
料金:無料
トイレ:あり
※ハイシーズンは朝の時点で満車になることもあります。また、混雑緩和のため交通規制がかかる場合もありますのでご了承ください。
【電車・バスの場合】
・東京駅から北陸新幹線 佐久平駅にて下車-千曲バス白駒線 白駒の池・麦草峠方面行乗車-白駒池入口または麦草峠下車(佐久平駅より約1時間50分)
・新宿駅からJR中央線 小淵沢駅にてJR小海線に乗り換えー八千穂駅にて下車-千曲バス白駒線 白駒の池・麦草峠方面行乗車-白駒池入口または麦草峠下車(八千穂駅より約1時間10分)
・新宿駅からJR中央線 茅野駅にて下車-アルピコ交通バス麦草峠線乗車-麦草峠または白駒の池下車(茅野駅から約1時間20分)
北八ヶ岳の山は苔の森や白駒池も一緒に満喫できます!
にゅうをはじめ、中山、天狗岳の縦走をご紹介しました。北八ヶ岳は原生林の大自然を楽しみながら、眺望も堪能できる魅力的な山がたくさん。しかも登山しながら貴重な苔の森や、白駒池を満喫できる美しい環境も嬉しいですね。ぜひ、あなたのお好きな季節に訪れてみてはいかがでしょうか。
【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。