屋久島ってなんだ?
屋久島は鹿児島の南南西約60kmの沖合にある島で、淡路島より少し小さく、「洋上アルプス」という異名を持つほど島のほとんどが山でできています。島の90%が森林で覆われており、標高1,935mの宮之浦岳という山が最高峰として君臨しています。また、島の面積の約21%がユネスコ世界遺産にも登録されています。こうしたことから、屋久島はまさに登山やトレッキングのための島と言っても過言ではありません!
まるで映画の世界!屋久島の一押しトレッキングコース
屋久島の見どころはたくさんありますが、中でも人気が高くたくさんのツアーが組まれているのが2大名所と言われている「縄文杉」と「白谷雲水峡」を巡るトレッキング。どちらも巡る場合は、基本的に1泊2日の日程となります。ツアー料金についても1万円台からあり、ガイドが同行するので初心者でも安心・安全に屋久島の大自然を満喫できますよ!
1966年、屋久島が地元の岩川貞次氏により発見された縄文杉。樹齢が2,600~7,200年と推定され、その名の通り縄文時代から生き続けている杉の木となります。
もし樹齢が最大値の7,200年だった場合、古代エジプト文明が勃興したのが5,000年前とされているので、それよりも遥かに長い時間そこに佇んでいることになるわけですね。
縄文杉コースは荒川登山口を起点に、約20km、往復10時間近くかかるトレッキングとなります。標高600mから1,300mまで登り、標高差は700mです。
スタートしてしばらくすると、トロッコ道が姿を見せます。大正時代には伐採した屋久杉を里へ運ぶのに使われていましたが、現在では登山道管理のための物資輸送や屋久杉の土埋木、古い切り株などを運ぶのに使われています。
線路の上を歩いてコースを進みます。原生林が生い茂る幻想的な森の中を線路が延びる様は、ファンタジーの世界に迷い込んだ様。また、ヤクザルやヤクシカなど、ここでしか出会えない動物にも遭遇するかも?!
江戸時代に伐倒された切り株も随所で見られ、中でも一番大きなウィルソン株と呼ばれる切り株には圧倒されます。
縄文杉コースの途中に「楠川別れ」という分岐点があり、白谷雲水峡へとつながっています。白谷雲水峡に広がる森は、宮崎駿監督のアニメ映画「もののけ姫」に登場する深い原始の森のモデルといわれており、苔生す大岩や屋久杉の巨木が鬱蒼と広がる、幻想的で美しい景色に見惚れます。
屋久杉が倒木の上に育ち、倒木が長い年月を経て朽ち果て無くなったため空間が生まれ、「くぐり杉」と呼ばれるこのような姿に! 白谷雲水峡ではこういった魑魅魍魎然とした姿の木々も数多く目にできます。
白谷雲水峡のハイライトともいわれる「太鼓岩」からは、それまでの鬱蒼とした森から一変、屋久島の大自然を見渡せます。屋久島中央部にそびえる宮之浦岳や海岸エリアからは見えない奥岳と呼ばれる山々も望めますよ。
屋久島へのアクセス方法
屋久島は離島なので、飛行機か船を使って向かうことになります。早割チケットを取り、各主要都市の空港から鹿児島空港を経由して屋久島空港へ飛ぶプランがおすすめです。関西圏の方は、伊丹から直行便が出ていますよ!
鹿児島から
●飛行機
日本エアコミューター(所要時間35分/1日5便/予算:片道1万数千円程度)
●船(高速船)
種子屋久高速船株式会社(所要時間1時間45分/1日7便/予算:片道1万円まで)
●船(フェリー)
フェリー屋久島2(所要時間4時間/1日1便/予算:片道5,000円前後)
福岡から
●飛行機
日本エアコミューター(所要時間1時間10分/1日1便/予算:片道21,310円)
※福岡発14:30、屋久島着15:20/屋久島発13:30→鹿児島着14:50、発16:10→福岡着17:00
伊丹から
●飛行機
日本エアコミューター(所要時間1時間20分/1日1便/予算:片道35,810円)
※伊丹発10:25、屋久島着12:00/屋久島発15:30、伊丹着16:50
屋久島トレッキングと一緒に楽しみたい観光スポット
日程に余裕があるなら是非屋久島らしいスポットも合わせて巡ってみるのがおすすめです! 特に人気が高く、見逃すのはもったいないスポットを紹介します。
大川の滝
屋久島の南西、海にほど近い屋久島町栗生にあり、落差は88mと九州一の高さを誇っています。日本の滝百選にも選出されている名瀑で、水量が多く豪快で迫力ある流れを目にできます。滝壺の真下まで歩いて行けるのも大きな特徴で、屋久島の自然の雄大さを肌で実感できるはずですよ! 歩いて5分のすぐ近くには、入り江のようなこじんまりとしたビーチもあります。
永田いなか浜
コバルトブルーとエメラルドグリーンの海に白い砂浜。まさしく多くの人がイメージする南国のビーチといった景色が広がる「永田いなか浜」は、屋久島の北西に位置し、日本最大のウミガメの産卵地として知られています。5月以降アカウミガメが産卵のために上陸し始め、6~7月半ばに最盛期を迎えます。ウミガメの産卵は夜間に行われ、期間中は夜間のビーチへの立ち入りが禁止となるため、中々目にする機会は限られますが、この近辺の海に潜ってウミガメを見るダイビングツアーなども行われているので、気になる人は参加してみては?
横河渓谷(よっごけいこく)
永田いなか浜に来たのなら、すぐ近くに位置する横河渓谷も合わせて訪れたいところ。ここは天然のプールともいえる川で、エメラルドグリーンの透き通った綺麗な水が特徴です。大きな花崗岩が折り重なる姿も随所で見られ、その合間を流れる清流はまさに天然のウォータースライダー。到着したら、駐車場からは10分ほど屋久島らしい苔生す森の中を歩いて水辺スポットへと向かいます。軽いウォーキングと水遊びの両方が楽しめるおすすめスポットですよ!
ヤクスギランド
ヤクスギランドは、日本国内ではほぼ消滅して目にすることができないスギの原生林をハイキング感覚で見られる自然散策コースで、縄文杉コースの南側、標高1,000mのエリアに位置しています。可愛らしい名称とは裏腹に、深山幽谷の雰囲気が漂っているのが特徴ですが、遊歩道や階段、吊り橋などが設置され、よく整備されているので、縄文杉コースのような本格トレッキングはまだ不安といった人にもおすすめ! 体力や好みに合わせて選べる4つのコースが設けられています。
絶景の秘境!「奥大井湖上駅」でプチハイク
そこまでがっつり山登りやトレッキングは考えていないけれど、自然の感じられるところへ行きたいとお考えのあなたには、首都圏からも比較的近く、列車に乗って秘境を訪れることができる「奥大井湖上駅」がおすすめです。出発地点を新金谷にし、SLに乗って旅をスタートさせるのも粋なもの。奥大井湖上駅周辺にはハイキングコースや温泉もあるので、歩きたい人にもおすすめです。