『光岳(てかりだけ)』ってどんな山?
標高 | 山頂所在地 | 最高気温(6月-8月) | 最低気温(6月-8月) |
---|---|---|---|
2591.52m | 静岡県静岡市葵区・榛原郡川根本町 長野県飯田市 | 16.7℃ | 3.4℃ |
日本アルプスの最南端に位置する光岳は、日本最南の標高2,500m超の高峰。山頂付近の特徴的な岩塊が白く光って見えたことから「光石(てかりいし)」と呼ばれるようになり、そこから『光岳(てかりだけ)』という山名となりました。
山頂は樹林に覆われて眺望はありませんが、山頂周辺にあるセンジガ原の広大な草原やイザルガ岳からのパノラマ展望は素晴らしく、高山植物の宝庫でもあります。
光岳の登山適期は?
光岳の登山最適期は6月下旬〜10月中旬。7月〜8月にはミヤマムラサキやシナノキンバイなどの様々な種類の高山植物、10月頃からは紅葉の美しい姿を楽しむことができます。
地図も必ずチェック!山と高原地図 塩見・赤石・聖岳
登山地図の定番といえばコレ!マップ詳細はもちろん、バスやマイカーでのアクセスにも便利!
光岳の天気は?
光岳に行く前に現地の天気をこちらでCHECK!
てんきとくらす(光岳の週間天気)
山頂周辺からは数々の絶景が!光岳の見どころは?
山頂には展望が無いことでも知られる光岳ですが、山頂付近には多くの見どころがあります。富士山の6合目辺りと同程度の標高、緯度も富士山とほぼ同じという光岳にはどのような風景が待っているのかを見ていきましょう。
何通りもの表情を見せてくれる富士山
光岳山頂から少し手前に位置する光岳小屋付近からは富士山の姿を見ることが出来ます。日の出に浮き上がってくるような富士山のシルエットはとても幻想的!富士山のほぼ真西に位置する光岳ならではの絶景と言えます。
イザルガ岳からは、こんな幻想的な富士山の姿を見られることも!
360度見渡せる絶景ポイント!イザルガ岳
標高2,540m地点のイザルガ岳からは360度の大パノラマ展望を楽しめます。南アルプス南部を代表する3000m級の高峰、荒川岳や赤石岳・聖岳はもちろん、遠くには仙丈ヶ岳を観ることができます。
白く光る?!光石
光岳山頂から少し西側の標高2,489mに突出した白い花崗岩の岩場。これが光岳のシンボル的存在「光石」です。遠州側から見るとこの岩が夕日に白く光って見えることが名前の由来となっています。
光石の上には登ることもできます。ここから南を見ると寸又峡源流部の山の樹林が壮大に広がっています。
光岳1泊2日のモデルコース紹介!
光岳はよほどの健脚でない限り日帰りでは登れません。今回は易老渡から入り易老岳を経由する1泊2日のモデルコースをご紹介します。急登の続くハードなコースではありますが、南アルプス深南部をじっくり味わうことができます。
最高点の標高: 2552 m
最低点の標高: 906 m
累積標高(上り): 3298 m
累積標高(下り): -3298 m
- 【体力レベル】★★★★★
- 1泊2日
- コースタイム:15時間9分
- 【技術的難易度】★★★☆☆
- ・ハシゴ、くさり場を通過できる身体能力が必要
・地図読み能力が必要
1日目:巨木の森を登る急登コース
易老渡(70分)→面平(120分)→平らな広場(65分)→馬の背(65分)→易老岳(70分)→三吉平(80分)→光岳小屋

易老渡側の易老岳登山口から入ります。ここから約5時間半ほどかけて、まずは易老岳を目指します。
易老岳までは樹林帯をひたすら歩くことになります。歩き始めてすぐに急登となり、この急登は易老岳まで続きます。
夏のシーズンには、シナノキンバイやイワカガミなど様々な高山植物に出会うことが出来ます。可愛いお花の姿に癒されますね。
三吉平を通過すると、枯れた沢筋のゴーロ帯が続きます。天気によっては滑りやすいため、気を付けて登っていきましょう。
静高平を過ぎれば光岳小屋までもう一息!ようやく視界が開けてきます。静高平には水場がありますが、晴天が続くと枯れてしまうことも。
静高平から先は平坦な道が続きます。木道が伸びるセンジガ原の大平原は、まるで楽園のような壮大な空間!
センジガ原を越えるとやがて光岳小屋が見えてきます。1日目はここで終了。光岳小屋で深南部の静かな夜を堪能しましょう。
2日目:山頂~光石~イザルガ岳と見どころ満載!
光岳小屋(20分)→光岳(10分)→光石(53分)→イザルヶ岳(140分)→易老岳(130分)→面平(85分)→易老渡
2日目は光岳小屋からスタートです。小屋から20分ほどで三等三角点のある山頂に到着します。山頂は樹木に覆われているので、残念ながら眺望はありませんが、すぐ先にある展望台からは光石や南アルプスの山々を見る事ができます。記念撮影をしたら光石に向かいましょう。
山頂から西へ10分ほど行くと光岳のシンボルである「光石」に到着。石灰岩の割れ目からは、ミヤマムラサキの姿も見ることが出来ます。
光石から光岳小屋方面へ折り返し、1時間程度でイザルガ岳に到着します。イザルガ岳からは360度の大展望が!富士山や聖岳、中央アルプスの山々などたくさんの名峰の姿が楽しめます。
下山はイザルガ岳からセンジガ原に戻り、登りと同じコースを下りて行きます。急な坂が多いので、足元には注意して下山しましょう。
光岳の山小屋&アクセス情報
アルプス深南部に位置する光岳小屋は北アルプスや八ヶ岳のような至れり尽くせりの小屋ではありません。公共交通機関を利用したアクセスもかなりハードですし、マイカーの交通規制にも注意が必要です。しっかりとした計画を立てて出かけましょう。
光岳小屋
静岡県営の光岳小屋は7月上旬〜9月中旬のみ、管理人さんが入って営業しています。営業期間外でも宿泊棟を開放しているので利用は可能です。その際、寝袋と自炊道具は必ず持参しましょう。
また、静高平の水場が枯れていない時は、光岳小屋での水の提供は行っておりません。必ず静高平で水の補給をしましょう。
■営業期間:7月10日~9月16日(2018年度予定)
■収容人数:40名, テント:6~8張
■電話番号:
0466-27-7659 | 10月1日~6月20日 |
---|---|
090-6939-2356 | 管理人さん携帯 |
0547-58-7077 | 川根本町役場 総合支所 企画観光課 |
■利用料金:
素泊まり | 3,500円 |
---|---|
寝袋代 | 1,500円 |
朝食代 | 1,000円 |
夕食代 | 2,000円 |
テント場代 | 400円/1人 |
※食事の提供は原則として全員50歳以上で3名以下のグループのみ。午後3時までに要手続き。
易老渡登山口へのアクセス
●車の場合
【東京から】
中央自動車道 飯田IC→国道153号線→県道251号線→小川路峠道路/国道474号線→国道152号線(ここまで約22km)→南アルプス登山口の案内板を右折→秋葉街道(約15km)→芝沢ゲート(約5km)→易老渡登山口
【駐車場情報】
■名称:芝沢ゲート駐車場
■駐車料金:無料
■駐車台数:50台
■トイレ:無し
芝沢ゲート~易老渡は一般車両通行禁止です。タクシーか徒歩(約1時間)で移動しましょう。
登山口周辺の道路状況については飯田市のサイトをチェックしてみてください。
南アルプス南部登山口の道路状況(飯田市)
●公共交通機関を利用する場合
【電車】
新宿駅→(特急あずさ)岡谷駅→(JR飯田線)飯田駅 – 飯田駅前バス停→(遠山郷線)上島バス停(徒歩約20km)→易老渡登山口
バスの時刻表はこちら(新南交通)
【高速バス】
バスタ新宿→(高速バス)飯田駅前 – 飯田駅前バス停→(遠山郷線)上島バス停(徒歩約20km)→易老渡登山口
高速バスの詳細はこちら(新南交通)
頑張ったその先に!光岳の楽園を観に行こう
人を寄せ付けない雰囲気のある南アルプス深南部の光岳。東京から移動すると考えると前1泊・山1泊と、最低でも2泊の計画を立てないと登れません。百名山踏破を目指している方も最後の山として掲げる光岳。そこにはキツい急登をも忘れさせてくれる絶景があります。登った人にのみ開かれる楽園をじっくり味わいましょう。