聖岳|頂に広がる絶景大パノラマ!緑に覆われた美しい山容が魅力の百名山

日本アルプス最南にある3,000m級の名峰「聖岳」。裾野から山頂まで緑に覆われたその優美な姿が人気の日本百名山です。長いコースを登り切った先から見える景色は圧巻!富士山を始め、南アルプスや北アルプスの山々など360度の展望が眼下に広がります。縦走コースとしても人気の聖岳ですが、今回は1泊2日で楽しむ聖岳の魅力たっぷりのおすすめコース、さらに聖岳の見どころポイントを紹介します!


『聖岳(ひじりだけ)』ってどんな山?

聖岳と登山者の画像
出典:PIXTA
標高山頂所在地最高気温
(6月-8月)
最低気温
(6月-8月)
標高差
3,013m静岡県静岡市葵区、
長野県飯田市
14.1℃1.1℃2,271m
参考:ヤマレコ
日本アルプス最南の3,000m峰「聖岳」。西峰の前聖岳と東峰の奥聖岳の2峰からなりますが、一般的には前聖岳を聖岳と呼んでいます。
聖岳という山名は、南東を流れる聖沢が肘を曲げたような形をしていることから、「ひじ折る」「ひじる」「へずり」などと転化した説や、奥深い場所にある世俗を脱した聖なる山「聖岳」になったという説から名付けられたと言われています。まだまだ知られていないみどころや手つかずの自然が残る日本百名山の一つです!

聖岳の登山適期は?

紅葉の聖岳の写真
出典:PIXTA
聖岳は無雪期である6月~10月が登山適期です。初夏の時期には、高山の花々がいっせいに咲き誇り、秋には、ナナカマドやダケカンバなどが色づきます。紅葉のシーズンは例年9月中旬から10月中旬頃、春の残雪期登山は5月上旬頃からとなります。

地図も必ずチェック!山と高原地図 塩見・赤石・聖岳

登山地図の定番といえばコレ!マップ詳細はもちろん、バスやマイカーでのアクセスにも便利!
ITEM
山と高原地図 塩見・赤石・聖岳
発行元:昭文社

聖岳の天気は?

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聖岳の魅力とは?

聖岳山頂の写真
出典:PIXTA
山頂から見る遥か遠くまで連なる山々の姿や、山頂周辺に広がる楽園を思わせるお花畑が魅力の聖岳。雲海の姿を見ることも出来たりと、実に表情豊かな情景を楽しむ事ができます。

山頂からは富士山も!360度見渡せる山頂からの大パノラマ

稜線からみる富士山
出典:PIXTA
他の山に遮られることなく富士山の姿をばっちり望める聖岳山頂。他にも南アルプスの山々はもちろん、仙丈ヶ岳や八ヶ岳、遠く秩父の山まで、実に多くの山の姿を見渡すことができます。

聖岳から赤石岳の眺望
出典:PIXTA
北側には縦走コースとしても人気の赤石岳の姿。さらに南側には 上河内岳、茶臼岳、仁田岳、易老岳、そして光岳へ続く美しい稜線を見ることが出来ます。

山頂付近に広がる色とりどりのお花畑

聖岳の高山植物の写真
出典:PIXTA
山頂周辺、雲の上のお花畑が見られるのは7月中旬~下旬頃。黄色のシナノキンバイにニッコウキスゲ、白色のハクサンイチゲにピンクのコイワカガミなど、色とりどりの花が咲き乱れます。
聖岳山頂のチングルマの写真
出典:PIXTA
遠くに山を望み、足元にはお花畑。疲れを忘れさせてくれる美しさです。

静岡県側から登る1泊2日の登山コース【聖沢登山口】

樹林帯から望む聖岳の画像
出典:PIXTA
かつて百名山を選んだ深田久弥が歩いた、聖沢登山口からの登山道コース。アクセスがしづらい聖岳の中でも、夏のハイシーズンには送迎バスの本数も増えるため、比較的利用しやすいコースです。

また、登山道では熊の出没情報があります。クマよけ鈴など対策を忘れずに行いましょう!

1日目:吊り橋や沢沿いの急登を登り、登山口~聖平小屋まで

聖岳コースの地図画像
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
7.3km6時間10分1泊2日★★★
出典:ヤマプラ
聖沢登山口(95分)→聖沢吊橋(125分)→乗越(65分)→岩頭滝見台(85分)→聖平小屋

聖岳登山口の画像
出典:PIXTA
聖岳登山口へは畑薙湖から送迎バス利用します。赤石ダムを囲む林道から登山道へ入る道標を見つけ、登山開始です。登山口からすぐに急登が始まり、出会所小屋跡まで続きます。

聖岳の吊り橋の画像
出典:PIXTA
出会所小屋跡から1時間弱歩くと、聖沢を越える聖沢吊橋に。吊橋は揺れやすくなっているので、複数人で渡ったら少し怖いかも?スリルを味わいながら慎重に渡りましょう。雨の日は滑りやすいので気を付けて!

聖岳・滝見台からの展望画像
出典:PIXTA
橋を渡り切るとまた急登が始まり、途中にはトラバースも。岩頭滝見台からは、奥聖岳とその中腹から流れ出る2本の長い滝を見ることができます。ガレ場や急斜面の尾根越えも続くので一歩一歩確実に登っていきましょう。


出典:googlemap
1日目は聖平小屋に宿泊。テント場もあるので多くの登山者が利用する山小屋です。宿泊届を出した後に食べることが出来る、名物「ウェルカムフルーツポンチ」は歩き疲れた身体に染みわたる美味しさ!翌日に備えて疲れをとりましょう!

2日目:雄大な稜線を歩いて聖岳山頂へ

聖岳コースの地図画像
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
12.8km9時間35分1泊2日★★★
出典:ヤマプラ
聖平小屋(35分)→薊畑(60分)→小聖岳(80分)→前聖岳(50分)→小聖岳(40分)→薊畑(25分)→聖岳小屋(85分)→岩見滝見台(85分)→造林小屋跡(115分)→聖沢登山口

小聖岳
出典:PIXTA
2日目は聖平小屋からスタート。小聖岳からは、目の前にそびえる聖岳の姿を見ることが出来ます。周辺にはさまざまは草花が咲いているので、可愛らしい姿を楽しみながら歩くことができます。ここから山頂まであと1時間強、もうひと踏ん張りです。


出典:googlemap
聖岳山頂からは奥聖岳や赤石岳、南アルプスの山々や富士山など、360度の大パノラマが!ここまで歩いてきた長い登山道も眼下に広がり、高度感ある壮大な景色が広がります。
下山は往路と同じルートを通ります。山頂から小聖岳まではガレ場など滑りやすい下り坂が続くので、足元に注意して歩いてください。

余裕がある人は…奥聖岳に行くのもおすすめ!


出典:googlemap
聖岳は、前聖岳と奥聖岳の二つの峰を持つ双耳峰。片道20分ほどで奥聖岳に行けるので、体力と時間に余裕がある人は是非奥聖岳まで足を延ばしてみてください。
奥聖岳の画像 出典:PIXTA
奥聖岳から見る前聖岳の姿もまた違った趣があります。空の青さと雲の白さに、前聖岳の山容が映えて美しい!眼下には聖平小屋の姿も見ることが出来ます。

長野県側から登る1泊2日の登山コース【易老渡登山口】

聖岳と木の写真
出典:PIXTA
聖岳へのもう一つのおすすめ登山コースは、長野県飯田市側・易老渡からのコースです。アクセスしにくい奥まった場所に登山口があるので、しっかり計画していきましょう。

1日目:人力ロープウェイや緑が映える苔平。多彩なコースが魅力

聖岳コース地図の画像
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
8km6時間10分1泊2日★★★
出典:ヤマプラ
易老渡(30分)→聖光小屋(45分)→西沢渡(170分)→苔平(100分)→薊畑(25分)→聖平小屋
天空の下栗の里の写真
出典:PIXTA
登山口は、遠山郷・下栗の里から奥に約15km。林道を車で入ったところにある芝沢ゲートです。日本の里100選にも選ばれている下栗の里は、まるで天空の里!
本格的な登山道スタートは易老渡からですが、芝沢ゲートから易老渡までマイカーでの通行は禁止されています。タクシーでのみ車での通行可なので、タクシー利用をおすすめします。
聖岳 西沢渡 西沢渡までは、森林鉄道の軌道跡を進んでいきます。雨の後などは道がぬかるむ事もありますが、比較的緩い登山道が続きます。
聖岳 人力ロープウェイ 聖岳名物「人力ロープウェイ」。30mほどの沢を渡ります。ロープウェイはかなり重いため、女性一人では難しいかもしれません!一応橋もありますが、増水時には破損している場合もあるので、事前に情報確認をしましょう。
西沢渡を越えると薊畑までは長い急登となります。途中の苔平付近からは美しい苔を見ることができます!
聖平小屋分岐の画像 撮影:YAMAHACK編集部
薊畑の手前2,314m地点に、西沢三角点があります。登山道から少し離れた場所にあるので、探してみてください!薊畑からは視界が開けます。聖平まで少し下り、一日目の宿泊場所である聖平小屋を目指しましょう。すっと伸びる木道の両脇には数多くの倒木の姿が。実に不思議な景観です。

出典:googlemap
聖平小屋前のテント場は、広々としてして気持ちの良い幕営地。小屋の宿泊者でなくてもウェルカムデザートとしてフルーツポンチをいただけます。テント場は近くにトイレや水道があり、快適なテント泊ができます!

2日目:圧巻の眺望!小聖岳~聖岳山頂へ!

聖岳コースの地図画像
出典:ヤマプラ
距離コースタイム日程難易度
12km8時間40分1泊2日★★★
出典:ヤマプラ
聖平小屋(35分)→薊畑(60分)→小聖岳(80分)→前聖岳→(50分)→小聖岳(100分)→苔平(120分)→西沢渡(45分)→聖光小屋(30分)→易老渡

小聖岳の画像
出典:PIXTA
二日目は聖沢登山口コース同様、まずは小聖岳へ向かいます。小聖岳からはガレ場の尾根道なので、気を付けて歩きましょう!
聖岳山頂の画像
出典:PIXTA
山頂からは近くの兎岳や赤石岳が大きく見えます。一度だけでなく、何度も訪れてみたくなる展望ですね。下山は同じルートを使って帰ります。

聖岳の山小屋&アクセス情報

ここでは、紹介した聖平小屋と二つの登山口までのアクセスを紹介します。どちらの登山口へも秘境の地と呼べるほど行きにくいですが、登山シーズンは高速バスを利用すると便利です。登山口までの送迎バスは、予約受付が同じ窓口になるので山小屋の宿泊予約とまとめてしまいましょう!

聖平小屋

聖平小屋の画像
出典:PIXTA
標高2,300m、聖平に建つ聖平小屋。宿泊届を出した後に食べることが出来る「ウェルカムフルーツポンチ」が有名です。清潔感のある水洗トイレや水場、売店など、登山者に嬉しい設備がたくさん!
住所: 静岡県静岡市葵区田代
電話番号:080-1560-6309(携帯)*予約は井川観光協会(054‐260‐2377)
営業期間:7月上旬~9月下旬
収容人数:120人
利用料金:1泊2食 8500円 / 素泊り 5500円 / テント1人 700円 *宿泊代は寝袋付。持参の場合は1000円引。

聖光小屋

聖光小屋 現在休業中です。

聖沢登山口

●車の場合
【東京から】
首都高速5号池袋線→東名高速道路→新東名高速道路→高速新静岡IC→新静岡IC→県道27号→県道189号→県道60号→畑薙夏期臨時駐車場
→畑薙夏期臨時駐車場にて山小屋送迎バス(要予約)乗り換え、聖沢登山口にて下車

●高速バスの場合
【東京から】
竹橋駅または八王子駅→毎日あるぺん号「南アルプス(荒川三山・赤石・聖・茶臼)・ 畑薙ダム方面」(要予約・季節運行)→畑薙夏期臨時駐車場
→畑薙夏期臨時駐車場にて山小屋送迎バス(要予約)乗り換え、聖沢登山口にて下車
あるぺん号 南アルプス(荒川三山・赤石・聖・茶臼)・ 畑薙ダム方面 時刻表

●電車の場合
  • JR静岡駅→バス(しずてつジャストライン・季節運行)→畑薙夏期臨時駐車場(畑薙第一ダム)
→畑薙夏期臨時駐車場にて山小屋送迎バス(要予約)乗り換え、聖沢登山口にて下車

※どの交通手段を使っても畑薙夏期臨時駐車場から登山口まではバスを利用することになります。指定宿泊施設の宿泊者向けの送迎バスになるので、利用する山小屋の宿泊予約と一緒に予約するとスムーズです。
送迎バスについて
【駐車場(登山シーズン以外)】
登山シーズン以外の時期は、畑薙第一ダム左岸に駐車。この駐車場が送迎バスの発着地点になります。


【臨時駐車場(登山シーズンのみ)
7/中旬~10/上旬の登山シーズンのみ、臨時駐車場ができます。送迎バスの発着もこの駐車場から行われます。
駐車台数:約150~200台

易老渡

●車の場合
【東京から】
首都高速5号池袋線→中央自動車道→高速松川IC→県道251号→国道474号→国道152号→芝沢ゲート→易老渡登山口

※一般車は易老渡の手前、芝沢ゲートまで通行することができます。ゲートから奥は一般車両通行止です。ゲートから易老渡登山口までは徒歩で約90分です。
※土砂崩れなどで通行止めになることが多いので、道路状況やどこまで車で入れるのかを直前に確認することが必要です。林道の箇所によっては電波が悪くその場で問い合わせができないこともあります。

●高速バスの場合
【東京から】
新宿駅または日野駅→信南交通「伊那・駒ヶ根・飯田行き」(要予約)→飯田駅前→飯田駅→市営バス「遠山郷線」→遠山郷→乗合タクシー(要予約・約60分)→易老渡登山口
信南交通 高速バス

●電車の場合
飯田駅→市営バス「遠山郷線」→遠山郷→遠山郷→乗合タクシー(要予約・約60分)→易老渡登山口
天竜観光タクシー
※飯田市の委託を受けた天竜観光タクシーのみ、芝沢ゲート~易老渡を登山口まで通行できます。

【駐車場情報】
住所:長野県飯田市南信濃木沢
駐車台数:約50台
トイレはありません。

いざ、味わい深い秘境の山・聖岳へ!

百閒平から望む聖岳
出典:PIXTA
アプローチが長く、上級者の多そうなイメージの聖岳。1泊2日であればゆっくり自分のペースで聖岳に登ることができます。大自然と自分達だけの様な気がしてくる贅沢な山歩きに、この夏チャレンジしてみませんか?

【登山時の注意点】
・登山にはしっかりとした装備と充分なトレーニングをしたうえで入山して下さい。(足首まである登山靴、厚手の靴下、雨具上下、防寒具、ヘッドランプ、帽子、ザック、速乾性の衣類、食料、水など。)
・登山路も複数あり分岐も多くあるので地図・コンパスも必携。
・もしものためにも登山届と山岳保険を忘れずに!
・紹介したコースは、登山経験や体力、天候などによって難易度が変わります。あくまでも参考とし、ご自身の体力に合わせた無理のない計画を立てて登山を楽しんで下さい。


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くわのみ
くわのみ

谷川岳のオジカ沢ノ頭にすっかり魅せられ、山が好きになりました。将来の夢は、おばあさんになっても元気に山に登り続けることです。

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