『ヒマラヤ 運命の山』難壁を乗り越えた先に待ち受けていた悲劇

登山家の実話を基にして制作された映画『ヒマラヤ 運命の山』をご紹介します。人類史上初、8,000m峰14座を制覇した登山家、ラインホルト・メスナー。彼が弟と登った「ナンガ・パルバート」で起こった悲劇とは・・・


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実話を基にした山岳映画、『ヒマラヤ 運命の山』

『ヒマラヤ 運命の山』の舞台ナンガ・パルバート
出典:PIXTA
『ヒマラヤ 運命の山』はイタリアの登山家「ラインホルト・メスナー」の体験をもとに制作されたドイツ映画です。メスナーの実体験を映像として再現し、それまで語られることのなかった初登攀にまつわるスキャンダルの真相を描き、ドイツでは興行収入200万ドルを超える大ヒットになりました。

あらすじ

『ヒマラヤ 運命の山』の1シーン
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幼いころから仲の良かった兄ラインホルトと弟ギュンター。二人の夢はヒマラヤ山脈の山頂、「ナンガ・パルバート」に登頂することでした。大人になり、登山家として有名になった二人に、ナンガ・パルバートのルパール壁に登るチャンスが舞い込みます。

二人の参加した遠征隊の隊長は「ヘルリヒコッファー博士」。ルパール壁へは何度も挑戦しており、そのたびに失敗に終わっていました。優秀な登山家を集めたヘルリヒコッファーですが、4合目にベースキャンプを組んだのち悪天候が続き、遠征隊は20日近くアタックを断念します。メスナー兄弟は、安全第一の決断しか下せなくなった隊長に無断でアタックを決め、2人でルパール壁の世界初登攀に成功します。

『ヒマラヤ 運命の山』の舞台ナンガ・パルバート
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しかし、弟ギュンダーが高山病にかかってしまい、2人は予定していたルートで下山できなくなってしまいます。そんな中、兄ラインホルトはギュンダーを見失い、自分自身も重度の凍傷になりながら下山することになります。

「人喰い山」ナンガ・パルバート

『ヒマラヤ 運命の山』の舞台ナンガ・パルバート
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ナンガ・パルバートはヒマラヤ山脈の標高8,125mの山です。その高さは世界で9番目に高く、周囲に高い山がないことからその名は「裸の山」の意味を持ちます。ドイツの登山隊が何度も挑戦しましたが多くの犠牲者を出し、「人喰い山」と恐れられるほど。

初登頂は1953年、オーストリア出身の登山家「ヘルマン・ブール」。2016年にイタリア出身の登山家「シモーネ・モロ」が冬季の登頂に初めて成功する以前までは、冬季登頂が成功していない8,000m峰のうちの一つでした。

世界最大の標高差を誇る「ルパール壁」

『ヒマラヤ 運命の山』の1シーン
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メスナー兄弟が登攀した「ルパール壁」はなんと標高差4,800m。世界屈指の難壁として知られています。彼らがそのルパール壁の初登攀に成功したのが1970年のことでした。

偉業を成し遂げた登山家、ラインホルト・メスナー

『ヒマラヤ 運命の山』の主人公ラインホルト・メスナー 『ヒマラヤ 運命の山』の主人公であるラインホルト・メスナーはイタリアの出身。1986年に人類史上初、8,000m峰全14座に完全登頂したことで有名です。5歳の時に初めて3,000mの山に登り、幼いころから山に親しんできました。

22歳の時にグランド・ジョラス北壁の登攀に成功、その後1969年、三大北壁の中で最高難度のアイガー北壁を当時の最短記録で登りました。

1970年、ナンガ・パルバートのルパール壁 初登攀に成功するが・・・

『ヒマラヤ 運命の山』の主人公メスナーが書いた手記
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このルパール壁の初登攀の体験をもとにラインホルト・メスナーは手記を書きます。その手記をもとに作られたのがこの映画です。ナンガ・パルバート登頂で重度の凍傷にかかったラインホルトは、その後、足の指を6本も切断することになります。

しかしそれから17年かけて8,000m峰を制覇し、人類史上初となる偉業を成し遂げることになるのです。

『ヒマラヤ 運命の山』の見どころ

『ヒマラヤ 運命の山』の1シーン
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『ヒマラヤ 運命の山』の見どころは何と言ってもラインホルトの体験の「再現度の高さ」。制作チームはこの映画を撮るために3回ナンガ・パルバートに訪れ、ベースキャンプを設営して撮影したとか。衣装や道具も忠実に再現され、映像はもちろん、氷を割る音なども現地で録音されています。

ヒマラヤの美しい稜線が深く印象に残る。山という圧倒的な存在から自然の厳しさを感じられ、ラインホルト・メスナーの登山を追体験できる貴重な映画である。作中でなぜ画家は絵を描くのか、なぜ登山家は山に登るのか、その答えは同じだろう的なことが言われており、我々一般人には理解し難い考えだが、この映画を観るとラインホルト・メスナーのその感覚が少し理解できる。
なぜ彼は極限の状況から生還することができたのか、ラインホルト・メスナーについてもっと知りたくなったので、著書も読んでみようと思う。出典:Yahoo!映画

山が好きなので山岳ものの映画はよく見るが、期待を裏切られることが多かった。この映画に関しては登頂場面での雪山の映像にリアル感が伝わってきた。ストーリーも余計な演出を入れずに実話のナンガパルバート登頂に焦点を当てたのは良かった。エンドロールも印象的だった。出典:Yahoo!映画


予告編もチェック!

『ヒマラヤ 運命の山』が見たくなった人は・・・

ヒマラヤ 運命の山

ITEM
ヒマラヤ 運命の山
出演:フロリアン・シュテッター、アンドレアス・トビアス、他
監督:ヨゼフ・フィルスマイアー
言語:ドイツ語
字幕:日本語
発売日:2012年3月21日
時間:104分

ラインホフメスナーの強靭さ精神力の強さに感銘した。ナンガパルバードにはドイツの運命の山と言われ、以前にヘルマンブールがメスナーと同じく単独登頂した山で印象深く鑑賞できました。


裸の山 ナンガ・パルバート

映画のもととなった、ラインホルト・メスナーの手記です。
ITEM
裸の山 ナンガ・パルバート
著:ラインホルト・メスナー
翻訳:平井吉夫
出版社:山と渓谷社
発売日:2010年10月8日

今、映画「ヒマラヤ」のポスターになっているメスナーのナンガパルバート登頂写真を以前見て驚いたことが2つあります。一つは彼の足元(8125m)より上の体の部分は宇宙空間に属しその背景の空が暗黒色に近い藍色であること、もう一つは無酸素登頂と言う偉業を成し遂げた喜びのジェスチュアはなく、泣きだしそうな程悲しげなたたずまいであることです。それが知りたくて「裸の山」を読みました。人並みはずれた強靭な体、強固な意志、熟達した登攀テクニックを備えた彼にとって、登山とは頂点に立つこと以上に内なる自己における成長を意味する精神性の高い行為なのです。8000M峰14座完登はお金と運があっても簡単に成し遂げられない訳ですね。8000Mは不可能だけどいつか藍色のヒマラヤの空を見てみたいと思っています。


圧巻の映像美と迫力のストーリー

ヒマラヤ 運命の山の1シーン
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圧巻の映像、人間ドラマ、当時は明かされなかった真実・・・。『ヒマラヤ 運命の山』を見て、あなたは何を感じるでしょうか。偉業を成し遂げたメスナー兄弟に畏敬の念を覚えることは、間違いありません。

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ヒマラヤ 運命の山の1シーン
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YAMA HACK編集部
YAMA HACK編集部

YAMA HACK運営&記事編集担当。登山をきっかけに自然の力に魅了される。山で飲むコーヒーが大好き。何かあれば必ず山に行き、心身共に整える。山について新しい視点を与えられるような記事作りを心がけて日々執筆活動を行う。

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