COCOHELI 山岳遭難対策制度(ココヘリ) 550万円までの捜索救助を実施 入会金1,100円OFFで申込む

登山史に残る装備を80年ぶりに発見!劇的進化を遂げた4つの山道具とは?(2ページ目)

②肩に食い込むキスリング型から体にフィットする「バックパック」へ

imgp4982

撮影:YAMA HACK編集部

発見されたバックパック(リュック)は、現代の登山用のものとはだいぶ形状が違う「キスリング型リュックサック」。横に広がる形状で、サイドポケットにも十分収納スペースがあります。

imgp4986

撮影:YAMA HACK編集部

ただ、キスリングはフレームやクッションが一切なく、いわば大きな布の袋にベルトが付いたようなもの。形を整えながらパッキングをする必要があるうえに肩への食い込みも強くなります。現代のバックパックは荷物が大量でもパッキングしやすく肩への負担が軽減されていることを考えると、バックパックの進化により、登山が非常に快適になったことがわかります。

imgp4981

撮影:YAMA HACK編集部

リュックのタグの部分には「HOSONO」の文字が。実はこのリュックを制作した「細野防水布店(現・工房HOSONO)」は、1912年から現在まで営業を続けている東京・新御徒町の帆布、バッグ工房でした。当時、ナンダコート遠征に向け、リュックや衣類、テントを納入した歴史を持ち、現在でもクラシカルで洗練された帆布製品を販売し続けています。

③雪山登山に必須の「アイゼン」

imgp4947

撮影:YAMA HACK編集部

雪山登山に必須の「アイゼン」。現在では爪の少ない軽アイゼンからアイスクライミングにも使われる前爪付きのものまでありますが、今回見つかったアイゼンは8本爪。しっかりとした強度で、セットの平紐を括り付けて使います。

imgp5178

撮影:YAMA HACK編集部

今のアイゼンと比較してみると、グリップ力を上げるための爪の向きや足裏にフィットする形状、爪と爪の間には雪の付着を防止するプレートがついており、”氷雪の上を歩く”ための様々な進化が見受けられます。

imgp4943

撮影:YAMA HACK編集部

なんと、今回発見されたアイゼンはケース付き。蓋には「東京 好日山荘 銀座」の刺繍がしっかりと残っています。現在も東京・銀座にある好日山荘。当時から登山者に向けた様々な装備を販売していたことがわかりますね。

2 / 3ページ