『避難小屋』ってなに? 登山するなら知っておきたい利用方法・注意点とは?

登山道で目にする『避難小屋』。何のためにあるのだろうと思った人もいるのでは。その正体と使用方法をご存知ですか? 山小屋のさらに小さい小屋といった風貌ですが、山小屋とは何が違うのでしょうか。『避難小屋』とはいったい何か、そして登山時に利用する前に確認しておきたい5つのことを見ていきましょう。また、利用できる『避難小屋』を地域別で紹介しますので、山行計画を立てる際に、参考にしてみてください。


アイキャッチ画像出典:Wikimedia Commons/Σ64(摺鉢窪避難小屋)

 『避難小屋』は謎がいっぱい!

避難小屋 登山の途中で見かける『避難小屋』。開いていたり閉鎖されていたり、中に人がいたりいなかったり、「あれはいったい何なのだろう?」と思ったことがある人も少なくないのでは? 山小屋ともまた違う不思議な佇まい。今日は、そんな『避難小屋』についての疑問を解決しちゃいましょう!

『避難小屋』は、大きく分けて2種類ある!

避難小屋 避難小屋は、いったいどのような目的で存在するのでしょうか? まずは避難小屋について知ってから、使い方をみていきましょう。

避難小屋の室内 避難小屋は、悪天候やケガなどで本来の計画通りに随行できないなどの不測の事態から登山者を守るための施設です。多くは県や市町村が国や県の補助を受けて建設したもので、有志の寄付や市町村だけで建設されたものもあります。

避難小屋 避難小屋には、緊急時以外使用不可の避難小屋と、自由に使用できる避難小屋があります。地域によって使用条件はさまざまなので、事前の確認が必須!

■緊急時以外使用不可・・・ケガや体調不良、天災などの非常時や悪天候の際の一時避難などのみ使用できる
■自由に使用可・・・山域によっては、テントでの野営は自然にダメージを与えてしまうため、自然保護の観点で泊まれる避難小屋もある


『避難小屋』を利用する前に確認しておきたい5つのこと

避難小屋の室内 自由に利用できる避難小屋はどのようにして利用するのでしょうか? ここでは利用するにあたり知っておいてほしいことを5つご紹介します。

  【1】開設期間は?

避難小屋 通年開設の避難小屋と特定期間開設の避難小屋があります。開設期間は変更することもあるので、利用する前に確認するようにしましょう。

【2】予約は必要?

避難小屋
出典:PIXTA
自由に利用できて宿泊可能な避難小屋のほとんどが、予約なしで泊まることができます。ただし到着順のため、小さな避難小屋の場合は入りきれない事態も起こりえます。ツェルトやテントを持って行く方が無難ではないでしょうか。

【3】利用料はかかる?

避難小屋利用料 避難小屋の多くは無料で利用することができます。一部では、協力金として500円~2000円が必要な避難小屋もあります。避難小屋を維持するためのお金ですので協力しましょう。

【4】水場やトイレはある?

避難小屋のトイレ 水場・トイレの有り無しは様々です。水場がある避難小屋でも時期によっては枯れていたり、数百メートル離れた場所の場合もあります。トイレはあっても紙は持ち帰りが基本で、チップが必要なところも。トイレがない場合は携帯トイレを持って行きましょう。

【5】必要な装備は?

避難小屋泊に必要な装備
撮影:nao
避難小屋は簡易的な小屋のため、基本的には何も置いてありません。テント泊同様に、シュラフやマット、コッヘル、バーナーなど、寝るための装備と食事用の装備が必要です。夏季のみ開設している南アルプスの中岳避難小屋や赤岳避難小屋は、有料で寝具を用意していますが、そういった避難小屋はごくわずかです。

【6】押さえておくべきマナーは?

避難小屋の室内 収容人数が10名程度の小さい避難小屋が多く、他の登山者との共同利用になります。予約不要で到着順ではありますが、場所の譲り合い、荷物の整理整頓、使用後の掃除・片付けなど、みんなが気持ち良く利用できるよう他の利用者に配慮し、きれいに利用することが大切です。

【5】管理人はいる?

避難小屋の管理人 基本的には管理人はおらず無人ですが、夏のハイシーズンだけ管理人がいたり、南アルプスの静岡県営の避難小屋では、飲料を販売するなど山小屋のような営業をしている避難小屋もあります。いずれにせよ、利用する場合は管理事務所・連絡先・避難小屋の利用条件を事前に確認しておきましょう。

【地域別】泊まれる避難小屋はどこ?

登山者
出典:PIXTA
地域別に宿泊できる避難小屋を一部ご紹介します。利用条件は変わることもあるので、詳細は各お問い合わせ先に確認してください。

[丹沢]

菰釣避難小屋
出典:Wikimedia Commons/Σ64(菰釣避難小屋)
丹沢にはある避難小屋は、ほとんどのところが通年・無料・予約なしで泊まることができます。

・黍殻避難小屋(通年開設)
・犬越路避難小屋(通年開設)
・畦ヶ丸避難小屋(通年開設)
・一軒屋避難小屋(通年開設)
・菰釣避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|神奈川県自然環境保全センター

 [奥多摩]

奥多摩の避難小屋
出典:PIXTA
奥多摩にある避難小屋は、通年・無料・予約なしですが、緊急時以外は使用不可となっています。

 [奥秩父]

奥秩父の避難小屋
出典:PIXTA(笹平避難小屋)
奥秩父にある避難小屋は、通年・無料・予約なしですが、緊急時以外は使用不可となっています。

 [北アルプス]

北アルプスの避難小屋
出典:PIXTA(不帰岳避難小屋)
北アルプスにある避難小屋は、一部を除いてほとんどが夏季のみの開設となっています。

・不帰岳避難小屋(開設期間あり)
・餓鬼山避難小屋(開設期間あり)

問い合わせ先|黒部市商工観光課

・滝谷避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|岐阜県環境生活部環境企画課

[中央アルプス]

空木平避難小屋
出典:Wikimedia Commons/Σ64(空木平避難小屋)
中央アルプスにある避難小屋は、多くが通年開設となっています。一部は協力金を任意でお願いしています。

・檜尾避難小屋(通年開設)
・空木平避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|駒ヶ根市役所 観光振興課

・摺鉢窪避難小屋(通年開設)
・中小避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|一般財団法人まちづくりセンターいいじま

・安平路避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|飯田市役所 観光課

・木曽駒ケ岳七合目避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|木曽町役場 観光交流課

・恵那山山頂避難小屋(通年開設)
・野熊の池避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|中津川市役所 観光課

[南アルプス]

南アルプスの避難小屋
出典:PIXTA(中岳避難小屋)
南アルプスにある避難小屋は、通年開設のものや季節によるもの様々です。一部は協力金を任意でお願いしています。また、夏季のみ山小屋のような営業をしている避難小屋もあります。

・長野県営兎岳避難小屋(通年開設)

問い合わせ先|飯田市南信濃自治振興センター

避難小屋を利用して登山を楽しもう!

避難小屋 今まで山小屋やテント場がなくてあきらめていた縦走路や、自分の足では日帰りが難しいと感じていた山も、避難小屋を利用できれば登れることもあります。避難小屋のルールを守って気持ちよく利用し、登山を楽しみましょう。


    関連する記事

    関連する山行記録 byヤマレコ

    避難小屋
    この記事が気に入ったら
    「いいね!」をしよう
    nao
    nao

    両親の影響で子供の頃から山に登り、大きなザックを背負う人を見て自分には無理だなあと思っていたらいつの間にかそうなっていました。歩き続ける縦走が好き。下山後の温泉とビールも大好きです。どうぞよろしくお願いします。

    登山専用コミュニティサイト「ヤマレコ」

    OFFICIAL SNS

     

    LINEでYAMA HACKをもっと手軽に。

    登山用品から登山・トレッキングまで山に関する情報を毎日配信!
    LINE友達限定の毎月当たるプレゼントキャンペーンも開催中!