武石さん:自分にとっては、チョモロンゾの新ルートを登ったのが一番の誇り。世界初のルートだから、今でも記録には「Japanese route」って書いてあるんです。これは僕が死んでも残ります。ナンダ・コートや、自分が打ち立てた記録は時がたつほど価値があるものと気づかせてくれるし、「自分にはこれがある!」と時間を超えて自分を奮い立たせてくれるんです。
もちろん、その時間を共にした仲間も一生ものですよ。
ルールはない。レベルアップすることで見えてくるもの
自由だからこそ活動範囲は無限大、だからこそ、命にかかわる登山技術は大切に伝えていきたい。技術や経験を積むことでしか見えない景色を知っている武石さんだからこそ、「やりたいことをやればいい」という言葉の奥に秘めた深い意味と熱い思いを感じることができました。
山の楽しみは数あれど、いつだって盛り上げたり、新たな道を切り開いてきたのはチャレンジ精神あふれる人たち。山岳部というのはそういう人が活躍する源泉のような場所なのかもしれませんね。