金山鉱泉~雁ヶ腹摺山
主なルート:金山鉱泉~金山峠~百間干場~雁ヶ腹摺山
都心からもアクセス良好な山梨県大月市の雁ヶ腹摺山。この山の頂上から展望する富士山は旧五百円札の富士山肖像画のモデルとなりました。
金山鉱泉からスタートするこのルートは、かつては主要な登山道したが、大峠から1時間程度で登れる登山道ができてからは、利用者はあまり多くないようです。しかし、登山口にある創業明治35年の金山温泉・山口館で下山後の汗を流すことを楽しみに訪れる登山客は少なくありません。
銀山平~皇海山
主なルート:銀山平~庚申山~鋸山11峰~皇海山
群馬県と栃木県の県境に位置する標高2,144mの皇海山(すかいさん)。皇海山をはじめ庚申山などの足尾山地の山々は、奈良~平安時代の僧・勝道の弟子によって開山され、山岳仏教の修行地になったと言われています。
栃木県側の庚申山から鋸山を経て皇海山へと至るコースは「三山駆け」と呼ばれ、そんな山岳信仰の修行の道。江戸時代には多くの修験者が、岩稜や痩せ尾根が続く難路を行き交っていました。
北鎌尾根
主なルート:上高地~槍沢大曲り~水俣乗越~北鎌沢出合~北鎌のコル~北鎌独標~北鎌平~槍ヶ岳
日本アルピニズム発祥の地・北アルプス南部のシンボル的存在が槍ヶ岳です。ピラミッドのような山頂からは多くの稜線が伸びています。その1つである北鎌尾根は、一般登山道ではなく非常に高い登攀能力が必要なバリエーションルート。非常に危険なルートでありながら、難関を攻略したい多くのアルピニストを惹きつけています。登山道という意味での本当のクラシックルートといえば、ずばり北鎌尾根でしょう。
小説「孤高の人」の主人公のモデルとして知られる戦前の登山家・加藤文太郎は、この北鎌尾根で猛烈な吹雪に襲われ30歳の生涯を閉じました。また、登山家・松波明も厳冬期の北鎌尾根にて仲間と共に遭難し、遺体が収容されています。
日本の長い登山史、その証がクラシックルート
雄大な景観や美しい草木、そして野生動物など、登山は自然を楽しむもので、文化的なものや人の営みからは距離を置いた行いと思いがちです。しかし登山そのもが長い歴史を持つ人の営みであり、クラシックルートはその証でもあります。知的好奇心を満たしながら汗を流すクラシックルートをあなたも楽しんでみてはいかがでしょうか。