日本三大霊山って知ってる?
神社や仏閣などの宗教施設やゆかりの地など、霊験あらたかな場所を霊場(れいば)と言います。古くから信仰の対象となっており、今でも修験者が行き交っている場所も。山岳信仰に根ざしたものが多く、一般的には特に大規模な場所や由緒ある恐山・比叡山・高野山を日本三大霊山または日本三大霊場と呼んでいます。
日本三霊山とはちがう?
古くから山岳信仰の対象となっている山の中でも、特によく知られた場所を日本三霊山と呼び、諸説ありますが一般的には富士山・白山・立山(木曽御嶽山)のことを呼んでいます。
※こちらの3つを「日本三大霊山」と呼ぶこともあります。
日本三大霊山①あの世を覗いてみる?恐山
まずは恐山から紹介します。本州最北の地にある恐山、この世とは思えないような光景が広がっているそうですが、どのような霊場なのでしょうか。
死者の魂は恐山へ……あの世とこの世の行きかう場所
青森県下北半島にある恐山(おそれざん)は、9世紀頃に天台宗の慈覚大師円仁により開山されたと伝えられる霊場です。活火山である恐山は硫黄のにおいが立ち込める荒涼とした地で、「三途の川」や「無限地獄」、「血の池地獄」、「極楽浜」など、あの世の世界を覗き見ることができます。
見どころ①三途の川
恐山にある宇曽利山湖から流れる正津川は、俗世と霊界を隔てる三途の川と称されています。流れが速く、川にかかる太鼓橋は罪人には針山に見えて渡れず、善人のみが渡ることができるといわれています。
見どころ②無限地獄と血の池地獄
恐山の境内には多数の地獄が点在しています。ごつごつした岩場を歩くと小石が積み上げられた場所がところどころ見えています。これが無限地獄や血の池地獄で、参詣者は地獄を巡りながら死者の成仏を願います。
見どころ③六大地蔵
恐山菩提寺の総門手前には六大地蔵があります。六大地蔵とは、死者が行く次の世界と言われる地獄・餓鬼・畜生・修羅・人間・天国の6つの世界で、衆生の苦しみを救ってくれるものとされています。
見どころ④賽の河原
恐山境内の西側には、賽の河原が広がっています。火山性のガスが吹き出る荒涼とした地には、親より先に亡くなった幼い子供が親を思って石を高く積み上げるという話があり、子どもの成仏を助けるために遺族の方が積み上げた供養塔がいくつも点在しています。
見どころ⑤極楽浜
恐山のカルデラ湖、宇曽利山湖の湖畔は極楽浜と呼ばれています。宇曽利山湖は強酸性の湖で、動植物がほとんど存在しないため透明でより美しい湖となっています。極楽浜には、背面に大小さまざまな手形が彫られた地蔵菩薩像が建てられています。賽の河原で子どもが積み上げた供養塔を邪魔する鬼に救いの手を差し伸べるてくれるのが、この地蔵菩薩です。
アクセス
車の場合
青森東IC-県道4号線(はまなすライン)-恐山(約104km)
電車・バスの場合
青森駅(青い森鉄道)-野辺地駅(JR大湊線)-下北駅
下北駅から恐山行き直通バスで43分
下北交通 バス時刻表