ちょっとでも荷物を少なく、そして軽くできないものか…
登山でのあなたの荷物はどのくらいの重さですか? 山ごはんを楽しむための道具や食料、雨具やエマージェンシーキッドといった必携アイテムなど、どうしても荷物が増えてしまいがちではないでしょうか。テント泊の時なんかは尚更ですよね! 必然的に重量も増えてしまいます。一方で、ウルトラライトハイカーをはじめ、なんだかいつも荷物が少なく、軽快に登山をしている人もいたりしませんか? いったい何が違うのでしょうか。
実は、軽量装備の人たちが、こぞってやっていることがあるんです。それは、1つの道具を2つの用途に使うこと。今回は、そんな1つ2役で活躍するハイスペックなアイテムをご紹介します。あなたの荷物をも少なく、そして軽くなるかも!?
こんなにあったの!? 登山で使える一石二鳥アイテム
「1つで2役をこなす、そんな好都合の登山道具なんてあるの!?」と思っていませんか? 実は結構あるから驚きなんです。YAMA HACKが精選した一石二鳥アイテムを見ていきましょう。
スタッフサック⇔バックパック
スタッフサックとは、バックパック内で荷物を仕分けるための軽量なナイロンの袋です。防水性を備えているものが多く、雨の日に荷物が濡れるのを防ぐ役割も。大小さまざまなサイズがあるので、収納するアイテムの種類によって複数使い分けるのが一般的です。
こちらのグラナイトギアの大型スタッフサックは、25リットルの容量があり、寝袋やテントなど大きめの道具を収納するのに適しています。最大の特徴はショルダーストラップを備えており、スタッフサック単体で背負うことができる点。これにより簡易バックパックとして、荷物を置いて頂上を往復するピークハントや、ライトなハイキングなどに活用することができます。ショルダーストラップは簡便なタイプなので、長時間背負ったり、重量物の収納には向いていません。
<GRANITE GEAR>スラッカーパッカードライザック
スタッフサック⇔枕
中型サイズのスタッフサックは、衣類や調理器具、各種装備品など使用用途に応じた仕分けが可能になるため、バックパックの中に複数あることもしばしばです。そのうちの1つをこんなタイプにしてみてはいかがでしょうか。それは…
グラナイトギアのドリームサックピローは、その名の通りスタッフサックと枕の機能を併せ持つ便利アイテムです。ポイントは形状と素材。やや細身の中型スタッフサックにダウンジャケットなどの衣類を収納すると、枕にするのにピッタリな形となります。また、片側がフリース素材になっているため、ナイロンと比べて肌触りが良く快適な眠りをサポート。このスタッフサックがあれば、エアピローなどの枕を別に用意する必要はありません。
<GRANITE GEAR>ドリームサックピロー
マット⇔ザックパット
マット(スリーピングマット)は、寝袋の下に敷いて、地面の凹凸や、冷気などを遮断する役割があり、テント泊の必需品ではあるものの、携行品の中でも一番かさ張るのが悩みの種です。多くの場合、バックパックの外側にストラップ等で装着するのが一般的です。
山と道のマットは、長さのバリエーションが豊富。マット自体の軽量性はもちろんのこと、自分の好みの長さにカットして持ち運ぶことも可能です。そのため、バックパックの中に丸めて収納することで、背面パット代わりにすることもできてしまいます。ウルトラライト系のバックパックには背面パッドがないことも多いので、まさに一石二鳥!
<OMM>デュオマット
こちらも背面パッド兼用のスリーピングマットです。独自素材のフォームは、冷気をしっかりと遮断するのはもちろん、耐久性にも優れています。別売りのベルクロテープで2枚組み合わせ、長尺にすることも可能です。
まだまだ序の口、さらに画期的な一石二鳥アイテムが!
ヘッドライトケース⇔ランタン
従来のハロゲンタイプのものからLEDタイプが主流になり、圧倒的に小型化したのがヘッドライト。日帰り登山でも必ず携行したいアイテムです。またランタンは、スポット照射のヘッドライトに対し、周囲を広く照らすので、登山ではテント泊でのテント内照明として使われます。
前述の通りヘッドライトとランタンの役割は異なっており、テント泊の際には2つとも携行するといった人がほとんど。ペツルのこのヘッドライトケースは、なんと、ヘッドライトを点灯した状態で収納するとランタンのように周囲を照らしてくれます。まさに1つで2役、UL系などウェイト・コンシャスなハイカーに重宝されている便利なアイテムです。予備電池を入れるスペースもあり!
<PETZL>ノクティライト
ボトル⇔クッカー
飲用や調理用の水を入れる水筒やボトルは、ステンレスやホーロー、樹脂などの様々の素材の製品が数多くあります。お湯を沸かす際には、ボトルからクッカーに水を移して、コンロなどの火にかけるのが一般的です。
金属製でも二重構造になっていたり、コーティングなどが施されたタイプのボトルは、直接本体を火にかけることはできません。しかし、マキシのボトルクッカーは、ボトルのまま直接火にかけられるのが最大の特長。これ1つあればクッカーの携行が不要になります。またチタンを素材に採用しているいので、荷物の軽量化に大きく貢献してくれます。口が狭く細長いボトルならではの形状につき、本格的な調理は難しいかもしれません。
<MAXI>チタニウム・ウォーターボトル
ポンチョ⇔タープ
ポンチョとは、上半身を覆う一枚構造の雨具です。簡易的な雨具といった位置づけですが、畳むとコンパクトになることから、軽いハイキングやキャンプなどに携行する人も少なくありません。
タープ機能を持つポンチョなら、バックパックまで覆う大きめの雨具として役立つほか、トレッキングポールを使用することで、タープとして雨を防ぐ空間を作ることができます。ポンチョ、ザックカバー、タープと1つのアイテムで3役をもこなす優れものです。緊急時のビバークにも活躍するはず。
ただ、生地が薄かったりとあくまでも簡易的なものなので、山岳テントのようにはいきません。使用の際は足りない機能面を他のギアとの併用で補う工夫と知識が必要。登る山や泊まる場所、自身の登山レベルなどを踏まえて、安全性には十分配慮しなければなりません。
<Six Moon Designs>ゲイトウッドケープ
シックスムーンデザイン ゲイトウッドケープ
素材:30D シルナイロン
収納サイズ:25cm×15cm×7cm
<SEATOSUMMIT>ウルトラシルナノタープポンチョ
こちらもレインコート、ザックカバー、グラウンドシート、タープの4役をもこなす優秀アイテム。大型のザックにも対応したサイズですが、ドローコードで長さの調節ができるので、ザックを背負わないときにも着やすいデザインです。
レインスカート⇔マルチシート
レインスカートはラップスカートとも呼ばれ、腰から膝あたりにかけて、巻いて着用し雨を防いだり、防寒具としても役立ちます。キャンプや屋外イベント向けのものから、登山での使用を想定したもの、男性向けのものまで、色々な種類のラップスカートが販売されています。
ご紹介のレインスカートは防水素材を使用しており、雨具として着用できる他、広げた状態にすれば、濡れたところに座る際に下に敷いたり、荷物が濡れないようの上に掛けたりと、1つのアイテムで用途がさまざま。あえて登山で使うなら、手軽に着用できる特長を生かして、レインウェアを出すほどでもない弱い雨のときに、サッと出すのも良いかもしれません。
<SOMETHING>ウィズレインスカート
<AXESQUIN>ツユハラヒ
男女兼用のこちらは、レインスカートよりさらに動きやすく進化した簡易パンツモデル。ちょっとした雨を凌ぐだけでなく、足腰の防寒着としても頼りになります。

素材:ナイロン100%(ポリウレタンコーティング)[PERTEX SHIELD 15dnナイロン、2.5層]
サイズ:巾90cm、丈74cm
防水:耐水圧10,000mm、透湿量7,000g/㎡/day
一石二鳥ギアの効果はこんな所にも…
1つのアイテムで2つの使い方ができるアイテムが増えれば、携行品の点数が減り、軽量化に繋がることは繰り返し述べてきました。これは言い換えると余分な登山用具を買わないで済むということ。そう、1つ2役ギアはお財布にも優しいという嬉しい効果があるのです。荷物は軽くしたいけど財布は軽くしたくはない、そんな方はぜひ!