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新しい行き先は、自分の経験が教えてくれる――立教大学山岳部コーチ・武石浩明さんインタビュー(3ページ目)

武石さん:そのとおり。コーチとして教えることは技術。あとは経験談を話す程度。部員たちは自分たちで道を切り開いていく。単純に、南アルプスを端から端まで縦走しても面白いですよ。大体十数日でできますし、冬に全山縦走を1か月かけてやった人もいます。学生には長い時間があるのがいいところ。みんなが足を踏み入れている山でもいろんな楽しみ方があることを知ってほしいね。

世代を超えて価値観を共有できるということ

武石さん:私が現役の時は北アルプスの黒部横断を試みたけどできなかったんですよね。でも、そのあと後輩がやってのけた。夢を引き継いで、世代を超えてそういう話ができるのは面白いですよ。昔からやってることはそんなに変わらないんです。技術を磨いて挑戦して、クリアしたら新たな行き先が見えて・・・その先にヒマラヤ遠征などがあるんです。

チョモロンゾ登頂

撮影:YAMA HACK編集部(チョモロンゾ山頂にて)

武石さん:私たちの部活の歴史には日本初のヒマラヤ登山を成功させたナンダ・コートの登頂記録があります。はじめはハイキング程度の部活だったのに、堀田さん(遠征隊長)が入部して数年でヒマラヤ遠征を実現させた。当時のそういったフロンティア精神は平成卒でも昭和卒でも持っていて、ナンダ・コートの話をすれば時間軸を超えて分け隔てなく話せるんですよ。これってすごくいいことじゃないですか。そういう歴史や伝統みたいなのは続いていってほしいと思いますね。

編集部 :記録は時間をかけてもずっと残るものであり、特にそういった世界的なものは世代を超えてつながるきっかけにもなってるんですね。

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