実際に登山靴をオーダーした人に密着!採寸から完成までの流れ
実際に中山製靴で登山靴をオーダーした都内在住のHさんに密着してみました。40代Hさんは、長年、足に悩みを抱えていました。というのも、Hさんの足は、左右の足で1.5cmほど大きさが違うからです。
今まで登山靴は、小さいほうの左足にインソールを入れて調整していましたが、足が中で動いてしまい、足の裏には硬いたこができるほど。さらにはヒザにも痛みを感じるようになってきたため、オーダーメイドの登山靴を作る中山製靴にたどりついたそうです。今回オーダーした登山靴は、オールシーズン履けるモデルの1000DX(税込42,500円)。実際オーダーしたHさんに密着し、採寸から完成までの流れを見て行きましょう。
採寸と足の特徴の確認
採寸は、紙の上に足を置き、鉛筆でトレースします。まっすく前を向き、立った状態での足型をとります。次に、足幅のサイズを測ります。
Hさんの場合、左右の足のサイズが違うばかりでなく、足の甲の形も違いました。左足の甲の部分は、右足よりへこんでおり、その隙間を埋める必要があるなど、採寸後に相談をします。(※木型に合わない場合や追加で革が必要な場合は、別途料金がかかります。)
木型の調整
木型は足の幅に合わせて3種類(細い/中間/太い)が用意されています。足型に木型を置き、木型に革を貼ることで、注文者の足型に合わせていきます。
木型にあらゆる形状の革を貼りつけ、かかとの出っ張りや幅などの微調整を行います。
製作
工程が200以上あると言われている靴作り。手作りである中山製靴では、完成までに約1ヶ月間かかります(製作期間は繁忙により前後します)。登山靴の革は2枚仕立てですが、かかととつま先には、革が3枚になっていて、より頑丈な作りとなっています。
注文者の調整した木型を革の中に入れ、木型に合わせて折り曲げていきます。この”吊り込み”という作業が、靴作りで最も重要な工程のひとつとされています。
多くの登山靴では、靴底と本体は接着剤で固定されています。よく靴底がはがれるのは、この接着剤が劣化するからと言われています。その年数は、約5年ほど。中山製靴の靴は、本体と靴をしっかりと縫いこんでいるのではがれにくいのが特徴です。また、靴底がすり減っても靴底を張りなおし繰り返し履く事ができるので、30年にも渡り愛用している人もいるようです。
完成
注文したHさんに完成の連絡が来たのは、約1ヵ月後。出来上がった登山靴は、Hさんの足に合わせ、左右の大きさが違っています。左足の甲のへこみには、スポンジが入れられ、隙間をうめ、中で足が動かないように工夫がされています。
できあがった登山靴を早速はいてみたHさん。今までにないフィット感に大満足。はいてみると、その軽さにも驚いていました。初めてのオーダーメイドの登山靴をはいて、早く山に行きたいと言っていました。